Nature Link、萬祥、首下げ空間除菌製品2社の表示に景表法措置命令。分かれる両社の対応(消費者庁 2021年1月15日)

「首下げ型の空間除菌製品」の空気清浄機能表示について、景品表示法の措置命令が続いています。

昨年12月22日にSalute.Lab(株)に対して措置命令が出されたところですが、ひと月と開けず、2021年1月15日に、日用品雑貨、家電等の販売事業者(株)Nature Link(東京都)と萬祥(株)(東京都)に対して措置命令が出されました。

今回の両社の違反も優良誤認で、不実証広告規制(※)を用いた処分となっており、表示の裏付けとなる「合理的な根拠」が認められませんでした。

ただし、措置命令に対する両社の見解と対応は分かれています。

内容を確認します。

———-
消費者庁 2021年1月15日
株式会社Nature Linkに対する景品表示法に基づく措置命令について
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_210115_02.pdf

萬祥株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_210115_01.pdf
———

(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。


(株)Nature Link
【対象商品】
「AirRevo CARD/エアレボカード」、「AirRevo CERAMIC PLATE/エアレボセラミックプレート」と称する商品

【表示媒体・表示期間】
自社ウェブサイト:
2020年8月31日、9月3日、28日、10月1日、12日、19日、11月2日、17日、24日、30日、12月3日、7日、17日、21日

【違反内容】
表示内容:
例えば、エアレボカードについて、
「イオンのパワーで空気革命」「ION CLEANER AirRevo」と表示し、
「身近にある様々な空気トラブル」、「空気のトラブル」、「ウイルス、花粉、アレル物質、細菌、PM2.5・・・。目には見えなくても、私たちの身のまわりの空気中には、日々の健康に影響を及ぼすさまざまな原因物質が浮遊しています。」
「エア・レボリューション、“AirRevo(エアレボ)”は、イオンの発生効果を利用した携帯エア・クリーナー。いつでも、どこでも、身につけているだけで、あなたの身のまわりの
空気トラブルを軽減します。」
等と表示することにより、
あたかも、対象商品を身につければ、商品から発生するイオンの作用により、いつでもどこでも身の回りの空気を清浄にして、空気中に浮遊するウイルス、花粉、アレル物質、PM2.5、細菌等が人体に及ぼす影響を軽減する効果が得られるかのように示す表示をしていた。

表示例:自社ウェブサイト

(消費者庁発表資料より抜粋)

実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。

萬祥(株)
【対象商品】
「Jaiaile(ジュエル)と称する商品

【表示媒体・表示期間】
自社ウェブサイト:
2020年5月26日、7月31日、9月3日、10日、14日、28日、10月1日、26日

「楽天市場」に開設した「輝くママの美と健康KiRaRa Shop」と称する自社ウェブサイト: 2020年10月1日、12日、19日

【違反内容】
表示内容:
例えば、
「Jaiaile パーソナル空気清浄機 日々の空気をよりキレイに」、
「-ion100万/㎝3」、「花粉除去率99.9%」、「PM2.5除去率99.9%」、
「0.5秒ごとに1,000,000/㎝3のマイナスイオンを連続48時間出し続けることが可能、平均一日8時間使用しても、五日間持ちますから、頻繫な充電は要らず、首にかけるだけでいつでも、どこでも、キレイな空気があなたを包み込みます。」
等と表示することにより、
あたかも、対象商品を身につければ、商品から発生するマイナスイオンの作用により、いつでもどこでも、様々な場面で、身の回りの空気の空間の花粉、PM2.5などの浮遊物を除去し、空気を清浄にする効果が得られるかのように示す表示をしていた。

表示例:自社ウェブサイト

(消費者庁発表資料より抜粋)

