保健機能食品の理解度、トクホ32.2%、機能性表示15.3%。機能性の届出情報公開の認知度12%に留まる (消費者庁 平成29年度食品表示に関する消費者意向調査)

表示規制が厳しく、広告制作でも頭を悩ませる健康食品ですが、そもそも消費者は表示や制度をどの程度理解しているのでしょうか。

消費者庁では、消費者の食品表示制度に対する理解度等に関する「食品表示に関する消費者意向調査」を実施しました。この調査は、食品表示法等の関係法令やガイドライン等の定着状況や消費者の食品表示に対するニーズを把握し、食品表示制度の見直しに役立てることを目的としています。
28年度に続き、2回目の実施となります。

本調査より、特に国として定義を設けている健康食品である「保健機能食品」に関する消費者意識についてフォーカスしてご紹介します。(※)
健康食品の企画開発、販売においての参考情報として活用されてはいかがでしょう。

《調査のポイント》
●「どのようなものか知っている」者の割合、「特定保健用食品(トクホ)」29.6%、「機能性表示食品」15.8%、「栄養機能食品」15.3%
●正しく理解している者の割合、「特定保健用食品(トクホ)」32.2%、「機能性表示食品」15.3%、「栄養機能食品」8.1%
●摂取経験は、機能性表示食品24.9%、特定保健用食品40.7%、栄養機能食品26.7%
●今後摂取意向は、機能性表示食品36.8%、特定保健用食品27.5%、栄養機能食品35.2%●「栄養機能食品」「特定保健用食品」「機能性表示食品」の購入時に確認する表示上位3項目は、「機能表示」(25.3%/34.3%/32.9%)、「栄養成分表示」(25.4%/20.3%/20.1%)、「一日当たりの摂取目安量」(25.2%/19.4%/18.5%)
●「機能性表示食品」の届出情報の消費者庁ウェブサイトで確認できることの認知度は11.8%
●確認した情報のトップ3は、「安全性評価」(55.1%)、「科学的根拠などに関する基本情報」(44.3%)、「生産・製造及び品質の管理」(28.9%)


●保健機能食品の認知度
「「保健機能食品」とは、「いわゆる健康食品」のうち、一定の条件を満たした食品を指します。「保健機能食品」を知っていますか。」という問いに対して、「どのようなものか知っている」は(17.6%)、「聞いたことがあるが、どのようなものか知らない」は(60.7%)、合計割合は(78.3%)であった。
「保健機能食品」の「機能性表示食品」、「特定保健用食品(トクホ)」、「栄養機能食品」それぞれについて「どのようなものか知っている」者の割合は、「機能性表示食品」 (15.8%)、「特定保健用食品(トクホ)」(29.6%)、「栄養機能食品」(15.3%)となった。
「聞いたことがある」を含めた割合は、「機能性表示食品」(80.6%)、「特定保健用食品(トクホ)」(90.7%)、「栄養機能食品」(81.2%)となった。

●保健機能食品の理解度
【栄養機能食品】
「栄養機能食品」として正しい選択肢「既に科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含んでいれば、届出をしなくてもよい」の正答率は8.1%。

【特定保健用食品】
「特定保健用食品」として正しい選択肢「表示されている効果や安全性について国が審査を行って いる」の正答率は32.2%。

【機能性表示食品】
「機能性表示食品」として正しい選択肢「事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示したものである」の正答率は15.3%。

●保健機能食品の摂取状況
保健機能食品の摂取経験のある者の割合は(「現在摂取している」と「以前摂取していたが、今は摂取していない」と回答した者の合計)、機能性表示食品(24.1%)、特定保健用食品(40.7%)、栄養機能食品(26.7%)であった。
今後摂取意向がある者の割合は(「摂取したことはないが、今後摂取してみたい」と回答した者の合計)、機能性表示食品(36.8%)、特定保健用食品(27.5%)、栄養機能食品(35.2%)となった。

