免研アソシエイツ協会、コロナ予防効果をうたった健康食品に3社目の景表法措置命令。食品表示法でも処分(消費者庁 2022年11月18日)

3社目となる新型コロナウイルスに対する効果をうたった健康食品に対する、消費者庁による景品表示法の措置命令事案です。

疾病の予防・改善効果をうたった糖鎖サプリメント(栄養機能食品)等に対する景品表示法と、食品表示法の同時適用の処分となっています。
消費者庁は11月18日、健康食品のインターネット通販を行う(一社)免研アソシエイツ協会(大阪市)に対し、同社が供給するサプリメント等10商品の同梱チラシの効能効果の表示について、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。
優良誤認は、販売するサプリメントの含有成分(糖鎖等)の作用により、各種疾病の予防又は改善の効果が得られるかのように示す表示等について、不実証広告規制(※)を用いた処分となっています。
また、6商品の容器包装表示に対して、栄養機能食品としての規定違反や、機能性表示食品と誤認させる表示について、食品表示法に基づく改善指示を行いました。

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一般社団法人免研アソシエイツ協会に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2022年11月18日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/030912/

一般社団法人免研アソシエイツ協会に対する食品表示法に基づく指示について
(消費者庁 2022年11月18日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/030940/
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(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。

景品表示法、食品表示法の両法での処分事例

景品表示法と食品表示法の両法での処分は、本件の他に過去3回あります。
・PS配合糖鎖サプリの認知症予防効果。シーズコーポレーションに景表法措置命令。同梱冊子・チラシも注意(消費者庁:2021年5月14日)
本件と類似の事案で、糖鎖サプリの認知症予防効果を標榜し、不実証広告規制を用いた処分となっています。自社ウェブサイト、商品同梱冊子とチラシが対象となっています。食品表示法違反は、容器包装表示に対する栄養機能食品としての規定違反や、機能性表示食品と誤認させる表示について、改善指示となっています。

・リプサのラクトフェリンサプリの成分量表示に景表法措置命令。栄養成分表示に食品表示法の「指示」も(消費者庁:2022年5月24日)
サプリメントの成分含有量が表示を下回っていたことが優良誤認表示とみなされた事案ですが、効能効果に関する表示は対象とされていません。
食品表示法違反は、容器包装において食品表示基準に定められた栄養成分の量と熱量の表示が適切にされていなかったことへの改善指示となっています。

・ファミリーマートと山崎製パン、食パン原材料の表示に景表法措置命令。山崎には食品表示法の「指示」も(消費者庁:2020年3月30日)
コンビニと大手食品メーカーによるオリジナル商品での、容器包装の商品名や原材料名の表示について優良誤認、実際と異なる原材料や栄養成分の表示が食品表示法違反となっています。

リプサとファミマ・ヤマザキの2事案は、商品の成分や原材料といった品質そのものに関わる表示が問題となっています。他方、本件とシーズに関しては、疾病に関する効能効果に関わる表示が問題となっています。

販売サイトの適法性には言及せず

シーズ事案では商品同梱冊子・チラシ、自社ウェブサイトが違反対象となっていますが、本件ではチラシのみが対象となっています。
違反対象となったチラシは、自社商品に同梱または過去に自社商品購入した顧客に対して送付されていたもので、チラシから自社ウェブサイトに誘導され商品が販売されていました。消費者庁は、今回の違反認定はチラシの表示に対してなされたものだが、ウェブサイトの表示に関して問題ないことのお墨付きを与えるものではなく、適法か否かのコメントはできないとしています。

新型コロナウイルスに対する効果をうたった健康食品での処分事例

新型コロナウイルスに対する効果をうたった健康食品に対する措置命令としては2件出されています。

・LPSサプリ、免疫力アップでウィルス対策。マクロフューチャーに景表法措置命令。同梱チラシも注意(消費者庁:2021年3月9日)
サプリメントの含有成分(LPS)による免疫力向上、疾病の治療又は予防の効果を標榜し、不実証広告規制を用いた処分となっています。対象表示は自社ウェブサイト、商品同梱冊子とチラシとなっています。

・山田養蜂場、ビタミンDと亜鉛サプリのコロナ予防効果表示に景表法措置命令。プレスリリースの「表示」該当性 (消費者庁 2022年9月9日)
サプリメントの含有成分(ビタミンDと亜鉛)による新型コロナウイルスの感染予防及び重症化予防効果を標榜し、不実証広告規制を用いた処分となっています。対象表示は自社ウェブサイトに掲載されたプレスリリース、顧客向けダイレクトメールとなっています。

