消費者庁 健康食品広告ネット監視、2026年前半は273事業者(302商品)に改善要請。指導対象ワードの傾向は?(消費者庁: 2026年1月~6月)

消費者庁による「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導」(2026年1月~3月および4月~6月)の結果から、2026年前半の健康食品広告の監視動向を分析します。

本ネット監視は、一般的な検索エンジンを用いてキーワードで検索し、検索された商品のサイトを目視で確認し、健康増進法第65条第1項の規定に違反するおそれのある文言等があった事業者には表示の改善指導が行われています。
本監視の結果から、食品として販売するもの全般に対して行政が直近でどのような効果効能表現を指導対象としているかを確認することができます。

本記事では、監視件数推移、実際に指導対象となった商品区分別の効果効能表示について、続く会員限定記事では、監視対象になりやすい表示の傾向、監視方法の変化による影響、法執行トレンドの変化を深堀し、実務上の留意点を解説します。

《記事内容》
1.監視結果サマリー:2026年前半は273事業者(302商品)に改善要請
2.商品年度別監視件数推移:2025年度は589事業者・641商品
3.【詳細】適正化を要請された健康保持増進効果等の表示例
4.監視方法の変更による影響は?


インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/#internet


1. 監視結果サマリー:2026年前半は273事業者(302商品)に改善要請

消費者庁は、創設された2009年度より本監視事業を継続実施しており、四半期ごとに結果を公表しています。
2026年1月~3月の監視では156事業者(176商品)、続く4月~6月の監視では117事業者(126商品)について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示が確認されました。消費者庁はこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモールに出店している場合は、出店するモール運営事業者にも表示の適正化への協力要請を行っています。

なお、違反のおそれのある表示に対する改善件数は、年度のすべての四半期で指導件数と完全に一致しており、次回監視公表までにすべて改善されている状況です。

(消費者庁公表資料より抜粋)

「いわゆる健康食品」の改善指導が約8割
商品区分別では、カプセル、錠剤、顆粒状等の「いわゆる健康食品」が247商品(1月~3月:152商品、4月~6月:95商品)と、指導件数全体の81.8%を占めています。前回監視(2025年7月~12月)の89%からやや減少したものの高い割合が継続しており、重点的な監視対象であることに変化はありません。

「いわゆる健康食品」以外では、「加工食品」が28商品(1月~3月:5商品、4月~6月:23商品)、「飲料等」が24商品(1月~3月:19商品、4月~6月:5商品)、「生鮮食品」が3商品(1月~3月:0商品、4月~6月:3商品)となっています。

健康増進法は、いわゆる健康食品だけでなく、「野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに一般の食品と認識される物を含める」とされており、生鮮食品・加工食品・飲料も含む食品全般を対象にしています。
「明らか食品」は薬機法の対象外となりますが、景表法・健増法上の規制の対象となることに留意が必要です。

2. 商品年度別監視件数推移:2025年度は589事業者・641商品

監視事業の実績は年度単位で管理されていることから、年度別監視件数から監視強化傾向が読み取れます。
改善指導件数では、令和7年度は589事業者(641商品)で、前年度の519事業者(620商品)から微増しました。
推移を確認すると、新型コロナウィルス感染症拡大による健康食品監視強化により令和3年度から5年度までは700~800事業者・商品数で高い水準となっていました。
令和5年5月から「5類感染症」に移行後、6年度は大きく減少し、監視状況が落ち着いたとみられましたが、じわじわと監視が強まる兆候が見られます。

3. 【詳細】適正化を要請された健康保持増進効果等の表示例

公表された指導の対象となった商品区分別の表示例を、留意事項(※)が示す健康保持増進効果等の区分に沿って整理しました。太字は、令和8年1月~3月と4月~6月の両期に掲載された表示(表記が近いものを含む)です。

(※)
健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について(令和4年12月5日一部改定)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/assets/representation_cms213_241001_01.pdf

《いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、顆粒状等)》

区分2026年1月~3月(152商品)2026年4月~6月(95商品)
A 疾病の治療・予防花粉対策、アレルギー症状の緩和、血糖値対策高血圧予防、アトピー予防、花粉対策
B 身体の組織機能の増強・増進ダイエット、脂肪燃焼、抗酸化作用、内臓脂肪減少、免疫力向上、視覚機能向上、眼精疲労回復、認知機能向上、ホルモンバランス調整、更年期障害緩和、リラックス効果、睡眠サポート、いびき防止、集中力維持ダイエット、脂肪燃焼、口臭予防、糖と脂肪の吸収を抑える、アンチエイジング、腸内環境を整える、抗酸化作用、免疫力向上、ホルモンバランス調整、不眠改善、ストレス軽減、血流の循環の改善
D 美容関連美肌づくり、透明美肌、肌に潤い、美白作用、肌荒れ、乾燥肌改善、脂性肌対策、スキンケア、肌のハリ・ツヤ、弾力形成、爪の透明感形成美肌形成、肌のシワ・たるみケア、肌の弾力アップ、肌に潤いを与える、肌荒れ・老化予防、紫外線対策、肌のハリ・ツヤ回復
E 暗示的・間接的な表現デトックス、身体のめぐりサポート、温活、妊活、血液サラサラ血液サラサラ、デトックス効果、身体のめぐりサポート、妊活

《飲料等(茶、コーヒー及びココア調製品、飲料)》

区分2026年1月~3月(19商品)2026年4月~6月(5商品)
A 疾病の治療・予防-動脈硬化予防、コレステロール抑制、糖尿病予防
B 身体の組織機能の増強・増進ダイエット、脂肪燃焼、免疫力向上、腸内洗浄、解毒作用、抗酸化作用、冷え・むくみ・血流改善、疲労回復、代謝アップ血行促進、代謝アップ、集中力向上
D 美容関連美肌効果-
E 暗示的・間接的な表現腸活-

《加工食品(農産加工品、果実加工品、水産加工品等)》

区分2026年1月~3月(5商品)2026年4月~6月(23商品)
A 疾病の治療・予防生活習慣病予防、コレステロール低下、貧血予防、乳腺炎改善、花粉対策花粉症対策、アレルギー症状抑制、貧血の改善
B 身体の組織機能の増強・増進リラックス効果、セロトニン増加、腸内環境改善冷え性の改善、ダイエット、腸内環境改善
D 美容関連-美肌・美白効果
E 暗示的・間接的な表現-妊活、血液サラサラ

《生鮮食品(農産物、水産物)》

区分2026年1月~3月2026年4月~6月(3商品)
B 身体の組織機能の増強・増進-抗酸化作用、疲労回復、冷え、老化防止
D 美容関連-肌のシミ・シワの予防

区分:A=疾病の治療又は予防を目的とする効果/B=身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果/C=特定の保健の用途に適する旨/D=美容関連(人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果)/E=健康保持増進効果等を暗示的又は間接的に表現するもの。
区分は当社の整理で、消費者庁の公表資料に区分の記載はありません。

4. 監視方法の変更による影響は?

本監視は、2024年(令和6年)7月~9月分(2024年12月13日公表)以降、検索方法が変更されています。2024年(令和6年)4月~6月分までのロボット型全文検索システムを用いたキーワード無作為検索から、現在は、一般的な検索エンジンを用いたキーワード検索がとられています。
いずれも検索された商品のサイトの目視確認が行われていることは変わりません。

会員限定記事では、この検索方法の変更で何が変わりうるのか、また、監視対象になりやすい表示の傾向、法執行トレンドの変化を深堀し、実務上の留意点を解説します。
(会員限定コンテンツです。会員登録(無料)はこちらから)

【コンプライアンス対応のための参考情報】

国の考え方を理解する上で、以下の消費者庁の資料を併せて確認しておきましょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/161121premiums_2.pdf

●健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/pdf/food_safety_190730_0001.pdf

●健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/pdf/food_safety_190730_0002.pdf

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
2025年7月~12月
2025年4月~6月
2025年1月~3月
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。