昨年の暮れから、「定期購入」契約に関する特定商取引法違反処分が相次いでいます。
12月10日に(株)財宝の健康食品の電話勧誘販売に対する指示処分を皮切りに、26日には化粧品・健康食品通販会社(株)TOLUTOと(株)アクアの処分が立て続けに出されました。
・定期購入契約のアウトバウンド営業に注意!健康食品販売の(株)財宝に特商法で指示
(消費者庁 2019年12月10日)
・ネット通販定期購入の表示に特商法での処分 (株)TOLUTOと前代表取締役等に業務停止命令(2019年12月26日)
・(株)アクア ネット通販定期購入の最終申込ボタン表示に特商法で指示処分(2019年12月26日)
また、消費者庁では同時に、消費者向けに注意喚起チラシ「これって1回限りじゃないの?」も公表して、注意を呼び掛けています。
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注意喚起チラシ「これって1回限りじゃないの!?」の公表について
(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_191226_03.pdf
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2019年11月末時点での消費者相談件数が、前年度同期比約230%と激増していることから、12月19日に国民生活センターが3度目の注意喚起を行っていたところでの処分でした。
・国セン3度目の注意喚起。監視強化必至の通販定期購入の注意点とは
とりわけTOLUTOに関しては、2019年9月6日に、前称号(株)e.Cycleで販売していたダイエットサプリ「ケトジェンヌ」に対して、消費者庁から消費者安全法に基づく身体被害の公表を受けており、それを契機として10月16日付で「株式会社TOLUTO」に社名と代表取締役社長を変更していました。
・ダイエットサプリ「ケトジェンヌ」の健康被害と企業対応
・代表取締役の異動及び社名変更に関するお知らせ
(ERUFLE 2019年10月17日)
http://erufle.jp/archives/news/corporate
今回の特商法での処分においては、TOLUTOの前代表取締役に対しても同社の業務停止の範囲内の業務を新たに開始することを禁じる処分が下っています。
化粧品や健康食品での定期購入トラブルでは、契約上の問題だけでなく健康被害トラブルもセットになっているケースも見られ、問題を深刻化させています。
12月25日の伊藤消費者庁長官記者会見では、定期購入トラブルに対して、法執行と、消費者への注意喚起、抜本的には制度的な取組についても検討していくとコメントしています。
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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(消費者庁 2019年12月25日)
https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/018509.html
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《関連記事》
・特商法改正後も増加する定期購入契約トラブル。景表法規制も
・急増するまつ毛美容液による危害。医薬部外品、効能等表示に注意!
(国民生活センター調査 2019年8月)
・通販で定期購入契約を行う際の広告に、販売条件の明記が義務付けに(特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(平成29年6月30日公布))
・通販の定期購入契約、購入手続き画面表示の具体例を解説(特定商取引に関する法律施行規則改正(平成29年12月1日施行))
・消費者保護の更なる強化。特商法・消契法の改正案閣議決定(平成28年3月4日)
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