消費者庁は4月25日、(株)良品計画に対し、同社が販売しているソファカバーに関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
ソファカバーの店頭POPや商品タグ等に「撥水加工を施した」と表記していましたが、実際には撥水加工が施されておらず、優良誤認表示とみなされました。
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株式会社良品計画に対する景品表示法に基づく措置命令について
(平成30年4月25日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180425_0001.pdf
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今回の事案は、商品の仕様変更時の表示に関する社内情報伝達ミスにより優良誤認表示と認定され、措置命令を受けることとなりました。しかし、不当表示等が発生した場合の対処方針がしっかりと機能していることで、課徴金やブランド棄損のダメージを最小限に抑えることができるケースといえそうです。
事案の概要と同社の対応について確認します。
【対象商品】
綿ポリエステル変り織ソファ用カバー(8種159品)
【表示媒体】
商品タグ、店頭POP及びカタログ
【表示期間】
平成27年6月18日~平成30年1月8日
【違反内容】
表示内容:
例えば、「綿ポリエステル変り織ハイバックリクライニングソファ・1シーター用カバー/ベージュ」との商品名及び「ハイバック1S用」との規格名のソファカバーについて、「太さの違う糸を使ってざっくりと織り上げた生地に、撥水加工を施しました。」と表示することにより、あたかも、対象商品の各商品は撥水加工が施されているものであるかのように示す表示をしていた。
実際:
対象商品の各商品は、撥水加工が施されていないものであった。
同社は今回の処分についてのお詫び告知文において、誤表示の経緯と対応、誤りを生じた原因と再発防止策について次のように説明しています。
●誤表示の経緯と対応
・2015年6月、本件商品の生産工場を変更し、生地の撥水加工をやめた。
・2017年12月末、本件商品の一部商品について、生地の実際と商品タグの記載との違いに気が付き、該当商品の販売を停止。合わせて、仕様の確認や工場への聴取などの内部調査を行った。
・2018年1月9日、良品計画ホームページにおいて、お詫びと返品・返金のお知らせを告知。メールなどにより、購入客への個別連絡を行った。
・同月23日、本件に関して、上記の内部調査の結果を消費者庁に対して自主報告。
・同日以後、追加の内部調査を行うとともに、再発防止策などについて検討。
・2018年2月8日以降、表記誤りをすべて修正したうえで、該当商品の販売を再開。
●誤りを生じた原因
生産工場変更の際、生地の撥水加工をやめたことに伴って商品タグ等に記載の情報も変更すべきところ、内部の伝達ミスにより、商品タグや店頭POP、カタログの情報を変更せずに、そのまま使用し続けていた。
●再発防止策
・商品タグや店頭POP、カタログ等の作成に関して、情報の一元管理を行うとともに、作成と承認のプロセスを見直す。
・景品表示法をはじめとする関係法令及び監督官庁のガイドラインの理解と遵守を徹底していく。
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「綿ポリエステル変り織ソファ用カバー」表記誤りに対する消費者庁の措置命令について((株)良品計画HP 2018年4月25日)
https://ryohin-keikaku.jp/news/2018_0425.html
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次回は、誤表示の経緯と対応について、課徴金や消費者対応の観点からさらに掘り下げて解説します。
≪参考記事≫
・グリーンコープ連合に景表法措置命令。仕入れ先メーカーの品質管理ミスで
・ホクレンに景表法措置命令。加工食品の店頭POPの道産原料表示に誤り
(北海道:平成29年8月22日)
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