いずれの事案も自社ウェブサイト上の表示と顧客向けの広告物が違反対象となっています。

コロナ予防のネット広告監視は継続的に行われている

新型コロナウイルスに対する予防効果を謳った商品に対するネット広告の緊急監視が2020年2月以降継続的に実施されており、過去6回(※)の公表で合計 226 事業者による 249 商品又は役務に対して、改善要請が出されています。
(※)
2020年3月10日(第1弾)、3月27日(第2弾)、6月5日(第3弾)、2021年2月19日(第4弾)、6月25日(第5弾)、2022年2月18日(第6弾)

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・消費者庁、新型コロナウイルス予防商品緊急監視 30事業者による46商品の表示に改善要請(消費者庁  2020年2月25日~3月6日)

・根拠なし新型コロナの感染予防効果、34事業者41商品の表示に改善要請。消費者庁の緊急監視(第2弾) (消費者庁  2020年3月9日~3月19日)

・続く、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第3弾)、35事業者38商品の表示に改善要請 (消費者庁  2020年4月1日~5月22日)

・2度目の緊急事態宣言下、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第4弾)、45事業者42 商品・役務の表示に改善要請 (消費者庁  2021年1月~2月上旬)

・3度目の緊急事態宣言下、消費者庁の新型コロナウイルス予防健康食品緊急監視(第5弾)、43事業者49商品の表示に改善要請 (消費者庁  2021年4月~6月)

・消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第6弾)。健食の「ウイルス予防効果」を認めない根拠は? (消費者庁  2021年12月~2022年2月)
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新型コロナウイルス感染症の第8波の拡大が懸念される中、消費者庁は、新型コロナウイルス感染症に対する予防効果が確認されたサプリメントや特定の食品はないとして、コロナ便乗商品に対して引き続き厳正に対処する姿勢を示しています。
空間除菌剤や除菌用スプレーなどの菌・ウィルス対策商品と合わせて、ヘルスケア関連商品について今後も注意が必要です。

免研アソシエイツ協会の違反内容の詳細は以下でご確認ください。
次の記事では、食品表示法に規定する食品表示基準違反となった栄養機能食品としての規定違反や、機能性表示食品と誤認させる表示について確認します。
・免研アソシエイツ協会、コロナ予防効果をうたった栄養機能食品の容器包装表示に食品表示法改善指示(消費者庁 2022年11月18日)


景品表示法に基づく措置命令

【対象商品】
商品1:「免研糖鎖機能性食品G」と称する食品
商品2:「糖鎖エキスプレミアムLD」と称する食品
商品3:「免研・糖鎖グミゼリー」及び「免研 ツバメの巣グミ」と称する食品
商品4: 「免研 Ⓡオメガピーエス」と称する食品
商品5: 「免研ナノルテイン」と称する食品
商品6: 「免研ペット糖鎖食品」と称する商品
商品7:「免研マイタケMD-フラクションタブレット」と称する食品
商品8:「免研マイタケMD-フラクションリキッド」と称する食品
商品9:「ヴィータコスメティックメラスマミルク」と称する化粧品
商品10:「免研・オメガイオジン」と称する食品

【表示媒体・表示内容・期間】
チラシ5パターン

《チラシ1》「難病改善に!! 糖鎖の重要性」と記載のチラシ。
表示内容(a)
「注目の最先端細胞! 糖鎖のパワー こんな方へおススメ ◆現在ガンを患っておられる方 ◆長年病院での治療を受けているが、治療効果が現れない方◆慢性の病気で治る見込みが少ないと言われ、諦めている方」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、がんや難治性の疾患を改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品1、2

表示内容(b)
「糖鎖の働きの一例」とするイラスト並びに商品3の容器包装及び商品画像と共に、「子供の発達障害やテンカン、ストレスやイライラに! 集中力アップにも良い結果が出ている 糖鎖グミゼリー」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、発達障害を改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品3

配布日:
2021年6月13日、7月30日、8月3日、9月1日、10月18日、19日、21日、11月1日、2022年2月1日

《チラシ2 》「お陰様で20年目! 補完医療の推進と天然素材の研究・開発」、「補完医療(CAM)の推進と天然素材の研究・開発」と記載のチラシ。
表示内容(c)
「◆糖鎖栄養機能食品3シリーズ 細胞膜表面糖鎖生合成成分。免疫賦活効果、腫瘍、感染症の予防」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、免疫機能を活発にする効果並びに腫瘍及び感染症を予防する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品1、2

表示内容(d)
商品4の容器包装の画像と共に、「物忘れ・ 耳鳴り・めまいに! 免研オメガ-PS 『中枢賦活機能表示』で 米国FDAが承認:PS(大豆抽出物)『認識機能不全又は痴呆のリスク軽減』の承認。」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、物忘れ、耳鳴り及びめまいを改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品4

