プライム・ワンに景表法措置命令。 ダイエットサプリ痩身効果表示は消費者庁6件目 (消費者庁:平成26年7月17日)

7月17日、消費者庁は健康食品販売会社プライム・ワン(有)(東京都板橋区)に対し、雑誌において行ったダイエットサプリメントの痩身効果に関する表示について、景品表示法(優良誤認)の措置命令を行いました。

6月13日に「ステラ漢方」に措置命令が出されたばかりですが、今回も「食品表示対策室」による、不実証広告規制(※1)を用いた措置となっています。
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有限会社プライム・ワンに対する景品表示法に基づく措置命令について
 (消費者庁の関連PDF) http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140717premiums_1.pdf
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【違反内容】
対象商品:「トリプルバーナー」と称する食品

表示媒体・期間:
a)「絶対恋愛Sweet」と称する雑誌に掲載した広告
(平成24年8月10日発売および同年10月10日発売)
b)「Sweetロマンス」と称する雑誌に掲載した広告
(平成25年1月26日発売)

表示内容:
あたかも、対象商品を摂取するだけで、体脂肪を燃焼させ、容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。

トリプルバーナー2
トリプルバーナー1※クリックすると拡大します。

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報道によると、以下のように報じられています。
・約千人が成功したとうたいながら、サプリを実際に飲んだモニターは164人しかいなかった。
・広告でやせたと体験談を語り写真を掲載した女性たちも、実際はサプリを飲んでいないモデルだった。細く見せるために写真を加工した。
・効能を証言した医師は実在しなかった。
・1月分約1万円で販売し、2010年2月~今年5月に同商品だけで約1億6千万円を売り上げていた。

消費者庁が、2009年9月の発足から、ダイエット効果をうたった健康食品の表示に対する措置命令を出したのは今回が6件目となっています。
これらの事案は、いずれも不実証広告規制を用いた措置となっています。

消費者庁は、健康食品の表示に関する消費者への注意喚起のリーフレットを公表しています。リーフレットはこれまでの措置命令で問題となった広告表現のほか、健康食品に関する専門家の意見をまとめ消費者庁ウェブサイトに掲載するとともに、消費者団体等、関係の団体に周知するとしています。
行政の視点として確認しておくとよいでしょう。

◆消費者の皆様へ(健康食品の表示について:消費者庁)http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140613premiums_2.pdf

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(※1)
不実証広告規制(4条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。