消費者庁は7月24日、日本マクドナルド(株)に対し、同社が提供しているローストビーフを使用した料理の表示について、景品表示法の措置命令を行いました。
同社はテレビコマーシャル、並びに自社Webサイト等で掲出した動画、広告物に、対象料理に使用されている「ローストビーフ」にはブロック肉(牛の部分肉を分割したもの)を使用しているかのように示す表示をしていましたが、実際には使用されている「ローストビーフ」の過半について、成形肉(牛赤身のブロック肉を切断加工したものを加熱して結着させ、形状を整えたもの)を使用しており、優良誤認表示とみなされました。
———-
日本マクドナルド株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(平成30年7月24日 消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180724_0001.pdf
———-
消費者庁の調査を受け、表示の修正を行いましたが、修正後の表示も措置命令対象表示となっています。
打消し表示を含め、優良誤認とみなされた表示について、内容を確認します。
【対象料理】
a)「東京ローストビーフバーガー」と称する料理
b)「東京ローストビーフマフィン」と称する料理
c) 上記a)又はb)を含むセット料理
【表示媒体・期間】
(1) 動画による表示
テレビCM:平成29年8月8日~同月24日までの間
(2) 「POP」と称する店頭表示物による表示
店内B2ポスター:
平成29年8月2日~同月6日までの間/平成29年8月9日~同月26日までの間
懸垂幕:
平成29年8月9日~同月26日までの間/平成29年8月27日~9月5日までの間
「大型トランスライト」「トランスライト」「レジトッパー」、「カウンターマット」又は「ハンドヘルドメニュー」):
平成29年8月9日~同月26日までの間/平成29年8月27日~9月5日までの間
(3) ウェブ上の表示
自社ウェブサイト(メニューページ):
平成29年8月9日~同月25日までの間/平成29年8月26日~9月5日までの間
(4) その他の表示
新聞折り込みクーポン(配布地域は全国):平成29年8月9日から配布
電車内中吊り広告:平成29年8月9日~同月17日までの間
【違反内容】
表示:
例えば、「東京ローストビーフバーガー」と称する料理について、テレビCMにおいて、「しっとりリッチな東京ローストビーフバーガー」との音声と共に、ローストされた牛赤身の肉塊をスライスする映像を放送するなど、あたかも、対象料理に使用されている「ローストビーフ」と称する料理には、牛のブロック肉を使用しているかのように示す表示をしていた。
実際:
対象料理に使用されている「ローストビーフ」の過半について、成形肉(牛赤身のブロック肉を切断加工したものを加熱して結着させて、形状を整えたもの)を使用していた。
表示例:
本件に対する同社の「お詫びとお知らせ」において、誤表示について次のように説明しています。

●一枚肉と成形肉は一般消費者にとって同等品質か?
弊社がご提供しましたローストビーフは、一枚肉と成形肉(※)の2種類を使用しておりましたが、そのすべてが厳選された、高品質の牛モモ肉の精肉を使用し、品質、味覚、食感、外観におきまして同等のものです。しかし、同商品のテレビコマーシャル、並びにウェブ動画等の広告物では、お客様に正しくお伝え申し上げるため、一部のローストビーフが成形肉から作られている旨の注釈を記載する必要がございました。
(※)一枚肉と成形肉: 一枚肉とは、厳選された牛モモ肉の大きなブロックをそのまま加工し、スライスしたものです。
また成形肉は、一枚肉と同様に厳選された牛モモ肉の切り身を大きなブロックに整えて加工し、スライスしたもので、ミンチ肉ではありません。
同社は、「一枚肉と成形肉は、品質、味覚、食感、外観において同等」と説明していますが、優良誤認と判断されました。
また「一部のローストビーフが成形肉から作られている旨の注釈を記載する必要があった」としていますが、ローストビーフの過半について、成形肉が使用されていたのであれば、一部のローストビーフが成形肉から作られているという打消し表示では対応できないものと考えられます。
(打消し表示とは、景表法上では「強調表示だけでは一般消費者が認識できない例外条件、制約条件等がある場合に、例外的に使用されるべきもの」となっています。)
●打消し表示の有効性は?
消費者庁の調査を受け、テレビコマーシャル、並びにウェブ動画は2017年8月24日(木)をもちまして終了いたしました。また販売期間中(2017年8月27日から販売終了まで)に、店頭及びホームページでの商品表示に、“ローストビーフは厳選した牛肉の切り身をブロック肉に加工”、と追記させていただきました。
消費者庁の調査を受けた後の修正対応表示についても、不当表示の対象となっており、「ローストビーフは厳選した牛肉の切り身をブロック肉に加工」という記載方法についても、打消し表示として効果を認められていないことが分かります。
修正前・後の表示例:

打消し表示は、その内容を一般消費者が正しく認識できないことにより、優良誤認される場合、打消し効果は認められません。今回の打消し表示は、一般消費者が打消し表示に気付くことができないこと、打消し表示を読んでもその内容を理解できないことが問題となっていると考えられます。
このような内容のお詫び告知を見る限り、マクドナルドの広告表示に対するコンプライアンスへの取り組みに不安を感じます。

————
弊社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ
(日本マクドナルド株式会社 2018年7月24日 キャプチャー画面)
Web:
http://www.mcdonalds.co.jp/company/news/180724/
社告:
http://www.mcdonalds.co.jp/content/dam/web/mcdonalds/company/news/pdf/180728.pdf
———–
≪関連記事≫
・例外規定が表示されず。有料老人ホーム運営のHITOWAケアサービスに景表法措置命
(消費者庁:平成30年7月3日)
・TSUTAYAの措置命令で考える、「打消し表示」の景品表示法上の留意点
・「塚田農場」運営元に景表法措置命令。「地鶏」メニューから一般消費者が受ける印象は?(消費者庁:平成30年5月22日)
======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================
————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————-
この記事へのコメントはありません。