繊維製品の洗濯表示(取扱い表示)に関する繊維製品品質表示規程改正の施行が2016年12月1日と近づいてきました。
この表示改正では、洗濯表示の記号も大きく変わり、記号の種類も22種類から41種類に増えます。
改めて確認しておきましょう。
≪今回の改正のポイント≫
1) 洗濯表示記号の種類が22種類から41種類に増えた。
⇒繊維製品の洗濯の取扱いに関するきめ細かな情報提供が可能となり、洗濯トラブル(縮み、色落ちなど)の減少が期待できる。
2) 洗濯表示記号が国内外で統一された。
⇒海外で購入した衣類等の取り扱いが円滑に。
※
施行日前までは現行JIS表示を行い、12月以降もそのままの表示で販売されます。
施行日以降、新JIS表示となるため、店頭では当面の間、新旧表示製品が混在することとなります。
≪改正の経緯≫
1)日本が加盟するWTO(世界貿易機関)のTBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)では、国際規格準拠した対応が求められていた。
2)しかし、国際規格(ISO 3758(繊維-記号による取扱い表示コード)には、日本の洗濯習慣上必要な記号(自然乾燥表示)や、日本で用いられている洗濯機(パルセータ型(縦型)洗濯機)に関する試験方法が規定されていなかったため、JIS と国際規格との整合がとれていなかった。
3)日本から国際規格の改正提案し、2012年4月に提案が反映された国際規格が改正された。
4)改正された国際規格に整合した日本工業規格(JIS L 0001)が2014年10月に制定されたことに伴い、2015年3月に家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規程を改正した。
家庭用品品質表示法とは:
消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律。
≪新しい洗濯表示のポイント≫
1) 洗濯表示記号が大きく変わる
「基本記号」と、基本記号と組み合わせて用いる「付加記号」「数字」とで構成される。
●5つの基本記号
①洗濯処理記号、②漂白処理記号、③乾燥処理記号、④アイロン仕上げ処理記号、⑤商業クリーニング処理記号
●付加記号・数字
記号と数字で強さや温度、禁止を表示。
⑥弱い処理記号、⑦非常に弱い処理記号、⑧処理温度記号、⑨上限温度数字、⑩処理・操作の禁止記号
2)洗濯表示記号の種類増加
現行の洗濯表示記号22種類から41種類に増え、より細かな表示に。
「酸素系漂白剤」、「ぬれ干し」、「タンブル乾燥」、「ウエットクリーニング」の記号が新たに追加。
3)付記用語の任意記載
記号だけでは伝えられない情報を、簡単な言葉で記号の近くに記載。(事業者の任意表示)
(例:「洗濯ネット使用」「裏返しにして洗う」「弱く絞る」「中性洗剤使用」「あて布使用」等)
※現行JISでは「中性」の付記用語、アイロンのあて布の記号の付記方法の定めがあったが、新JISでは無くなった。
詳細は改正通知の資料を参照:
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家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について
-衣類等の洗濯表示が変わります-(平成26年11月4日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/pdf/laundry_symbols_161104_0001.pdf
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新しい洗濯表示により、洗濯トラブル防止につながるのは嬉しいことですが、表示がやや複雑となりました。
衣料品を扱う事業者側も、積極的な情報提供やサポートがあると喜ばれると思います。
ネットショップではどんな取り組みをしているのか、ちょっと調べてみました。
目に留まったのは、アパレル通販サイト「オンワード・クローゼット」で、なかなか気の利いた情報掲載方法を取り入れていました。
商品詳細ページの下部に洗濯表示があり、現状は旧表示となっていますが、ポップアップでJIS規格(旧記号)表示とISO規格(新記号)表示を比較表で記号説明掲載しています。
◆オンワード・クローゼット
https://crosset.onward.co.jp/
ウールアンゴラビーバー スタンドコート>アイテム詳細>洗濯表示
https://crosset.onward.co.jp/b/pc/Product.html?mthd=07&SC=OWD&PC=SCWWLW0504
買って終わりではない衣料品だからこそ、きめ細かい情報提供しているネットショップに対して、商品の品質管理への信頼性や、ひいては永く大切に着てほしいという商品に対するこだわりを感じます。
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