東京都は、8月10日、令和2年度実施したインターネット広告監視の結果を公表しました。(※1)
景品表示法に違反するおそれのある不当表示の修正・削除等を、通販事業者に対し改善指導等を行っています。
この監視は平成21年度から実施されており、インターネット通販サイトの広告・表示について年間を通し継続的に調査しています。
インターネット通信販売に関する令和2年度の都内の消費生活相談は、前年度に比べると26%増加して過去最高となっていますが、指導件数、指導事業者数は、ともに大幅に減少しています。
不当表示改善指導件数は260件、指導事業者数は257事業者
改善指導件数が今回は260件(257事業者)(前年度331件(329事業者))で、前年度に比べて指導件数は71件減、事業者数は72事業者減となりました。
指導内容の内訳では、「優良誤認」は244件(前年度307件)で、主な商品・サービスは、健康食品、雑貨、化粧品等。「有利誤認」は63件(前年度61件)で、主な商品・サービスは、健康食品、雑貨、サービス等。「過大な景品類の提供」が1件(前年度3件)で総付景品でした。
主な商品・サービスでは、健康食品で115件、雑貨で76件の広告に改善指導が行われています。
【インターネット広告監視結果(件数)】
※複数の内容に違反する広告・表示があるため、内訳は指導件数の合計とは、一致しない。
【不当表示例と問題点】
健康食品:
表示例:この健康食品を摂取することだけで、痩身や免疫力向上等の効果を得られるかのように表示
・「飲むだけ簡単の〇〇ドリンクで美味しく楽々美的ダイエット生活」
・「サプリメントで免疫力アップ」
・「熱中症対策にも!効果絶大」
・「美容、若返りに!」
⇒表示の裏付けとなる合理的な根拠を有していないおそれ。(優良誤認のおそれ)
化粧品:
表示例:この化粧品を使用することで、究極的又は強力な美容効果を得られるかのように表示
・「肌が生まれ変わる究極のスキンケア」
・「強力なリフトアップ機能」
⇒表示の裏付けとなる合理的な根拠を有していないおそれ。(優良誤認のおそれ)
雑貨:
表示例:商品を使用するだけで、体形を修正する効果を得られるかのように表示
・「履くだけ!美脚&ヒップアップ」
表示例:商品を使用するだけで、周囲の空気のウイルスや菌の活動が不活性化するかのように表示
・「首にかけるだけで空間のウイルスを除去」
⇒表示の裏付けとなる合理的な根拠を有していないおそれ。(優良誤認のおそれ)
商品・サービス全般:
表示例:競争事業者のものよりも高い評価を得ているかのように表示
・「モニター満足度 96.5%」
・「ランキング NO.1」
・「お客様商品推奨度 99.8%」
・「人気 No1、最も売れている」
⇒主張する内容が客観的に実証されて いないおそれ(優良誤認のおそれ)
表示例:期間限定の特別価格であり、今申し込めばお得であるかのように表示
・「期間限定価格」
・「今なら送料無料 今すぐご注文ください!!」
⇒期間の明示がなかったり、キャンペーン期限が延長されるなど継続して実施されているおそれ(有利誤認のおそれ)
(※1)令和2年度インターネット広告表示監視事業実施報告(東京都)https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/hyoji/keihyo/keihyou20210810.html
販売事業者は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を納入業者、製造業者や輸入業者に求める働きかけが必要です。取引条件について、実際のものよりも、又は競争事業者よりも消費者に著しく有利であると誤認される表示や景品の設定についても十分注意しましょう。
以下に、価格表示に関する景品表示法の解説記事をまとめました。
≪関連記事≫
======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================
————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————-
この記事へのコメントはありません。