特定適格消費者団体が、景表法の返金措置を後押し。「葛の花」15社への、特定適格消費者団体の返金申し入れ(消費者支援機構関西 22018年8月9日)

今回のトピックは、「景表法の課徴金制度と返金対応」について。

以前の記事にてお伝えしましたが、今年の3月に特定適格消費者団体の消費者支援機構関西(=KC’s)が措置命令を受けた「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品の販売企業15社(※)に対し、以下の申し入れを行いました。

1)購入者に返金に応じることを個別に通知すること
2)消費者が希望する場合は返金等を行うこと
3)当団体に対して返金の実施状況を定期的に報告すること 等。


措置命令を受けた16社のうち、(株)ニッセンは、全購入者に対して不当表示の事実を通知するとともに、購入額の全額返金を実施していたことから申入れの対象から除外された。

その続報で、8月9日にKC’sが経過を公表しました。
15社のうち、11社はKC’sからの1)~3)の要請に全面的に応じ、2社は2)のみ対応、1社は2)と3)に対応、残る1社のみ一切の回答がなかったとしています。

もっとも、報道によると回答のなかった1社は、KC’sへの回答は拒否しているものの、すでに顧客に通知し返金に応じるなどの対応を行っていると報じられています。

◆KC’sの「葛の花」返金要請 11社が全面的に対応、1社回答拒否で対応「検討中」
 (通販新聞 平成30年8月23日) 
 http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2018/08/kcs111.html

事業者は、今回のような特定適格消費者団体からの被害回復の申し入れにより返金対応を余儀なくされるのであれば、課徴金納付と合わせてダブルの経済的な損失を負うこととなります。
また、今回の措置命令で課徴金納付が免除された6社(ニッセン除く)に対しても、返金対応等の申し入れはなされており、事業者は対応しています。

景表法では、「返金措置」は義務付けられてはいません。

ただし、課徴金制度において、一般消費者の被害回復を促進する観点から、返金による課徴金額の減額措置(※)が講じられています。(課徴金制度を有する他法には見られず、消費者法体系にある景品表示法として特徴的。)

※「返金措置」
・ 課徴金対象期間において課徴金対象行為に係る商品又は役務の取引を行った一般消費者のうち申出をした者に対し、
・ 当該申出者の購入額の3%以上の額の金銭を交付する措置

特定適格消費者団体の動きは、景表法の返金措置を後押しする効果を発揮しているといえます。

◆「葛の花由来イソフラボン」を配合した機能性表示食品の販売業者15社に対する申入れ活動について
(消費者支援機構関西 平成30年8月9日)
http://www.kc-s.or.jp/detail.php?n_id=10000863

<関連記事>
・「葛の花」機能性表示食品9社に景表法課徴金納付命令。自主的お詫び社告の影響は?

・適格消費者団体、「しじみ習慣」に5回の表示改善申入れ。2年半で協議終了

・消費者団体訴訟、今後も活発化の予想。(平成30年度消費者庁予算概算要求)

・「お試し価格からの定期購入」に対する法規制の最新動向(消費者契約法の一部改正、他)

・クロレラ訴訟と消費者契約法改正の行方。「適格消費者団体」とは?

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。