全国的に梅雨入りする中、新型コロナだけでなく食中毒も心配なシーズンとなってきました。
本来であれば、夏期に多発する食中毒の発生防止を図るために、厚労省では毎年、食品、添加物等の夏期一斉取締りを行うところですが、新型コロナウイルス感染症への対応で保健所の負担が増大していることから、本年度は「重点監視指導項目」を示さないことを5月22日に通知しました。
とはいえ、食品衛生監視指導を全く行わないということではありません。
各都道府県に対しては、実施可能な範囲で、腸管出血性大腸菌O157、カンピロバクター等の食中毒防止や、食品衛生法改正により6月1日に導入されたHACCP制度の事業者への周知と導入支援を求めています。
また、コロナ禍で新たに持ち帰りや宅配等を始める飲食店営業者に対して、持ち帰りや宅配の弁当を原因とする食中毒事件の発生を受けて、監視指導の通知が出されており、その対応も求めています。
国としては今回、重点監視事項を示さないことから、取り締まり結果の報告は求めず、公表も行わない方向ということですが、違法な表示を発見した場合には従来どおりの対応が取られます。
東京都では、5月28日に例年通りの一斉監視を行うことを公表しており、監視の実施結果については、8月下旬に速報として公表される予定です。
そして気になるのが、毎年7月に消費者庁が農水省、財務省、都道府県、保健所等と連携して実施している食品表示の夏季一斉取り締まりです。
食品衛生の監視指導の強化の時期に合わせ、食品表示の信頼性を確保する観点から、食品表示法、景品表示法及び健康増進法の規定に基づき、食品表示の衛生・保健事項に関する取り締まりが行われてきました。
しかし、こちらも厚労省の夏期一斉取締りと同様の理由から、本年度は一律に重点項目を決めるという形では行わず、地域で柔軟に対応する方針を消費者庁は示しています。
令和元年度の夏期・年末一斉取締り結果については、後日、お伝えします。
監視指導等に関する通知 令和2年度(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000204884_00004.html
夏の食品衛生一斉監視を実施します(東京都 2020年5月28日)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/05/28/05.html
伊藤消費者庁長官記者会見要旨(2020年5月27日)
https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/020093.html
《関連記事》
・夏期一斉食品表示の取締り。消費者へのダイエット健康食品に関する注意喚起(2019年7月 消費者庁)
・年末一斉、食品表示の取締り。猶予期限が来年3月末に迫った食品表示新基準への移行指導等を重点に。(2019年12月 消費者庁)
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