実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。

●打消し表示について
自社ウェブサイトにおける表示について、
「※お使いの環境により誤差が生じますので、ご了承ください。」、
「※実験データであり、実際の使用環境での性能を保証するものではありません、ご了承ください。」
「Q:タバコの煙や臭いを完全に消せますか? A:完全に除去することはできません。」
と表示していたが、当該記載は、一般消費者が対象表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない、とみなされています。
(表示例、赤枠部分)
——

●分かれる措置命令に対する両社の対応
両社は、今回の措置命令に対して、処分の経緯と対応について以下のように公表しています。

(株)Nature Link:
・消費者庁からの求めに応じて、本件2商品からイオンが発生していることの製造工場による実証実験資料や、イオンがもたらす作用についての各種文献、第三者機関での検査結果等を提出したが、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められない、と判断された。

・本件2商品からイオンが発生すること、検査環境(閉鎖空間)での実験により、花粉やPM2.5といった、いわゆる空気中に存在するトラブル物質を減少させる作用があることについて第三者機関にてエビデンスを取得していたが、適切な表示・表現ができていなかった。

・今回の措置命令を受けた事実を真摯に受け止め、お客様・取引先企業・関係各位に多大なるご迷惑をかけたことをお詫びする。

・公式サイトの表示については、昨年末の時点で掲載を一旦停止し、消費者庁からの指摘内容に従い改修を予定している。今後は、消費者の皆様に誤認を与えることのない表示を行い、再発防止策を講じる。


(自社HP 2021年1月15日)
「弊社公式WEBサイト表示についてのお詫びとお知らせ」
https://www.naturelink.co.jp/

萬祥(株):
・優良誤認と指摘を受けた箇所は「いつでもどこでも」「様々な場所で使える」ところである。

・空気清浄機に関しての検査データはしっかりしているが、消費者庁の見解は実際に使用する環境での検査データではないので、使用する環境での検査データを取ったうえで表記しないと問題であるとの回答。

・「実験データであり、※お使いの環境により誤差が生じます」「実験データであり、※実際の使用環境での性能を保証するものではありません、ご了承ください。」等の打消し表示をしていたが、実際に使用する環境での実験データを取ったうえでの表記出なければ認められないとの処置だった。

・弊社として表記についての見解の相違を疑問点として伝えたが、具体的な回答もなく、今回の措置命令は残念。

弊社の対応として、
・製品としては何ら問題なく今後表記を変更し販売していく。
・実際に使用する環境でのエビデンスデータがない場合は表記なしか、表記する場合は実験データしかない旨、はっきりと分かる表記を会社として周知徹底する。
・今回の措置命令を踏まえ、今後の製品PRには十分注意を払い表示を行う。


(自社HP 2021年1月18日)
「空気清浄機に関する消費者庁発表に対する弊社の見解と対応について」
https://www.mansyou.co.jp/1296/

上記の両社の公表文書を読む限りでは、Nature Linkは、表示の裏付けとなる合理的根拠の考え方を理解した対応をとっていく姿勢が読み取れます。他方、萬祥は合理的根拠や打消し表示の考え方に納得しているか疑問が残ります。

今後も、新型コロナウィルス関連広告に対する法執行は続くことが予想されます。
また、その他の広告においても、商品の効能効果を謳う表示に対する不実証広告規制による処分は引き続き厳しく執行されることが予測されます。

しっかりと、合理的根拠や打消し表示の考え方について理解し準備しましょう。
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・景品表示法上の表示の裏付けとなる「合理的な根拠」。効能効果の適切な実証方法

・消費者庁が本気で調査!打消し表示は明瞭に

《関連記事》

・Salute.Lab、首下げ空間除菌剤の表示に景表法措置命令。実証データは、訴求内容に適切に対応を(消費者庁 2020年12月22日)

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(消費者庁 2020年5月15日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019867/

・気になる消費者庁のネット広告監視動向と処分。新型コロナウイルス予防関連商品は注意!

・「空間除菌剤」17社、景表法措置命令。大幸薬品の新たな広告も問題視(消費者庁 平成26年 3月27日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。