消費者の東京都への悪質事業者通報、通販が5割超、誇大広告は健康食品関係が約2割(東京都 悪質事業者通報サイトの通報概要(令和元年度))


今回の気になるトピックは「消費者からの広告表示に対する厳しい目」について。

事業者調査や法執行は行政が行うものではありますが、そこににつながる端緒は、消費者からの通報というのも見過ごせません。

消費者庁による景品表示法違反調査においても、外部から提供された情報から違反被疑事案として調査が行われており、令和元年度の情報提供件数総数は10,645件で前年度9,146件から増加しています。

・令和元年度景表法違反、国及び都道府県の措置命令件数は55件。都道府県の処分増加

また、JARO(公益社団法人 日本広告審査機構)が公表した、2019年度に消費者から受け付けた苦情や問い合わせに基づく審査概況においても、総受付件数12,489件(前年度比113.0%)と過去最多を更新したと発表しています。

2019年度の審査状況
(公益社団法人 日本広告審査機構 2020年6月3日)
https://www.jaro.or.jp/news/20200529b.html

同様に東京都においても、消費者からの悪質事業者に対する通報が急増しています。
東京都では、悪質商法の手口や被害状況等を迅速に収集するため、ホームページ上で悪質事業者、誇大広告、架空請求に関する通報を受け付けています。
2018年9月にこの「悪質事業者通報サイト」をリニューアルし、これまでの「悪質商法」「架空請求」に加えて、新たに「虚偽誇大広告」の通報受付を開始し、また、通報しやすくなるように通報窓口を一元化しました。

その結果、大幅に通報件数が増え、2019年度は架空請求の通報は大幅に減少したものの、悪質事業者に関する通報が前年度に比べ約5割増加しています。

2019年度(悪質商法654件,誇大広告133件,架空請求926件)
2018年度(悪質商法432件,誇大広告74件,架空請求2,564件)
2017年度(通報286件)

また、通報から事業者指導、処分等につながった実績は、以下の通り、通報件数増加に伴い増加しています。
悪質事業者について、2019年度は行政指導が12件(2018年度:6件、2017年度:5件)、行政処分が3件(2018年度:1件、2017年度:1件)。
誇大広告ついて、2019年度は行政指導が15件(2018年度:7件)。
架空請求について、2019年度は事業者名等の公表が51件(2018年度:97件、2017年度:0件)。
※同一事業者への複数の通報あり。

悪質事業者通報サイトへの通報・処分件数
東京都悪質事業者通報件数
2019年度の「悪質事業者通報サイト」の通報内容から、通信販売に関連する通報の概要と特徴を見てみます。

【悪質事業者】
販売形態別では、通信販売が341件(2018年度:165件) 、訪問販売が132件(2018年度:124件)、電話勧誘販売が91件(2018年度:55件)で、通信販売が最も多く、2018年度の38%から2019年度は52%と半数を超えた。
《通信販売の主な通報事例》
・サイトで購入し代金を振り込んだのに商品が届かない。
・「初回無料」で試しに申し込んだら、数か月間の継続購入が前提の定期購入で、高額な料金を請求された。
・事業者と電話が繋がらず定期購入の解約ができない。
東京都悪質事業者通報内訳

【誇大広告】
インターネット広告に関するものが約9割(2018年度:約9割)、「健康食品」に関するものが約2割(2018年度:約4割)。
「健康食品」に関する通報のうち、痩身効果をうたったものが約6割となっている。
優良誤認表示に関する通報が6割強、有利誤認表示に関する通報が約3割。

《指導につながった主な通報事例》
・「○○No.1」「医師が信頼する」などの表示の根拠が不明で実際にそうなのかわからない。
・健康食品を摂取するだけで痩身効果が得られるかのような表示。
・「○○の認可を受けた」という表示から行政機関と関連しているのかと思った。
・「○月○日までのキャンペーン」という表示を、期間を変えてずっと行っているのではないか。

「悪質事業者通報サイト」の通報は、同一事業者に関する他の通報や消費生活センターの相談状況(内容・件数等)から、適用法令等を多角的に分析し、事業者調査、指導、処分等につなげているとしています。
新型コロナウィルス感染症に便乗した商品やサービス等に関する、 悪質な勧誘、誇大広告、架空請求についても情報提供を求めています。

「悪質事業者通報サイト」の通報から行政指導・処分等までの流れ
東京都悪質情報サイト流れ
東京都悪質情報サイト

悪質事業者通報サイト(東京都)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/

消費者からの広告表示に対する厳しい目は、行政や業界団体への申し立てとして積極的に行われており、行政処分にも通じています。

◆悪質事業者通報サイトの実績
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/kekka/
悪質事業者通報サイトの通報概要(令和元年度)
(東京都 2020年6月30日)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/kekka/2019.html

《関連記事》
・消費者からの広告表示に対する厳しい目 東京都「悪質事業者通報サイト」に大幅通報件数増加(東京都 2019年6月27日)

・JAROへの苦情、通販定期購入契約の苦情は減少せず。ネット広告への苦情二桁増続く (日本広告審査機構 2018年度の審査概況)

・ネット通販トラブル疑似体験や通報窓口設置 「消費者力」向上を目指す自治体の取り組み

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