今回のトピックは、クレジットカード悪質加盟店排除に向けた取組と割賦販売法改正について。
ご存じの通り、ネット通販で最も利用されている決済方法はクレジットカードですね。
総務省の平成26年通信利用動向調査によると、ネット購入する際、約6割の人がクレジットカードを利用しているというデータとなっています。
しかし、その利便性とは裏腹に、昨今、カード決済を利用した取引に関する消費者トラブルも年々増加しており、その約9割が、カード加盟店によるネットでの悪質取引(商品が届かない、偽ブランドが届く等の詐欺サイト)が原因とされています。
こうした状況に対し、平成26年8月の消費者委員会の「クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議」(※1)を受け、悪質加盟店排除に向け加盟店管理を徹底すべく、割賦販売法改正に向かっています。(※2)
具体的な改正案としては、「加盟店契約会社」を登録制(「決済代行会社」は、任意登録制)とし、悪質加盟店排除及びセキュリティ強化の観点から、加盟店調査を義務付けるとしています。
そのような背景のもと、今月20日、経産省は国民生活センターの消費者相談・苦情情報(PIO-NET)を、クレジット会社による加盟店調査(消費者からの加盟店に対する苦情の調査、加盟店契約の際の調査)に活用するための取組を開始しました。(※3)
ただ、悪質な販売業者は、加盟店管理を十分に行わない海外の加盟店契約会社と契約する決済代行業者を経由して、クレジットカード取引を行っているケースが多いという現状があり、別途対策が必要です。
経産省は、今年4月に国際ペイメントブランド各社と意見交換を行い、国際ブランドと経産省の連携により、悪質加盟店と契約している海外加盟店契約会社への是正指導等を行っていくことについて合意したと発表しています。(※4)
日本の法規制の及ばない、海外にいる悪質な販売業者の加盟店排除はなかなか難しいことと思いますが、このグローバルな協力体制が少しでも功を奏することに期待したいと思います!
(※1)
クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議
(消費者委員会 2014年8月26日)
(※2)
クレジットカード取引システムの健全な発展を通じた消費者利益の向上に向けて~<追補版>
(産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会‐報告書)
(※3)
安全・安心なクレジット取引の実現に向けて国民生活センターの消費者相談・苦情情報の活用を開始します
~悪質加盟店排除に向けた取組を強化します~(経済産業省 平成28年7月20日)
(※4)
安全・安心なキャッシュレス社会の実現に向けた国際ペイメントブランドとの協力について意見交換を行いました
~国際ブランドとの連携により悪質加盟店による消費者被害を防止します~(経済産業省 平成28年4月12日)
≪関連記事≫
カード情報非保持化へ、クレジットカード取引のセキュリティ対策強化への取り組み
(経済産業省)
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