チケット不正転売禁止法施行とフリマ・オークションサービス事業者

2019年9月20日に、2020年東京五輪チケットの抽選結果が発表されました。

アンラッキーにも落選した人にとっては、人気の競技であるほど、高値であってもなんとかチケットを手に入れたいと思うもの。
そこで気になるのがチケットの不正転売です。

かねてより、ネット上で高値を付けてのチケット転売行為は問題視されていましたが、「五輪」という国を挙げての一大イベントともなると、法整備もスピーディです。

五輪チケット抽選結果発表に先立ち、「チケット不正転売禁止法」が6月14日に施行されました。

◆チケット不正転売禁止法(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/index.html

◆インターネットでのチケット転売に関するトラブルが増加しています!
(国民生活センター 2019年6月6日)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190606_1.html 

法案は2018年11月に議員提案で国会に提出され、12月に成立、2019年6月の施行となりました。
チケット不正転売禁止法で禁止されるのは、以下の行為です。


・特定興行入場券(チケット)を不正転売すること
・特定興行入場券(チケット)の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けること

不正転売とは:
興行主に事前の同意を得ずに、反復継続して、定価を超える価格で特定興行入場券を転売すること

「特定興行入場券」とは:
不特定または多数の者に販売され、かつ、次の1から3のいずれにも該当する芸術・芸能やスポーツイベントなどのチケットを言う。※日本国内において行われるものに限る。

1. 販売に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、その旨が券面(電子チケットは映像面)に記載されていること。
2. 興行の日時・場所、座席(または入場資格者)が指定されたものであること。
3. 例えば、座席が指定されている場合、購入者の氏名と連絡先(電話番号やメールアドレス等)を確認する措置が講じられており、その旨が券面に記載されていること。
※座席が指定されていない立見のコンサートなどの場合、購入者ではなく、入場資格者の氏名と連絡先(電話番号やメールアドレス等)を確認する措置が講じられており、その旨が券面に記載されていること。

違反者は1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはその両方が科せられます。

不正転売の取引場所として思い浮かぶのはフリマサイトですが、今回の五輪チケットに関しては、メルカリ、ヤフー、楽天の大手3社は出品禁止を公表しています。

◆チケットのルール|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
https://tokyo2020.org/jp/games/ticket/rule/

しかし、チケット不正転売禁止法では、フリマサイトのようなオンラインプラットフォームは規制の対象ではありません。
また、チケットに限らず、例えば医薬品等の違法出品などを防ぐのはなかなか難しいようです。

◆メルカリで化粧品の違法出品が横行、問われる運営姿勢
(週刊ダイアモンド「DIAMOND online」 2019年6月14日)
https://diamond.jp/articles/-/205651?page=2

違法出品撲滅に向けて、フリマサイトを運営するプラットフォーム事業者と東京都をはじめとする行政との連携も進んでいるようですが、何らかの法規制が必要な段階に来ているのかもしれません。

≪関連記事≫

・東京都サイバー薬事監視の取組(2)【フリーマーケットサイト(C to C)編】

・東京都、フリマサイト薬事監視強化。フリマサイト6社に加え、Twitter Japanと連携
(東京都福祉保健局 2019年2月)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。