消費者庁は、5月24日、健康食品の電話勧誘販売を行っていた(株)アンチエイジングラボ(東京都渋谷区)に対し、特定商取引法違反行為の是正指示の行政処分を行いました。
違反の内容は、「氏名等の明示義務違反」「契約書面の交付義務違反」となっています。
同社は共済ニュース(株)や他の通販業者に電話勧誘を委託。各通信販売業者の顧客リスト先へ電話をかけさせ、「共済ニュースです」などと各通信販売事業者の社名を名乗らせて勧誘していました。
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特定商取引法違反の電話勧誘販売業者に対する指示処分について
(消費者庁 平成29年5月24日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/2017/pdf/release_170524_0001.pdf
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【取引概要】
健康食品(「アディポEX」、「ゴールドルテインEX」等)の電話勧誘販売
同社は共済ニュース(株)や他の通販業者に電話勧誘を委託。各通信販売業者の顧客リスト先へ電話をかけさせ、「共済ニュースです」などと各通信販売事業者の社名を名乗らせて、本件商品の売買契約を締結するという目的や、同社名を告げさせずに勧誘を行わせていた。
そして、消費者から商品の送付の承諾を得ると、消費者から断りの電話が無い限り商品が毎月届く売買契約を締結していた。
【違反行為】
(1)氏名等の明示義務違反(法第16条)
同社(実際には同社から委託を受けて電話勧誘を行う事業者)は、消費者宅に電話をかけ、その電話において「アディポEX」及び「ゴールドルテインEX」と称する健康食品の売買契約の締結について勧誘をするに際し、その勧誘に先立って、同社の名称及び当該電話が健康食品の売買契約の締結について勧誘をするためのものである旨を明らかにしていなかった。
(2)契約書面の記載不備(法第19条第1項)
同社は、本件商品の売買契約を締結した際に消費者に対して交付すべき当該売買契約の内容を明らかにする書面に、クーリング・オフに関する事項を記載せず、同書面を交付した。
報道では、全国の消費生活センターには、2014~16年度までの3年間で合計132件の消費者相談が寄せられていた、と報じています。
消費者庁、特商法違反でアンチエイジングラボに指示
(健康情報ニュース.com 2017年5月24日)
http://xn--zck9awe6d372qg1j87ki4d.com/290525_dm1248/
消費者庁は同社に対し、違反行為の是正と、違反行為の発生原因に関する検証結果を6月24日までに、また再発防止策などを7月24日までに消費者庁に報告するように指示しています。
上記指示に違反した者には、100 万円以下の罰金(72 条第3 号)、違反が法人の業務の場合には、行為者を罰するほか、その法人に対し100 万円以下の罰金(74 条第2 号)が課せられます。
指示においては、景品表示法措置命令のように違反内容を一般消費者に周知することは命じていません。
今回の処分について、同社のウェブサイト上などで説明やお詫びなどは確認できませんでした。
株式会社 アンチエイジングラボ
http://antiaginglabo.jp/
今回、処分の対象とはなっていませんが、電話勧誘を委託された通販業者においてもコンプライアンス意識が欠如していると考えられます。自社の大切な顧客をしっかりと守ってほしいと思います。
《参考記事》
・「注文した記憶のない商品の送り付け」健康食品の電話勧誘販売「(株)たんぽぽ」に特商法業務停止命令6か月及び指示(平成29年1月18日)
・健康食品の電話勧誘販売「げんきの杜」法人名を変えて違反行為。特商法業務停止命令6か月及び指示(平成28年3月29日)
・消費者保護の更なる強化。特商法・消契法の改正案閣議決定(平成28年3月4日)
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