●保健機能食品の購入時確認表示
【栄養機能食品】
「栄養機能食品」の購入時に確認する表示項目は、「栄養成分表示」(25.4%)「栄養成分の機能」(25.3%)、「一日当たりの摂取目安量」(25.2%)が上位3項目。「確認していない」は36.4%。
「確認していない」は36.4%。

※(性別及び年齢階級別の栄養成分の摂取量の基準を性別及び年齢階級ごとの人口により加重平均した値)

【特定保健用食品】
「特定保健用食品」の購入時に確認する表示項目上位3項目は、「保健の機能(例:お腹の調子を整える。など)の表示」(34.3%)、「栄養成分表示」(20.3%)、「一日当たりの摂取目安量」(19.4%)の順。
「確認していない」は39.7%。

【機能性表示食品】
「機能性表示食品」の購入時に確認する表示項目上位3項目は、「機能性(例:お腹の調子を整える。など)の表示」(32.9%)、「栄養成分表示」(20.1%)、「一日当たりの摂取目安量」(18.5%)の順。
「確認していない」は41.6%。

●「機能性表示食品」の届出情報
【認知と確認】
届出情報を消費者庁ウェブサイトで確認できることを知っていた者の割合は 11.8%。
そのうち、実際に確認したことが ある者の割合は 41.7%。

【確認情報】
「機能性表示食品」の届出情報を確認したことがある者が確認した届出情報は「安全性評価」(55.1%)、「販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠などに関する基本情報」(44.3%)、「生産・製造及び品質の管理」(28.9%)が上位となった。

調査結果より、「保健機能食品」の「いわゆる健康食品」とは差別化された商品としての認識は、2割に満たないことがわかりました。
最も認知度の高い「特定保健用食品(トクホ)」においても30%で、理解度は32%。
「機能性表示食品」は認知度、理解度共に15%と、まだまだ理解が浸透しているとは言えない状況です。

「保健機能食品」に対してその機能性への期待から、機能表示に関心が高いことが読み取れます。しかし、「機能性表示食品」の届出情報については、消費者庁ウェブサイトで確認できることを知っている人は12%にとどまり、さらなる認知度の向上が望まれます。

保険機能食品についての消費者の正しい理解が促進されることで、適正な表示を行う健康食品の商品選択が進むことを期待しています。

(※)
平成29年度食品表示に関する消費者意向調査
(消費者庁 平成30年5月31日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2017/
報告書:
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2017/pdf/information_research_2017_180531_0002.pdf
【調査の目的】
消費者の食品表示制度に対する理解度等を調査し、その結果を分析することで、食品表示法等の関係法令やガイドライン等の定着状況を把握するとともに、消費者の食品表示に対するニーズを把握し、食品表示制度の見直しに役立てることを目的に実施。

【調査設計】
調査手法: インターネット調査
調査機関: 株式会社オノフ
調査対象者: 平成27年国勢調査の性別、年代、地域の比率を考慮し、有効回答数 11,391 件から無作為による 10,000サンプルを抽出した。
有効回答数:12,691 標本数:10,648
調査実施時期: 平成30年1月26日(金)~平成30年2月9日(金)

≪関連記事≫
・保健機能食品の理解度、トクホ32.7%、機能性表示14.5%、機能性に対する偏った認識に懸念
(消費者庁 平成28年度食品表示に関する消費者意向調査)

・機能性表示食品、「中性脂肪・体脂肪」に熱い視線。小売業は消費者ニーズ把握や機能性訴求が経営課題
(日本政策金融公庫 平成28年7月)

・「いわゆる健康食品」に機能を表示できないことの認知率は31.8%
(消費者庁「食品の機能性表示に関する消費者意向等調査」平成26年4月実施)

・「いわゆる健康食品」の不安理由、「安全性についての科学的な根拠に疑問」が約3割
(食品安全モニター「食品の安全性に関する情報等について」平成26年8月実施)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。