ブログでもお伝えしたとおり、2月3月に立て続けに、埼玉県で1件、東京都で2件の景表法措置命令が出されました。
・埼玉県 整体院LAPREの認知症改善効果表示に景表法措置命令(埼玉県 2022年2月17日)
・ネット通販サイトの下着やクリームの痩身、豊胸効果表示。東京都がインフィックス(福岡)、アンドシーム(大阪)に景表法措置命令(東京都 2022年3月23日)
ただ、令和3年度は2月末時点で、上記以外に静岡県による措置が1件のみとなっています。
・カインズの期間限定割引セールの「通常価格」表示に景表法措置命令。期間限定セールを再開するには? (静岡県 2021年8月3日)
平成26年12月の景表法改正で、これまで消費者庁長官のみであった措置命令権限が都道府県知事にも付与され早7年が経過しましたが、権限の活用はなかなか進んでいない状況です。
今回は、都道府県等の景品表示法の事件処理状況とその運用課題、今後の取り組みについて確認します。
都道府県の措置命令件数は、国の1/5
景品表示法違反について、行政は、違反する事実があると認められたときは所定の手続きを経て措置命令を、違反するおそれがあるときは是正措置を講じるよう指導を行います。
平成26年12月の措置命令権限付与から令和2年度までの、都道府県等による措置命令件数の合計は44件にとどまっており、国の処分件数239件と比べ、1/5程度とまだまだ少ない状況です。
また、都道府県等によって件数にばらつきもあります。
最多は大阪府の12件、次いで埼玉県9件、東京都7件、静岡県5件、岐阜県2件。
北海道、茨木県、栃木県、長野県、大阪市、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、鹿児島県が各1件。実績0件が35か所となっています。
一方、指導については、平成26年度から令和2年度までの都道府県等による指導件数の合計は6505件で、国の指導件数1386件と比べ、4.7倍と措置命令件数を逆転する状況です。
ある意味、国は違反の事実認定を行い措置命令を実施する、都道府県は違反認定を行うところまでは行わず、スピーディな対応で是正措置を促すという役割分担を行ってきたと言えるでしょう。
景品表示法の処理件数(措置命令・指導)
都道府県等
国(消費者庁及び公正取引委員会事務総局地方事務所・支所等)
実際、景品表示法の事件処理に要する時間は、どの程度かかるものでしょうか。
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