特別用途食品、プエラリア健康食品の監視指導が重点に。年末一斉、食品表示の取締り。(消費者庁)

年末恒例の全国一斉食品表示の取締りにおいて、特別用途食品、プエラリア健康食品の監視指導に重点が置かれています。

食品の表示・広告の適正化を図るため、12月1日より、消費者庁は農林水産省、財務省並びに都道府県・保健所等と連携し、食品表示法、景品表示法及び健康増進法の規定に基づき、全国一斉に食品表示の取締りを行っています。

食品衛生の監視指導の強化が求められる年末、食中毒などの健康被害の発生を防止するため、食品衛生の監視指導を強化していましたが、この時期に合わせ、食品表示の信頼性を確保する観点から、衛生・保健事項に関する取り締まりの強化を行うものです。
この一斉取り締まりは、夏期(7月)と年末に継続実施されています。

平成29年度夏期一斉取締りの結果概要と、今回の監視指導における重点事項について確認します。

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食品表示の適正化に向けた取組について
(消費者庁 平成29年11月27日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pdf/food_labeling_information_171127_0001.pdf
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【平成29年度夏期一斉取締りの結果概要】
食品表示法の措置件数:
(食品衛生法、健康増進法、JAS法に規定されていた食品表示に関する規定を統合)
「命令」、「指示」ともに0件。「命令及び指示以外の措置」は2,181件。

監視指導施設数、違反件数等:
監視指導延べ施設数383,555。うち、表示違反が確認された延べ施設数2,586。
食品表示法「命令及び指示以外の措置」2,041件。食品衛生法「命令以外の措置」17件。

収去した食品等の検体数、違反件数等:
収去検体数17,301。 うち、表示違反検体数170。 食品表示法「命令及び指示以外の措置」140件。食品衛生法「命令以外の措置」0件。

【年末一斉取締りの実施について】
実施時期:平成29年12月1日から同月31日まで
主な監視指導事項:
• アレルゲン、期限表示等の衛生・保健事項に関する表示
• 保健機能食品を含めた健康食品に関する表示
• 生食用食肉、遺伝子組換え食品等に関する表示
• 道の駅や産地直売所、業務用加工食品に関する表示
• 食品表示基準に基づく表示方法の普及・啓発

今回の監視指導および啓発活動における重点事項は次の通りです。

(1) 特別用途食品の監視指導の徹底について
特別用途食品の許可を受けた製品基準等の適正な表示を確保する観点から、特別用途食品を製造又は販売する事業者の品質管理体制の整備及び記録管理に係る監視指導を徹底する。

別添 特別用途食品表示許可基準並びに特別用途食品の取扱い及び指導要領
(最終改正 平成29年10月30日 消食表第529号)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_171030_0001.pdf

最近の問題として、消費者庁が昨年10月に事業者に依頼した保健機能食品の品質管理調査の結果、特別用途食品としての表示許可基準を満たさない場合があることが判明。
今年10月、キッセイ薬品工業(株)に対し、特別用途食品「げんたそうめん」「げんたうどん」に関する表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行っています。

キッセイ薬品の特別用途食品に景表法措置命令 消費者庁の法執行動向
(消費者庁:平成29年10月19日)

また、今年8月、電解質組成を調整した清涼飲料水について、特別用途食品と誤認されるおそれのある表示についての健康増進法上の注意喚起を行っています。「経口補水液」との名称と共に、広告その他の表示において、「脱水時」、「熱中症対策」等と記載することにより、あたかも脱水症状を起こしている人を対象とした病者用食品であるかのように表示することについて、ナトリウム過剰摂取等による健康リスクが生じるおそれがあることを問題視しています。

●特別用途食品と誤認されるおそれのある表示について(経口補水液)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_170831_0001.pdf

(2)特定原材料に準ずるアレルゲンを含む食品に関する表示の啓発について

(3)プエラリア・ミリフィカを原材料に含む健康食品について
プエラリア・ミリフィカを原材料に含む健康食品を販売している事業者に対し、容器包装への表示等による製品の安全性に関する情報提供の実施状況について監視指導を実施する。

当該食品については、女性ホルモン(エストロゲン)様作用が原因と考えられる健康被害情報が多数報告されていることを踏まえ、プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」を製造・販売等する事業者は、製品の製造管理、消費者に対する情報提供及び健康被害情報の収集の改善を実施し、これらの改善が適切に実施されない事業者は、食品の安全性を確保し危害の発生を未然に防止する観点から、製品の取扱いを中止する等の対応をとることとされました。

●プエラリア健康食品の健康被害問題の課題と今後の対応
(厚労省 薬事・食品衛生審議会 2017年9月)

●「プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」の取扱いについて」
(平成29年9月22日付け薬生食基発 0922 第1号、薬生食監発 0922 第1号、消食表第457号厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課長・食品監視安全課長・消費者庁食品
表示企画課長連名通知)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/pdf/consumer_safety_other_170927_0001.pdf

●プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」を製造・販売する食品等事業者について(監視指導) (平成29年9月22日付け事務連絡)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000180221.pdf

●プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」の取扱いについて(Q&A)
(平成29年10月6日 事務連絡)
http://www.jhnfa.org/tokuhou282.pdf

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表示管理体制をしっかりと見直しましょう。

《関連記事》
・トクホの品質管理、カンピロバクター食中毒対策に注意!夏期一斉食品表示の取締り。(平成29年7月 消費者庁)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。