消費者庁 健康食品広告ネット監視230事業者(231商品)の表示に改善要請。健食留意事項の一部改訂も要チェック(消費者庁:2022年10月~2022年12月)

2009年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
2022年10月~2022年12月の結果が2023年2月27日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。
今回の監視では230事業者(231商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。

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インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/#internet
——-
気になる検索キーワードを確認しましょう。

継続検索キーワードは「免疫力」、新たなキーワードに「関節痛」

今回(2022年10月~2022年12月)の検索キーワードは、以下の3テーマとなっています。

・「がん」、「リウマチ」、「関節痛」、「インフルエンザ」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
・「免疫力」、「老化防止」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
・「ダイエット」、「乾燥肌」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現 

商品区分別では、「加工食品」が149商品、「いわゆる健康食品」が145商品、「生鮮食品」が20商品、「飲料等」が17商品でした。

【今回、適正化を要請された表示例(一部)】

今回のネット監視の検索キーワードでは、「免疫力」が2019年度から継続して過去12回の監視で取り上げられています。
また、機能性表示食品で注目されている機能性訴求である「関節痛」、流行が懸念される「インフルエンザ」といった季節性のあるキーワードが挙がっています。

健食広告留意事項の一部改定で「認知症予防」、「若返り」、「免疫力を高める」など追加

健康食品に対する虚偽・誇大広告等に対しては、景品表示法と健康増進法との一体的な法執行が消費者庁の表示対策課食品表示対策室において行われています。
虚偽・誇大広告規制の判断基準とされているガイドライン「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」の一部改訂が、パブリックコメントを経て2022年12月5日に公表されました。
本改定では、対象となる「健康保持増進効果」の事例として、「認知症予防」、「若返り」、「免疫力を高める」といった文言が追加されています。
健康食品(明らか食品含む)を扱う事業者の皆さまには、コンプライアンス対応として必ず押さえておきましょう。

・健食留意事項の一部改訂、違反表示事例が充実し、より明示的に
(「健康食品に関する景品表示法および健康増進法上の留意事項」一部改訂 2022年12月5日)

また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)

健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。