5月1日、消費者庁は大阪市の家庭用電気機械器具販売事業者(株)エム・エイチ・シーに対し、車載用マイナスイオン発生器に関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
3月の二酸化塩素を使った空間除菌剤を販売していた17社に対する処分(※)と同様、不実証広告規制を用いた措置となっています。
◆株式会社エム・エイチ・シーに対する景品表示法に基づく措置命令について (消費者庁 平成26年 5月1日)http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140501premiums_1.pdf
【違反内容】
対象商品:「蘇生イオン○R空気活性器 旅の恋人」と称する商品
表示媒体・内容・期間:
a) テレビショッピング番組「噂の商品!通販リサーチ社」
(平成25年11月14日~同年12月28日)
あたかも、対象商品を車内や室内等で使用することで、その空間において、対象商品に内蔵された「活性石」、「イオン活性パウダー」、「ゲルマニウム」と称する物質の相乗効果により、ウイルスが除去され、抗ウイルス・除菌効果が生じるとともに、ニコチンが除去され、消臭されるかのように示す表示をしていた。
音声放送事例:
「車内やお部屋を快適空間にしてくれる」
「挿し込みますと、内蔵された祖母山の活性石、イオン活性パウダー、99.999パーセントの純度に近いゲルマニウムとの相乗効果で快適空間にしてくれるという商品」
「実はですね、ウイルスを98.4パーセント以上除去したり、嫌な臭いのニコチン、これも89パーセント以上を除去、という風に、抗ウイルス、除菌、さらには、消臭までしてくれる」
b) 日刊新聞紙に掲載した広告(平成25年1月25日~同年12月4日)
あたかも、対象商品を車内や室内等で使用することで、その空間において、イオンの働きやイオンと「活性石」と称する物質の相乗効果により、インフルエンザウイルス及び黄色ブドウ球菌が除菌され、ニコチン、タール、ホルムアルデヒド及びアンモニアが除去され、脱臭・抗菌効果が生じるかのように示す表示をしていた。
朝日新聞東京本社版表示例
「イオンと活性石の相乗効果で こんなにスゴイ実験結果が!」
「インフルエンザウイルス98.4%以上除菌」
「黄色ブドウ球菌99.6%除菌」
「ニコチン89%以上除去」
「タール91%以上除去」
「ホルムアルデヒド39%除去」
「アンモニア36%除去」
「車はもちろん、こんな場所でも使えます!」
「トイレの嫌なニオイを除去。脱臭・抗菌効果で快適な空間に!」
公取委が宣伝の根拠を求めたところ、提出された資料は密閉空間での実験結果で、生活空間での効果を示すものはなかった。
——
表示の裏付けとなる合理的な根拠と認められなかった理由は、3月の二酸化塩素を使った空間除菌剤の事案と同様のケースです。
合理的な根拠と認められるための要件として、「試験・調査によって得られた結果」や、「専門家、若しくは専門機関の見解又は学術文献」によるものということだけでなく、「表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること」をしっかり確認した上で、広告表現を検討しましょう。
(※)
「空間除菌剤」17社、景表法措置命令。大幸薬品の新たな広告も問題視
フィデスでは、商品の効能効果訴求を支える根拠データの妥当性評価や試験設計について、コンサルティングしています。
お気軽にご相談ください。
≪参考記事≫
・景品表示法上の表示の裏付けとなる「合理的な根拠」。効能効果の適切な実証方法
・景品表示法(優良誤認)の不実証広告規制。表示の裏付けとなる「合理的な根拠」の判断基準とは
======================================
◆エビデンスチェックコンサルティング◆
試験デザインや測定方法など科学的視点から、
広告表現と試験データの対応を検証します。
詳細はこちら
======================================
————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————-
この記事へのコメントはありません。