美白美容液のアフィリ広告等に優良・有利・ステマ、3条項フルセットの不当表示認定。東京都、フレイスラボに景表法措置命令(東京都 2026年3月27日)

東京都は2026年3月27日、美白美容液(医薬部外品)「フレイスラボホワイトVCセラム」を通信販売する株式会社フレイスラボ(東京都練馬区)に対し、景品表示法措置命令を行いました。

本件は、Instagram上の広告から遷移したアフィリエイト広告等において、優良誤認表示2件・有利誤認表示1件・ステルスマーケティング(ステマ)告示違反1件が認定されました。景品表示法第5条が定める不当表示の3類型(第1号〜第3号)すべてに違反が認定された事案は、2023年10月のステマ規制施行後、初めてのケースとなります。

今回の処分の5つのポイント

  • 景品表示法第5条の3類型すべてへの違反認定は、ステマ規制施行(2023年10月)後、初の事案
  • 合理的根拠のない美白効果、虚偽のNo1表示に対する優良誤認認定(美白効果表示は、不実証広告規制(※)による)
  • 「先着者のみ・本日限定」を装った、緊急性を要求する虚偽のキャンペーン表示に対する有利誤認認定
  • インフルエンサーへの有償依頼投稿の自社サイトへの転載によるステマ告示違反認定
  • 東京都による、外注先(広告代理店・制作会社・アフィリエイター)に内容の決定を委ねた広告への処分続く

    以下、処分の概要と東京都によるネット広告監視の動向を整理します。

    ———
    景品表示法に基づく措置命令
    美白美容液のアフィリエイト広告等において不当表示を行っていた通信販売事業者を処分 
    (東京都 2026年3月27日)
    https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032730
    ———
    (※)
    不実証広告規制(7条2項)
    消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
    ⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。

    違反事業者
    株式会社フレイスラボ

    違反概要
    【対象商品】
    「フレイスラボホワイトVCセラム」と称する美白美容液(医薬部外品)

    【表示媒体・期間】
    ウェブサイト①(「\NHK放送後、爆売れ中/」という文言から始まるアフィリエイトサイト)
    少なくとも、2025年1月(8日~31日)、2月(1日~17日、21日~28日)、3月(1日~8日)

    ウェブサイト②(「医療機関の皆様、言っちゃいます」という文言から始まるウェブサイト)
    少なくとも、2025年1月(10日~22日)、2月(1日~8日)

    自社販売ウェブサイト
    少なくとも、2025年1月(8日~31日)、2月(1日~17日、21日~28日)、3月(1日~8日)

    【違反内容】(4件)
    (1) 優良誤認表示(効果性能)
    ウェブサイト①②において、あたかも、本件商品に含まれる成分の作用により、「誰でも、短期間で容易に皮膚に生じたシミが消える」かのような表示を行っていた。
    実際:
    東京都から合理的な根拠を示す資料の提出を求められたが、提出された資料は表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められなかった(不実証広告規制の適用)

    【表示例(ウェブサイト①)】
    ・「どんなシミも根本から撃退」のキャプション付きで、「肝斑」「老人性色素斑」「炎症後色素沈着」と上部に記載された人物の顔の使用前後画像を3枚並べて掲載。
    (「※メーキャップ効果を含む※画像はイメージ」と付記)
    ・「\NHK放送後※、爆売れ中/TBS,フジテレビ出演医が暴露」「自宅で毎晩10秒塗るだけ」「医療用レーザー級!?シミの漂白剤凄すぎ…!」というキャプションと共に、白衣を着た人物の画像を掲載。(「※成分について※画像はイメージ※個人の感想」と付記)
    ・「●●●●●57歳」「✓認証済み」「普通肌/口コミ投稿205件」「★★★★★★★7」の記載と体験談。人物の顔の使用前後画像を2枚並べて掲載。
    「TVで紹介されていたので試してみたら、シミがすぐに消えてビックリ!!さすが芸能人も愛用するシミの漂白剤…市販の美容液だと全然消えなかったシミが、コレなら一発でした~♪」と記載。
    (「※個人の感想※メーキャップ効果を含む※画像はイメージ」と付記)
    ・「厚生労働省から正式に「シミが消える」※と効果を認められた医薬部外品」「※3-oエチルアスコルビン酸原料製造メーカー調査結果より※化粧品の範囲内」「※3-oエチルアスコルビン酸の特徴として効果性能を保証するものではありません」と記載。

