消費者庁 健康食品広告ネット監視99事業者(101商品)の表示に改善要請(消費者庁: 2021年1月~2021年3月)

2009年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
2021年1月~2021年3月の結果が2021年4月27日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。

今回の監視では99事業者(101商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。


—–
インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(2021年1月~3月)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/assets/representation_cms214_210427_01.pdf
——-

気になる検索キーワードを確認しましょう。


●注目検索キーワードは「ウィルス」、「免疫力」、「コロナ太り」
今回(2021年1月~2021年3月)の検索キーワードは、以下の3テーマとなっています。

・「ウィルス」、「花粉症」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現

・「免疫力」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現

・「コロナ太り」対策等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現   等

商品区分別では、「いわゆる健康食品」が51商品、「加工食品」が34商品、「飲料等」が14商品、「生鮮食品」が2商品でした。

【今回、適正化を要請された表示例(一部)】

今回のネット監視の検索キーワードでは、「ウィルス」に加えて「花粉症」といった季節性のワードが入っています。
「免疫力」は2020年度の4回の監視のすべてで取り上げられています。
また、新たなキーワードに「ダイエット」に代わって「コロナ太り」が登場しました。

「免疫力」に関しては、3月9日に消費者庁からマクロフューチャー(株)に対し、販売するサプリメントの含有成分(LPS)が免疫細胞のマクロファージを活性化し免疫力が高まり、疾病の治療又は予防の効果が得られるかのように示す表示について、景表法の措置命令が出ています。

「免疫力」に関しては、3月9日に消費者庁からマクロフューチャー(株)に対し、販売するサプリメントの含有成分(LPS)が免疫細胞のマクロファージを活性化し免疫力が高まり、疾病の治療又は予防の効果が得られるかのように示す表示について、景表法の措置命令が出ています。

・LPSサプリ、免疫力アップでウィルス対策。マクロフューチャーに景表法措置命令。同梱チラシも注意 (消費者庁 2021年3月9日)

令和3年度の消費者庁の予算概算要求では、AI・IT 技術を活用した法執行として、AI によるインターネット上の不当表示監視事業が新しく盛り込まれました。
これまでのネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというものですが、今後、AIの活用によって更に効率化・迅速化が図られ、監視が強まることは必至です。

虚偽・誇大広告規制の判断基準とされているガイドライン「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和2年4月1日一部改正 消費者庁)をしっかりチェックしておきましょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(令和2年4月1日一部改正 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/pdf/extravagant_advertisement_200331_0001.pdf

また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。

健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)

健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
2020年10月~12月
2020年7月~9月
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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。