平成21年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
平成31年1月~平成31年3月の結果が平成31年4月24日に公表されました。
ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。
今回の監視では31事業者(32商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。
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インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(平成31年1月~平成31年3月)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/pdf/extravagant_advertisement_190424_0001.pdf
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●30年度の改善要請件数は再び減少
30年度は274事業者(298商品)となりました。
過去の監視結果の改善要請件数の推移では、26年度に激減し84事業者(131商品)から、27年度は400事業者(501商品)と再び大幅に増加。28年度は336事業者(389商品)でやや減少しましたが、29年度は381事業者(425商品)と微増となり、30年度は再び減少となりました。
※平成21年度の事業者数は未公表。弊社調べ(消費者庁ヒアリング)
●検索キーワードは「心筋梗塞」、「脳卒中」、「ノロウイルス」、「酵素」
今回(平成31年1月~平成31年3月)の検索キーワードは、以下の2テーマとなっています。
・「心筋梗塞」、「脳卒中」、「ノロウイルス」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
・「酵素」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現 等
商品区分別では、「いわゆる健康食品」が22商品、「飲料等」が7商品、「加工食品」が3商品で、「生鮮食品」については適正化の対象になるものはありませんでした。
【今回、適正化を要請された表示例(一部)】
今回の検索キーワードには「酵素」の表現が含まれていました。
「酵素」については、平成31年3月29日に消費者庁が酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者5社に対して、景表法の措置命令の処分がなされており、行政による監視の視点がうかがえます。
・成分の作用による痩身効果を謳った酵素食品5社に景表法措置命令。景表法における打ち消し表示の留意点とは(消費者庁:平成31年3月29日)
消費者庁は平成28年6月30日付けで公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」について、啓発パンフレット等を活用し、健康食品を販売する事業者等に対して周知啓発を図っています。
本ガイドラインが、虚偽・誇大広告規制の判断基準とされていますのでしっかりチェックしておきましょう。
●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf
●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(全部改定 平成 28 年6月 30 日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_8.pdf
また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。
≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
平成30年10月~12月
平成30年7月~9月
平成30年4月~6月
平成30年1月~3月
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