    【表示例(ウェブサイト②)】
    ・「医療機関の皆様、言っちゃいます」「塗るだけで濃いシミが消滅」「NHKで特集された医療用シミ消し成分が凄い」というキャプション付き使用前後の顔の画像を掲載。
    「※メーキャップ効果によるイメージ」と付記
    ・「皮膚科医も大注目!シミが消滅する理由」「ホワイトVCセラムを塗るとシミが消える理由は」「これまで医療現場でしか認可されなかった火傷治療にも使われる成分「VCエチル」を基準値ギリギリまで配合してるから!」「やけど後治療で活躍の医薬用肌再生成分」というキャプションと共に、人物の頬の画像を2枚並べて掲載。さらに画像に重ねて「肌を若返えさせる」と記載。

    (東京都公表資料より引用)

    東京都による消費者への注意喚起:
    「商品等を使用や摂取等するだけで、シミが消えるといった特定の効果が容易に得られるかのような広告表示がありますが、合理的な根拠なく記載されていることがあります。表示内容をうのみにせず、よく確認した上で、商品やサービスを選択しましょう。」
    (東京都公表資料より)

    (2) 優良誤認表示(No1表示)
    ウェブサイト①において、あたかも、本件商品がビタミンC含有美白美容液ランキングで「使い続けたいNO.1」「期待度No.1」「おすすめ度No.1」の3項目でそれぞれ第1位を取得したかのように示す表示を行っていた。
    実際:
    本件商品が現在までに、上記ランキングの3項目でいずれも第1位を取得した事実はなかった。

    【表示例(ウェブサイト➀)】
    ・「コスメランキング3冠達成 優れた速効性と持続性で多くの方に支持されてビタミンC含有美白美容液ランキングNO.1 3冠達成」「使い続けたいNO.1ビタミンC含有美白美容液」「期待度NO.1ビタミンC含有美白美容液」「おすすめ度NO.1ビタミンC含有美白美容液」と記載。
    (「2022年2月某サイトのイメージ調査」と記載)

    (東京都公表資料より引用)

    (3) 有利誤認表示(キャンペーン表示)
    ウェブサイト①②において、表示されていた「当日限り」「アンケート回答の先着者のみ」が、キャンペーン価格で定期購入契約に申し込むことができ、本件商品を初回2,980円で購入できるかのように表示していた。
    実際:
    キャンペーンを実施した事実はなく、アンケートに回答しなくても自社販売ウェブサイトや他のECサイトから申し込めば、常に初回2,980円で購入できるものだった。

    【表示例(ウェブサイト)】

    (東京都公表資料より引用)

    (4) ステルスマーケティング告示
    同社は、仲介事業者を経由して複数のインフルエンサーに対価を提供することを条件にInstagramへの投稿を依頼した。依頼によってインフルエンサー達が投稿した表示を、同社が依頼した投稿であることを明らかにせずに抜粋して、自社販売ウェブサイトに表示していた。

    【表示例(自社販売ウェブサイト)】
    ・「SNSでもリアルな評価続々!」として、インフルエンサーのハッシュタグ付き投稿(「#30代美容」「#濃厚なのにベタつかない」「#医薬部外品」等)と本件商品を持つ女性の写真を多数掲載。
    「使用感満足度98.2%」と記載。(「※個人の感想であり、効果効能を示すものではありません。」と付記)

    (東京都公表資料より引用)

    第三者(広告代理店・制作会社、アフィリエイター等)に作成させた広告への法執行が続く

    本件は、同年3月23日の株式会社プルチャームへの措置命令に続く、Instagram上の広告経由で広告代理店・制作会社・アフィリエイターに委託した広告への東京都による処分です。この法執行傾向は2022年度から継続しています。
    広告代理店やアフィリエイターに作成を依頼した広告は、たとえ広告主が広告の内容を把握していない場合であっても、「表示内容の決定を委ねている」として、基本的に広告主である販売者が景品表示法上の責任を負い、措置命令等の対象となります。
    事業者は、自社サイトのみならず、SNS広告・アフィリエイトサイト・第三者に作成させたすべての広告について、適正管理を徹底することが求められます。

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    久保京子

    このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
    (財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。