消費者庁 健康食品広告ネット監視112事業者(113商品)の表示に改善要請(消費者庁: 2020年7月~2020年9月)

2009年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
2020年7月~2020年9月の結果が2020年11月5日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。

今回の監視では112事業者(113商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。



—–
インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(2020年7月~9月)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/assets/extravagant_advertisement_201105_0001.pdf
——-

気になる検索キーワードを確認しましょう。


●注目検索キーワードは「コロナウイルス」、「免疫力」、「不眠」
今回(2020年7月~2020年9月)の検索キーワードは、以下の3テーマとなっています。

・「コロナウイルス」、「熱中症」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
・「免疫力」、「不眠」、「デトックス」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
・「ダイエット」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現   等

商品区分別では、「いわゆる健康食品」が93商品、「加工食品」が9商品、「飲料等」が11商品でした。

【今回、適正化を要請された表示例(一部)】

今回のネット監視の検索キーワード、「コロナウイルス」、「免疫力」は前回(2020年4月~2020年6月)から引き続き、「ダイエット」は通年、「熱中症」は前年同時期(2019年4月~2019年6月)にも登場しています。

また、新たなキーワードに「不眠」が登場しています。

9月に公表された令和3年度の消費者庁の予算概算要求では、AI・IT 技術を活用した法執行として、AI によるインターネット上の不当表示監視事業が新しく盛り込まれました。
これまでのネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというものですが、今後、AIの活用によって更に効率化・迅速化が図られ、監視が強まることは必至です。

虚偽・誇大広告規制の判断基準とされているガイドライン「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和2年4月1日一部改正 消費者庁)をしっかりチェックしておきましょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(令和2年4月1日一部改正 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/pdf/extravagant_advertisement_200331_0001.pdf

また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。

健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)

健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
2020年4月~6月
2020年1月~3月
2019年10月~12月
2019年7月~9月
2019年4月~6月
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。