「Webサイトの深い階層ページも広告として規制対象となりますか?」とご質問を受けることがあります。
3月31日、消費者庁は東京都港区の食品等の販売事業者、ココナッツジャパン(株)の「エクストラバージンココナッツオイル」及び「エクストラバージンココナッツオイルカプセル」と称する食品の認知症、ガン等の各種疾病を予防する効果等について、景品表示法(優良誤認)の措置命令を行いました。
本件表示は、商品紹介ページ、これにリンクさせたページ及び更にそれにリンクさせたページ全体を商品の広告として認定した事案です。
不実証広告規制(※)を用いた措置となっています。
———-
ココナッツジャパン株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 平成28年3月31日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160331premiums_1.pdf
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160331premiums_2.pdf
———-
【違反内容】
対象商品:
「エクストラバージンココナッツオイル」及び「エクストラバージンココナッツオイルカプセル」と称する食品
表示媒体:
自社ウェブサイト
表示期間:
平成26年3月頃から平成27年11月頃まで
表示内容:
あたかも、対象商品を摂取することにより、認知症、ガン等の各種疾病を予防する効果等が期待できるかのように示す表示をしていた。
実際:
ココナッツジャパン(株)に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めた。同社から資料は提出されたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。
《表示例》
・「ココナッツオイルで認知症の予防・改善」
・「ココナッツオイルでガン予防」
・「ココナッツオイルでウイルス感染を防ぐ」
・「ココナッツオイルが心臓病を予防する理由」
・「ココナッツオイルがアルツハイマー病に効果がある理由」
・「ココナッツオイルに含まれるのは中鎖脂肪酸ですから、すぐにエネルギーとなってくれるため体内に溜まることはありません。むしろ体内に溜まっている脂肪をエネルギーに換えてくれるので、便秘だけでなく、ダイエットにも効果を期待することができます。」
と記載
《自社ウェブサイト》
Webサイトの「Products 商品のご案内」ページからグローバルナビゲーションでリンクされた「Health ココナッツオイルと健康」ページに、「ココナッツオイルには整腸作用がある!?」、「ココナッツオイルで認知症の予防・改善」、「ココナッツオイルでガン予防」、「ココナッツオイルでウイルス感染を防ぐ」、「ココナッツオイルが心臓病を予防する理由」、「ココナッツオイルがアルツハイマー病に効果がある理由」等と記載。
更に、これら記載された文字列にリンクさせたページ(例えば「ココナッツオイルで認知症の予防・改善」)において、以下のように記載。
———–
報道によると、同社は2014年3月~15年11月、販売している瓶入りのココナツオイルなどについて、約1億9000万円を売り上げた、と報じています。
えがおの黒酢サプリの事案と同様、4月1日以降の処分であれば、初の課徴金適用企業となる可能性もありました。
Webサイトの深い階層ページも広告として規制対象となります。
しっかりとチェックしましょう。
(※)
不実証広告規制(4条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。
《関連記事》
・虚偽誇大広告の「あたかも認定」に注意! 健康食品ガイドライン (消費者庁)
======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================
————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。
登録はこちら
————————————————————-