2月20日、消費者庁は空間用虫よけ剤を販売する4社(アース製薬(株)、興和(株)、大日本除虫菊(株)、フマキラー(株))に対し、商品パッケージの表示に、景品表示法違反の措置命令を行いました。
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虫の忌避効果を標ぼうする商品の販売業者4社に対する景品表示法に基づく措置
命令について (消費者庁 平成27年 2月20日)
https://www.koutori-kyokai.or.jp/caa/items.cgi?id=1425283970
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過去の類似の事案では、
2012年11月:シャープ「プラズマクラスターイオン技術を搭載した電気掃除機」
2014年3月:大幸薬品や大木製薬など17社の「二酸化塩素を使った空間除菌剤」
2014年5月:エム・エイチ・シー「車載用マイナスイオン発生器」
上記の性能に関する表示への不実証広告規制による処分があります。
【対象事業者・商品・表示期間】
・アース製薬(株)
8商品:
虫よけネットW120日用
バポナ虫よけネット(W240日用、W1年用、Wスヌーピー90日用、Wスヌーピー240日用、W120日用、W240日用、W1年用
表示期間:
2012年3月1日以降(商品により異なる)
・興和(株)
4商品:
ウナコーワ虫よけ当番(ブルー63日用、ブルー133日用、スーパーロング260日用ブルー、スーパーロング260日用ブルー限定品)
表示期間
2011年4月18日以降(商品により異なる)
・大日本除虫菊(株)
11商品:
虫コナーズ(プレートタイプ30日用、プレートタイプ60日用、プレートタイプ100日用、プレートタイプ150日用、プレートタイプ200日用、プレートタイプ250日用、玄関用100日用、玄関用150日用、玄関用200日用、玄関用250日用、アロマプレートタイプ100日フレッシュフローラル)
表示期間:
2012年3月以降(商品により異なる)
・フマキラー(株)
7商品:
虫よけバリア(366日、ブラック200日、ブラック250日、ハローキティ250日、玄関用、Kawaii Select虫よけバリア150日、Kawaii Select虫よけバリア200日)
表示期間:
2013年3月以降(商品により異なる)
【表示媒体】
商品パッケージ
【違反内容】
≪優良誤認≫
表示内容:
対象商品をベランダ等に吊り下げるなどするだけで、表示された範囲、表示された期間にわたり、対象商品から放出される薬剤により、ユスリカ及びチョウバエを寄せ付けないかのように示す表示。
表示例:フマキラー(株)
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今回の不実証広告規制による、表示の裏付けとなる「合理的な根拠」として各社から提出されたデータは、各社が使用していた薬剤そのものには虫を遠ざける効果があったが、実験は室内で行われていたり、使用した虫の数が少なかったりしたとしています。
措置命令を受けると、違反表示の内容については、あらかじめ、消費者庁長官の承認を受けた方法で、速やかに一般消費者に周知徹底しなければなりません。
各社の措置命令に対するHPでの告知状況は、以下の通りとなっています。
(消費者庁の承認はまだ受けていないと思われます)
アース製薬
HPの「重要なお知らせ」
2015/02/20 「『バポナ虫よけネットW』における消費者庁からの措置命令について」
2015/02/20 「『バポナ虫よけネットW』における消費者庁からの措置命令への対応について」
《抜粋》
「今回の措置命令は、環境や風量等の気象条件に左右されずに効果があるとの誤解を生じさせる商品パッケージの表示であったというものでした。
弊社としましては、すみやかに是正処置を行い、お客様に商品の性能がより正確に伝わるよう、使用条件、使用環境などを適正に表示し、今シーズンの商品はすでに改訂されたものを販売してまいります(後略)」
興和
HPの「NEWS」
2015/02/20「ウナコーワ虫よけ当番」に関する消費者庁の措置命令について
《抜粋》
「今般の措置命令は、「本製品に効果がない」というものではなく、本製品のパッケージにおいて、強い風等のあらゆる気象条件下においても、不快害虫に対する虫よけ効果を示すと誤解される表示がされていたことによるものでございます。今後のパッケージ表記については誤認されることの無いよう留意し、適切な対応をして参ります。」
大日本除虫菊
HPの「新着情報」
2015/2/20 弊社「虫コナーズプレートタイプ」、「虫コナーズ玄関用」のパッケージ表示等に関する措置命令について
《抜粋》
「措置命令を受けるに至った原因は、(中略)範囲の表示において、開放空間においても同等の効果があるように消費者の皆様に誤解を与える表現になっていたことによるものでした。
弊社では屋内と屋外の境目で使用し、屋内への虫の侵入を予防する商品として、開発段階から現在に至るまで、各種試験を十分行い効果を確認しております。商品パッケージには、適正にご使用いただくための指針として、室内の効果試験をもとにした使用の目安を畳数で表示しておりましたが、今回のご指摘を真摯に受け止め、消費者に誤解を与えないよう、「使用の目安の範囲は屋内テストの結果であること」、また「屋内と屋外の境目に吊るしてください」という文言を追加するなど、順次表示事項の是正を進めて参ります。」
フマキラー
HPの「株主の皆様へ」
2015/2/20 消費者庁からの措置命令に関するお知らせ
《抜粋》
「本措置命令に関して消費者庁から指摘された問題は、虫よけバリアのパッケージ表示の一部に関するものであり、虫よけバリアの虫よけ効果が否定されたものではありません。消費者庁より指摘を受けたパッケージ表示については既に変更を完了しており、今後も虫よけバリアを継続することに問題はございません。
弊社といたしましては、措置命令の内容を精査した上で、不服申立を行うか否かを含め今後の対応を決定いたします。」
措置命令の趣旨を最も真摯に受け止めていると考えられるのは、アース製薬であり、すでにパッケージの改定も行っています。
興和は、全体にあっさりとして、「本製品に効果がない」わけではなく、条件付きであることを強調しています。
大日本除虫菊に関しては、是正内容の方針に疑問が残ります。「屋内と屋外の境目で使用する」商品であるならば、使用の目安の範囲もその環境においての効果を検証する試験であるべきだと思います。
フマキラーにおいては、株主向けの告知であり、措置命令を受け入れておらず、消費者への説明はありませんでした。
今回のように横並びでの処分となった場合、各社の対応に消費者への姿勢が如実に表れることがわかります。
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