東京都の消費者からの誇大広告に対する通報が増加しています。
東京都では、悪質商法の手口や被害状況等を迅速に収集するため、ウェブサイト上で悪質事業者(悪質商法)、誇大広告、架空請求に関する通報を受け付けています。
寄せられた情報は、法令(※)違反を行っている事業者の指導、処分に活用されます。
※特定商取引法、消費者安全法、景品表示法及び東京都消費生活条例
2024年度の通報件数は、悪質事業者が576件(2023年度:634件)、誇大広告が301件(2023年度:211件)、架空請求が407件(2023年度:653件)でした。特に、誇大広告に関する通報が前年度に比べて大幅に増加しています。
また、通報から事業者指導や処分等につながった実績は以下の通りです。
悪質事業者は、2024年度に行政指導が16件(2023年度:22件)、行政処分が3件(2023年度:3件)でした。
誇大広告は、2024年度に行政指導が18件(2023年度:11件)、行政処分が0件(2023年度:0件)でした。
架空請求は、2024年度に事業者名等の公表が30件(2020年度:31件)でした。
悪質事業者通報サイトへの通報・処分件数

東京都の「悪質事業者通報サイト」は、2018年9月のリニューアルで「悪質商法」「架空請求」に加えて「虚偽誇大広告」の通報受付を開始し、通報窓口を一元化したことで消費者が通報しやすくなりました。
2024年度の「悪質事業者通報サイト」への通報内容から、特に通信販売に関連する通報の概要と特徴を見ていきましょう。
通報の概要と特徴
【悪質事業者(悪質商法)】
通報件数:576件、行政処分:3件、行政指導:16件。
販売形態別では、通信販売が200件(34.7%)、訪問販売が139件(24.1%)であった。
(2023年度は通信販売274件、43.2%、訪問販売147件、23.2%)
通信販売に関する通報が3割強と最も多いものの、件数・割合ともに前年度から減少した。
通報内容では、偽サイトに関する通報が最多で全体の約2割(104件)を占めた。次いで、レスキュー商法(35件)、点検商法(28件)、定期購入やサブスクリプションサービス(20件)に関する通報が続いた。
《行政処分につながった主な通報事例》
・「しばりがない」と広告されている化粧品の定期購入を申込んだのに、実際には1年間のしばりがあり、解約できなかった。
【誇大広告】
通報件数:301件、行政指導:18件。
インターネット広告・SNS広告に関するものが280件(93.0%)を占めた。(2023年度:190件、90.0%)
誇大広告に関する通報の9割以上がインターネット広告・SNS広告という傾向は前年度と変わらないが、件数は大幅に増加した。
通報内容では、優良誤認表示に関する通報が207件(68.8%)と最も多く、次いで有利誤認表示が79件(26.2%)であった。
(2023年度は優良誤認表示128件、60.7%、有利誤認表示63件、29.9%)
指定告示※に関する通報は4件(1.3%)であった。※一般消費者に誤認されるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示(おとり広告や、いわゆるステマなど)
《行政指導につながった主な通報事例》
<優良誤認表示>
・受験対策の学習塾で、合格者数が実際よりも過大に表示されている。
《主な通報事例》
<優良誤認表示>
・ 美顔器について、医療機器のような効果を標ぼうしている表示。
<有利誤認表示>
・買取サービスについて、他店と比べて高額な買取をしているかのような表示。 ・「モニター会員募集」などと期日を今月末として表示し、早期の入会を誘引しているが、翌月になっても募集を継続していた。
事業者の指導や処分に活用される消費者からの通報
「悪質事業者通報サイト」に寄せられた通報は、同一事業者に関する他の通報や消費生活センターの相談状況(内容・件数など)から、適用法令等を多角的に分析した上で、事業者調査、指導、処分などにつなげられています。
「悪質事業者通報サイト」の通報から行政指導・処分等までの流れ


悪質事業者通報サイト
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/
2024年11月に特定商取引法による業務停止命令が出された、美容液・育毛剤の通販定期購入および電話勧誘販売に対する行政処分は、この「悪質事業者通報サイト」への通報が端緒となったと考えられます。都内では、対象事業者に関する相談が2020年度から2024年10月22日までに1,161件にも上り、法執行に至りました。
・通販定期購入「回数縛りなし」が、注文直後の特典利用で「縛りあり」に。悪質手口に初の処分。美容液・育毛剤の通販・電話勧誘販売(3社)に特商法業務停止命令(3カ月) (東京都 2024年11月1日)
悪質事業者や誇大広告に対する消費者の目は年々厳しくなっています。特に、通信販売やインターネット広告に対する通報が増加し、行政処分にもつながっている点に事業者は注意が必要です。
◆悪質事業者通報サイトの実績
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/kekka
悪質事業者通報サイトの通報概要(令和6年度)
(東京都 2025年6月26日)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/tsuho/kekka/2024.html
《関連記事》
・消費者の東京都への悪質事業者通報、通販が48%。「誇大広告」の媒体、ネット広告・SNS広告が78%(東京都 悪質事業者通報サイトの通報概要(令和3年度))
・消費者の東京都への悪質事業者通報、通販が5割、誇大広告は健康食品、化粧品関係が約3割(東京都 悪質事業者通報サイトの通報概要(令和2年度))
・消費者の東京都への悪質事業者通報、通販が5割超、誇大広告は健康食品関係が約2割(東京都 悪質事業者通報サイトの通報概要(令和元年度))
・消費者からの広告表示に対する厳しい目 東京都「悪質事業者通報サイト」に大幅通報件数増加(東京都 2019年6月27日)
・JAROへの苦情、通販定期購入契約の苦情は減少せず。ネット広告への苦情二桁増続く (日本広告審査機構 2018年度の審査概況)
・ネット通販トラブル疑似体験や通報窓口設置 「消費者力」向上を目指す自治体の取り組み
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