返金計画示されず トクホ取消の日本サプリメントに景表法課徴金納付命(消費者庁:平成29年6月7日)

6月7日、消費者庁は日本サプリメント(株)に対し、同社が供給する「ペプチドエースつぶタイプ」「豆鼓エキスつぶタイプ」と称する特定保健用食品に関する表示に関する表示について、景品表示法に基づく課徴金納付命令を行いました。

ご存じのように、同商品シリーズは昨年9月、特定保健用食品として許可申請した関与成分が含有されておらず、許可要件を満たしていなかったとして、トクホ制度初の許可取り消しとなったものです。
更に、2月14日に景表法違反としても(優良誤認) の措置命令を受けました。

本件の課徴金は5,471万円となっています。

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日本サプリメント株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
(消費者庁 平成29年6月7日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170607_0001.pdf
別添1(ペプチドエースつぶタイプ)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170607_0002.pdf
別添2(豆鼓エキスつぶタイプ)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170607_0003.pdf
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課徴金納付命令の概要

対象商品:
1)「ペプチドエースつぶタイプ」と称する錠剤状180粒入りの食品
2)「豆鼓エキスつぶタイプ」と称する錠剤状180粒入りの食

課徴金対象行為:
a 表示媒体
容器包装、新聞、テレビ及びウェブサイト

b 主な表示内容
あたかも、対象商品が特定保健用食品として消費者庁長官の許可の要件を満たしたものであるかのように示す表示をしていた。
実際には、各商品は、それぞれ、遅くとも平成23年8月以降、品質管理として、包装後の製品における関与成分についての試験検査が行われておらず、また、平成26年9月に、関与成分の特定ができないことが判明しており、健康増進法第26条第1項の規定に基づく特定保健用食品の許可等の要件を満たしていないものであった。

課徴金対象期間:
1)平成28年4月1日から同年9月17日まで
2)同上

平成28年9月17日に誤認解消措置をとっていると認定される。
課徴金対象行為をやめた日(4月1日)以降、誤認解消措置をとった日(9月17日)までの間に取引をしていない。

課徴金対象期間に取引をした本件商品の売上額:
1)10億2438万4033円
2)7億9945万1528円

課徴金負荷の対象外と認められる「相当の注意」について:
・日本サプリメントは、本件商品について、遅くとも平成23年8月以降、品質管理として、包装後の製品における関与成分についての試験検査が行われておらず、また、平成26年9月に、関与成分の特定ができないことが判明していた。
・同社は、かかる状況にもかかわらず、課徴金対象行為をしていたことから、当該行為をした期間を通じて対象表示が違反表示に該当することを知らず、かつ、知らないことにつき「相当の注意を怠った者でない」とは認められない。

課徴金の額:

同社は、平成30年1月9日までに、本件各商品の売上額に、それぞれ、3%を乗じて得た額(1万円未満の端数を切り捨て)を支払わなければならない。
1)3073万円
2)2398万円

日本サプリメントは、トクホ許可取り消し処分を受けた際の、平成28年9月17日に掲載した「お詫びとお知らせ」から、措置命令及び課徴金納付命令を受けた時点で内容を更新していません。

【お客様への大切なお知らせ】
http://nippon-sapuri.com/
(日本サプリメント オンラインショップ 2016年9月17日)
ペプチドシリーズについてのお詫びとお知らせ
http://nippon-sapuri.com/news/20160917_p.html
豆鼓シリーズについてのお詫びとお知らせ
http://nippon-sapuri.com/news/20160917_t.html

消費者庁に認定された返金計画により、事業者が消費者への自主返金を行えば課徴金は減免されます。
謝罪文では希望者への返品対応を受け付けているものの、本件に関する返金措置は公表されておらず、課徴金は減免されないこととなります。
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認定された返金措置一覧(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/authorization_list/
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≪参考記事≫
・トクホ取消の日本サプリメントに景表法措置命令 強まる景表法の取組(消費者庁:平成29年2月14日)
・日本サプリメント トクホ初の許可取り消しと、規制強化の動向
・景表法課徴金は対象売上高の3%、課徴金賦課の対象外となるケースは?(消費者庁 平成24年8月26日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。