リプサのラクトフェリンサプリの成分量表示に景表法措置命令。栄養成分表示に食品表示法の「指示」も(消費者庁:2022年5月24日)

消費者庁は5月24日、鹿児島県の食品製造販売事業者リプサ(株)に対し、提供しているサプリメントの表示について、景品表示法の措置命令を行いました。
消費者庁及び公正取引委員会事務総局九州事務所の調査による事案です。

対象商品はラクトフェリン濃縮物のサプリメントで、販売商品の成分含有量が表示を下回っていたことが、優良誤認表示とみなされました。
「ラクトフェリン」は、免疫力の向上や体脂肪の減少などの効果があるとされるたんぱく質ですが、今回の処分は効能効果に関する表示は対象とされていません。
また、同時に、容器包装において食品表示基準に定められた栄養成分の量と熱量の表示が適切にされていなかったとして、食品表示法違反の指示が出されました。

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リプサ株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
 (2022年5月24日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/028704/

リプサ株式会社に対する食品表示法に基づく指示について
 (2022年5月24日 消費者庁)https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/assets/representation_220524_02.pdf
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処分内容を確認します。


景品表示法に基づく措置命令

【対象商品】
「ラクトフェリン濃縮物加工食品」と称する食品の。

【表示媒体】
「PayPayモール」に開設した自社ウェブサイト
「サプリメント専門店リプサ」と称する自社ウェブサイト
「Amazon.co.jp」における商品の販売ページ

【表示期間】
2021年4月23日

【違反内容】
表示:
例えば、「サプリメント専門店リプサ」と称する自社ウェブサイトにおいて、「主成分値2カプセルあたり目安:ラクトフェリン濃縮物300㎎」と表示するなど、あたかも、対象商品2カプセル(500㎎)当たりのラクトフェリンの含有量は、300㎎であるかのように示す表示をしていた。

実際:
対象商品2カプセル(500㎎)当たりのラクトフェリンの含有量は、300㎎を下回るものが含まれていた。対象商品には、原材料にバター及びもち米粉を使用していなかった。

【表示例】「Amazon.co.jp」における商品の販売ページ

(消費者庁公表資料より引用)

食品表示法に基づく指示

【対象商品】
リプサを製造者と表示して販売する「ラクトフェリン濃縮物加工食品」と称する食品  

【表示媒体】
容器包装

【販売期間・販売数量】
2021年9月21日から同年10月25日までの間、少なくとも2,001袋

【表示内容】
対象商品の容器包装において、「栄養成分の量及び熱量」について、使用された原材料等から得られた値又は推定値により表示せず、これと異なる値を表示。

【指示の概要】

  • 製造及び販売している全ての食品について、直ちに表示の点検を行い、不適正な表示の食品については、速やかに、適正な表示に是正した上で販売すること。
  • 基準で定められた遵守事項が遵守されていなかった原因の究明及び分析を徹底すること。
  • 食品表示に関する責任の所在を明確にし、社内における品質表示のチェック体制の強化、拡充等の再発防止対策を実施するとともに、 対策によるチェック体制等が有効に機能していることを定期的に検証し、 必要な改善を行うこと。これにより、今後、製造又は販売する食品について、 基準に違反する表示を行わないこと。
  • 役員及び従業員に対して、食品表示制度についての啓発を行い、その遵守を徹底すること。
  • (1)から(4)までに基づいて講じた措置について、2022年6月24日までに消費者庁長官に報告すること。

上記、消費者庁の食品表示法に基づく「指示」において、「基準で定められた遵守事項が遵守されていなかった主たる原因として、消費者に対し正しい表示を行うという意識及び食品表示に関する認識の欠如並びに表示内容の確認及びその管理体制の不備があると考えざるを得ない」と記されています。

報道では、以下のように報じられています。

この商品について、インターネット上の広告では、ラクトフェリンの含有量を2カプセルあたり300ミリグラムと表示してましたが、実際には、その6割から8割の量しか含まれていないものがあったということです。
さらに、炭水化物が含まれているにもかかわらず、商品の包装には、炭水化物の含有量はゼロと表示されていました。

一部成分が広告表示下回る 伊佐市のサプリ販売会社に行政処分(NHK NEWS WEB 5月24日)

食品の成分表示に関する規制動向

2015年に施行された新たな食品表示制度では、全ての一般用加工食品等に、原則、栄養成分表示を義務付けられ、2020年4月1日に完全施行されています。

◆新たな食品表示制度の完全施行について(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019486/

健康食品の成分に関しては、2016年9月の日本サプリメントのトクホ制度初の表示許可取消し処分をきっかけに、定期的なチェックが行われています。消費者庁ではトクホと機能性表示食品の販売後の事後チェックとして、関与成分等が許可時の規定値を満たしているかを把握すべく、2016年度より買上調査を実施し始めました。(2016年度はトクホのみ)

2021年度の買上調査(※)では、特別用途食品2品目、特定保健用食品17品目、機能性表示食品81品目の成分に関する100品目(89社)を調べ、機能性表示食品1品目で申請等資料の記載どおりの関与成分等が含有されていませんでした。

(※)
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令和3年度 特別用途食品(特定保健食品を除く。)に係る栄養成分、特定保健用食品に係る関与成分及び機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する検証事業(買上調査)
(消費者庁 平成31年4月22日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/about_foods_with_function_claims_190422_0001.pdf
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≪関連記事≫
・平成30年度、特保・機能性表示食品買上調査 100品目で適切な成分含有量を確認 (消費者庁 2019年4月22日)

・ファミリーマートと山崎製パン、食パン原材料の表示に景表法措置命令。山崎には食品表示法の「指示」も(消費者庁:2020年3月30日)

・ファミリーマートと山崎製パン、食パン原材料の表示違反への対応と景表法・食品表示法処分の視点(消費者庁:2020年3月30日)

・キリンシティの料理メニューに景表法措置命令。製造委託、仕入れ商品の誤表示に注意!
(消費者庁 2018年6月13日)

・石垣島の農組に景表法措置命令。スパイスの原料産地表示に優良誤認(消費者庁:平成30年5月15日)

・グリーンコープ連合に景表法措置命令。仕入れ先メーカーの品質管理ミスで
(消費者庁:2018年3月27日)

・ホクレンに景表法措置命令。加工食品の店頭POPの道産原料表示に誤り
(北海道:2017年8月22日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。