表示内容(e)
商品5の容器包装の画像と共に、「視力を回復 免研ナノ・ルテイン 世界初、リポゾーム技 術『ナノ・ルテイン』ルテイン配合、眼内機能維持カロテノイド成分。 黄斑変性症や白内障で視力が低下した方にお試しください。」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、黄斑変性症や白内障により低下した視力を回復する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品5

表示内容(f)
商品6の容器包装の画像と共に、「 |ペットの難病改善| 人間の難病に使用している糖鎖 顆粒をペット(犬、猫)に分包しています。 ペット用糖鎖顆粒」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、犬及び猫の難治性の疾患を改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品6

表示内容(g)
商品7および8の容器包装の画像と共に、「キノコ抽出物(MD-フラクション) マイタケMDフラクション 舞茸より抽出した特許物質 細胞癌化予防、抗がん剤の副作用軽減 効果など研究中。米国では女 性のガン治療に補完医療として利用され好評です。」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分の作用により、癌を予防する効果及び抗がん剤による副作用を軽減する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品7,8

表示内容(h)
頬に手を当てた人物の画像及び商品9の容器包装の画像と共に、「VITAメラスマミルク」及び「メラニン色素吸着・排出する作用で、シミにアプローチする美容液!! 作用メカニズムは、配合された天然鉱石が磁石のようにメラニン色素をイオン吸着し体外に排出。」と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれる成分がメラニン色素を吸着して体外に排出することにより、シミを改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品9

配布日:
2021年6月13日、7月30日、9月1日、10月18日、19日、21日、11月4日、12日、12月3日、6日、2022年1月13日、15日、2月1日、8日、10日、3月8日、10日、4月5日

《チラシ3 》「油断大敵・・・糖鎖サプリで自己治癒力アップ」と記載のチラシ。
表示内容(i)
「コロナ終息?・・・変異株『オミクロン』の脅威がまた! 糖鎖サプリ再登場 糖鎖・細胞レベルでの免疫力を元気に!!」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、免疫力が高まり、新型コロナウイルスの感染を予防する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品1、2

配布日:
2022年2月1日、8日、10日

表示内容(j)
商品10の容器包装及び商品画像と共に、「有機性ヨウ素」及び「飯島医師・聖マリアンナ医科大学医師の研 究・実践ではウイルス性疾患に効果が出たことが発表されています。 又、コロナウィルスに対してもヨウ素の殺菌効果は認められています。」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれるヨウ素の作用により、新型コロナウイルスの感染を予防する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品10

《チラシ4 》「イギリスのジョンソン首相は『ワンチン接種証明の提示などの規制撤廃と『コロナとの共存』を提唱。」と記載のチラシ。

表示内容(k)
「『糖鎖』ってご存知ですか? 人体60兆個の細胞の周りに産毛のように存在する生体分子です。元気にすることで免疫活性を高めてウイルス侵入阻止」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、免疫機能が高まり、新型コロナウイルスの感染を予防する効果及び新型コロナウイルスの感染による症状を改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品1、2

表示内容(l)
商品10の容器包装及び商品画像と共に、「地球の恵みヨウ素で細菌からウイルス!!まで殺菌・・海底から湧き出す鹹水 コロナウィルスの猛威を予防・撃退細胞からの侵入を防ぎましょう!!」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれるヨウ素の作用により、新型コロナウイルスの感染を予防する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品10

配布日:
2022年3月8日、10日

《チラシ5 》「特報■コロナ 患者への糖鎖サ プリ顆粒服用改善例 ①」と記載のチラシ。
表示内容(m)
「令和3年7月に知人に勧められて『糖鎖サプリ』飲み始めました」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、免疫機能が高まり、新型コロナウイルスの感染を予防する効果及び新型コロナウイルスの感染による症状を改善する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品1、2

表示内容n)
「特報■コロナクラスター患者から感染、糖鎖サプリとヨウ素サプリで服用生還例②」等と表示することにより、あたかも、商品を摂取すれば、商品に含まれるヨウ素の作用により、新型コロナウイルスの感染を予防する効果が得られるかのように示す表示をしていた。
対象商品:商品10

配布日:
2022年3月8日、10日

表示例:《チラシ2 》「補完医療(CAM)の推進と天然素材の研究・開発」と記載のチラシ

(消費者庁公表資料より引用)

実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、表示内容(a)及び(b)の表示について、同社から資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。
 (c)~(n)の表示について、同社は当該資料を提出しなかった。

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・消費者庁、デジタル広告の証拠収集、ヘルスケア関連商品の性能・効果検証体制強化(消費者庁 令和4年度第2次補正予算案)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。