消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第6弾)。健食の「ウイルス予防効果」を認めない根拠は? (消費者庁  2021年12月~2022年2月)

消費者庁による、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じた、新型コロナウイルスに対する予防効果をうたったネット広告の緊急監視の第6弾です。
今回、第6弾の監視は、2021年12月から実施され、公表された2022年2月18日までのところ39事業者による33商品について、緊急の改善要請を行いました。
本緊急監視は2020年2月以降継続的に実施されており、今回を含む6回(※)の公表で合計 226 事業者による 249 商品又は役務に対して、改善要請が出されています。

(※)
2020年3月10日(第1弾)、3月27日(第2弾)、6月5日(第3弾)、2021年2月19日(第4弾)、6月25日(第5弾)、2022年2月18日(第6弾)

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・消費者庁、新型コロナウイルス予防商品緊急監視 30事業者による46商品の表示に改善要請(消費者庁  2020年2月25日~3月6日)

・根拠なし新型コロナの感染予防効果、34事業者41商品の表示に改善要請。消費者庁の緊急監視(第2弾) (消費者庁  2020年3月9日~3月19日)

・続く、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第3弾)、35事業者38商品の表示に改善要請 (消費者庁  2020年4月1日~5月22日)

・2度目の緊急事態宣言下、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第4弾)、45事業者42 商品・役務の表示に改善要請 (消費者庁  2021年1月~2月上旬)

・3度目の緊急事態宣言下、消費者庁の新型コロナウイルス予防健康食品緊急監視(第5弾)、43事業者49商品の表示に改善要請 (消費者庁  2021年4月~6月)
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今回の監視の対象品目の内訳は、「いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、粉末等)(28業者28商品)」、「首掛け型空間除菌剤 (二酸化塩素)(8事業者2商品)」、「抗ウイルス処理カーテン(2事業者2商品)、「マイナスイオン発生器(1事業者1商品)」となっています。

改善要請を受けた主な健康食品の表示成分・食品:
5-ALA(5-アミノレブリン酸)、味噌汁(メラノイジン)、フコイダン、スイカズラ、ビタミン(D)、亜鉛、はちみつ、ビフィズス菌、キノコ(チャーガ)、柿渋

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新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について(消費者庁 2022年2月18日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/027528/
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《改善要請を受けた表示》
いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、粉末など):28 事業者 28 商品
・今話題の5-ALA(5-アミノレブリン酸)をサプリメントで摂取、コロナ対策 COVID-19 感染予防、免疫力アップ
・5-ALA(5-アミノレブリン酸)ミトコンドリア活性化、コロナ対策
・〇〇大学の研究で話題、コロナウイルスの増殖を抑える効果がある5-ALA(5-アミノレブリン酸)
・コロナ対策、免疫力UP、毎日1杯の味噌汁(メラノイジン)でアンチエイジング
・コロナウイルスは免疫力UPが大切!フコイダン免疫力アップ
・新型コロナウイルスが心配なこの時代おススメの野草茶、スイカズラ
・コロナ対策にビタミンD
・亜鉛やビタミンが豊富に含まれているので、コロナ禍の免疫力アップに効果バツグン
・はちみつの薬効、免疫力アップによる風邪予防、細菌やウイルスの撃退、コロナに負けない
・ビフィズス菌で、コロナ対策、免疫を高め、病気に負けない体を作る
・【新型コロナウイルス感染症に効く】ロシアの世界的な研究機関が認めたキノコ「チャーガ」の効能
・「柿渋」入り飴やラムネでコロナ不活化、〇〇大学が、「柿渋」が新型コロナウイルスを無害化させるという研究結果を発表

首下げ型空間除菌剤(二酸化塩素):8事業者2商品
・首掛けタイプ ストラップ付 コロナ対策 ウイルス対策 安全安心 無毒
・感染予防 コロナ対策 電車・オフィス・学校など人の集まる場所や身の回りの空間のウイルス対策

抗ウイルス処理カーテン:2事業者2商品
・コロナウイルス粒子を破壊! カーテンにも「安全」
・洗濯しても効果が続く!だから安心! カーテンの繊維に吸着したウイルスにアタック!
・【抗ウイルス可能】【新型コロナ対策】

マイナスイオン発生器 :1事業者1商品
・その浮遊粒子を重くして着地させることで、呼吸で吸い込むウイルスや菌の濃度をできるだけ下げる目的です。「感染防止」、「コロナ対策」に役に立つと思います。
・用途:感染防止 ウイルス 花粉 たばこ コロナ除菌 殺菌 消臭対策

新型コロナウイルスについては、その性状特性が必ずしも明らかではなく、民間施設での試験などの実施も不可能な現状で、消費者庁は、「ウイルス予防商品」のウイルスに対する予防効果を裏付ける根拠は認められていないとしています。
そのため、このような表示は一般消費者に誤認を与えるおそれがあり、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大 表示)に違反するおそれが高いとしています。

これまで同様、改善要請の対象となった事業者が出店していたショッピングモール運営事業者への表示の適正化について協力要請と、消費者庁の公式ツイッターとフェイスブック、LINEを通じた一般消費者への注意喚起も行われています。

ツイッター: https://twitter.com/caa_shohishacho
フェイスブック :https://www.facebook.com/caa.shohishacho
「消費者庁 新型コロナ関連消費者向け情報」公式 LINE LINE ID:@line_caa

<参考情報>
〇健康食品の安全性・有効性情報
感染予防によいと話題になっている食品・素材について
https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/detail.php?no=2142

〇新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。https://www.caa.go.jp/notice/entry/020418/

消費者庁は、公表資料において、医薬基盤・健康・栄養研究所による食品・素材の新型コロナウイルス感染症に対する予防効果に関する調査結果を参考資料として示しています。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。