消費者庁は7月2日に、格安スマートフォン会社のLINEモバイル(株)が提供する移動体通信サービスの表示に対し、景品表示法の措置命令を行いました。
「エントリーパッケージ」に関する表示について優良誤認とみなされました。
「例外条件」の不適切な「打ち消し表示」について指摘されています。
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LINEモバイル株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(2019年7月2日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/release/2019/pdf/fair_labeling_190702_0001.pdf
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LINEモバイルは、措置命令の公表と同日の7月2日に公式ブログにて「弊社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ」を公表しています。
内容を確認していきます。
●違反概要
【対象商品】
「エントリーパッケージ」と称する商品
【表示媒体】
自社ウェブサイト
【表示期間】
2017年11月14日~2019年1月8日
【違反表示内容】
「エントリーパッケージを事前にご購入いただくことで、お申し込み時に必要な登録事務手数料が不要となります。」と表示することにより、あたかも、対象商品は、全てのLINEモバイルサービスに係る申し込み時の登録事務手数料が不要となるものであるかのように示す表示していた。
実際:
LINEモバイルサービスのうち「LINEフリープラン」と称するプランの「データSIM」の申込時には使用できず、「データSIM」の申込時の登録事務手数料については不要となるものでははかった。
表示例:
打消し表示:
同一のウェブページの下部に記載した「よくある質問」に、
「エントリーパッケージとは何ですか?」と表示し、当該表示をクリック又はタップすると、「※データSIM(SMS付き)または音声通話SIMをお申し込みできます。」と表示。しかし、
(ア)「データSIM」と称する役務の申込みにはエントリーコードを使用できないということを直接的に表示したものではない
(イ)「エントリーパッケージを事前にご購入いただくことで、お申し込み時に必要な登録事務手数料が不要となります。」等の表示とは離れた箇所に小さな文字で表示されているものであり、回答に係る表示は質問に係る表示をクリック又はタップしなければ表示されないものである
ことから、一般消費者が表示から受ける対象商品の内容に関する認識を打ち消すものではない。
打消し表示例:
消費者庁による平成29年7月公表の「打消し表示に関する実態調査報告書」以降、景品表示法の執行においても、この報告書で明らかにした考え方に基づく事実認定を行われています。
30年度に消費者庁が措置命令及び指導を行った事件のうち、打消し表示の効果についての考え方で、本件と同様の認定例に、以下の事案があります。
・ソフトバンク株式会社に対する措置命令(平成29年7月27日)
・株式会社TSUTAYAに対する措置命令(平成30年5月30日)
・株式会社ユニクエストに対する措置命令(平成30年12月21日)
LINEモバイルは、措置命令の公表と同日の7月2日に公式ブログにて「弊社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ」を公表した後、7月5日には、補足説明として消費者庁から指摘のあった具体的な違反表示の内容と、プラン・サービスタイプごとのエントリーパッケージ使用可否及び、エントリーパッケージを使用したLINEモバイルサービスの申込方法を掲載しています。
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弊社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ
(LINEモバイル公式ブログ 2019年7月2日 ※2019年7月5日 補足説明を末尾に追加)
http://mobile-blog.line.me/archives/32490524.html
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《参考記事》
・TSUTAYAの措置命令で考える、「打消し表示」の景品表示法上の留意点
・ユニクエストの措置命令で考える、スマホサイトの「打消し表示」の景品表示法上の留意点
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