見たことのあるSNS広告、「大幅値下げをうたうセール広告」が最多。違法広告に注意(令和3年度 消費者意識基本調査)

近年、これまで事実上放置されてきたSNS上の広告の違法な広告表現が、問題視されるようになってきたことを感じます。
昨年11月には、インスタグラムを違反対象とした初の景品表示法措置命令が出されました。
・アフィリエイトに加えてインスタ投稿が違反対象表示に。アクガレージとアシストの豊胸サプリに景表法措置命令(消費者庁 2021年11月9日)

消費者庁では、令和3年度の「消費者意識基本調査」において、消費者のSNSに関する意識や利用方法、SNS広告の確認状況などを調査項目に盛り込んでいます。
本調査は、消費者庁が消費者問題の現状や求められる政策ニーズを把握し、消費者政策の企画立案にいかすことを目的に、平成24年度よりを実施しているものです。
調査結果では、消費者のおよそ7割がSNSを利用しており、年代別では、若年層の9割以上が、60歳代でも過半数が、70 歳代でも5人に1人が SNS を利用している状況でした。

調査より、消費者の商品購入における意識やSNS利用に関する項目をピックアップしてご紹介します。

  • 商品やサービスの購入を検討する際の情報源、重視しているもの
  • 商品やサービスを購入する際に重視していること
  • SNSの1日の利用時間
  • SNS上の広告で見たことがあるもの、リンク先を確認したことがあるもの

購入検討時に「SNS での口コミ・評価」で情報を得ている人は3割、重視している人は2割

商品やサービスの購入を検討する際に情報を得ているものは、「店頭・店員」の割合が63.2%、次いで「テレビ・ラジオの番組・広告」(62.7%)、「新聞・雑誌等の記事・広告」(50.2%)の順となっている。

情報を得ているもののうち重視しているものは、「店頭・店員」の割合が最高の38.3%で突出している。2位以下は、「新聞・雑誌等の記事・広告」(21.9%)、「友人・知人(インターネット上でしか知らない人を除く。)」(21.8%)。僅差で「公式サイト」(21.1%)「テレビ・ラジオの番組・広告」(20.4%)、SNS での口コミ・評価」(20.3%)と続く。(複数回答)

「SNS での口コミ・評価」で情報を得ている人は31.1%で、重視している人は20.3%。
「SNS上の広告」で情報を得ている人は17.7%で、重視している人は3.5%。

購入時に重視するのは「品質」、「価格」、「コスパ」

商品やサービスを購入する際に重視していることでは、「重視している(『とても重視している』+『ある程度重視している』)」の割合が高い順にみると、「品質・性能の良さ」が最も高く95.3%、次いで「価格の安さ」(84.1%)、「コストパフォーマンス(費用対効果)」(73.4%)、「見た目・デザイン」(73.0%)の順。
なお、「口コミや評価」を重視しているのは56.4%

一方、「重視していない(『あまり重視していない』+『ほとんど・全く重視していない』)」の割合が高い順にみると、「周りの人と違う/個性的であること」が49.9%と最も高く、次いで「流行や話題性」(44.5%)、「有名ブランド・メーカーであること」(31.8%)の順。

消費者のおよそ7割がSNSを利用、若年層は9割

SNSの1日の利用時間について、「利用している(『3時間以上』+『1時間~3時間未満』+『10分~1時間未満』+『10分未満』+『毎日ではないが、時々利用している』)」の割合は67.8%。一方、「利用していない」の割合は30.3%。

年齢層別では、「利用している」の割合は「20~29歳」(96.7%)、「15~19歳」(95.0%)で、若年層の9割以上が SNS を利用している。さらに、約4割が1日に3時間以上利用しており、利用比率、利用時間とも高い水準にある。一方、60 歳代でも55.8%が、70歳代でも28.6%がSNS を利用している。

見たことのあるSNS広告、「大幅値下げをうたうセール広告」が最多

SNSを利用している人にSNS上の広告で見たことがあるものを聞いたところ、「商品の大幅値下げをうたうセール広告」の割合が62.4%と最も高く、次いで「「痩せる」等、効き目を強調する広告」(59.3%)、「ブランド品や正規品をうたう広告」(55.9%)、「最初は格安だが定期購入が必要な商品の広告」(53.2%)の順となっている。(複数回答)

また、SNS上の広告のリンク先を確認したことがあるものについては、「商品の大幅値下げをうたうセール広告」の割合が23.4%と最も高く、次いで「最初は格安だが定期購入が必要な商品の広告」(20.4%)、「ブランド品や正規品をうたう広告」(18.2%)の順となっている。(複数回答)

消費者の約7割がSNSを利用する中、SNS上の情報は多くの消費者に接点があると言えます。商品購入検討において「SNS上の広告」で情報を得ている人は18%、「SNSでの口コミ」情報を得ている人は31%と、必ずしもメインの情報源ではありませんが、「SNS上の広告」には景品表示法の有利誤認や優良誤認、定期購入の特定商取引法違反のおそれのある表示が多く確認されているようです。

今後、行政の監視が厳しくなっていくことが予測されます。

(※)
消費者意識基本調査(消費者庁 令和3年度実施)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/

調 査 項 目
(1)「生活全般や消費生活における意識や行動」について
(2)「SNS の利用」について
(3)「SDGs やエシカル消費に関する意識や取組」について
(4)「消費者事故・トラブル」について
(5)「消費生活相談の窓口」について
(6)「消費者契約」について

調査対象
 母集団:全国の満 15 歳以上の日本国籍を有する者
 標本数:10,000 人
 地点数:400 地点(374 市区町村)
 抽出法:層化2段無作為抽出法
調査時期  令和3年11月8日~11月23日
調査方法  郵送配布、郵送回収(WEB 回答併用)
有効回収数(率):5,493 人(54.9%)

≪関連記事≫

・消費者被害を受けた販売形態の5割がネット通販。「相談・申出」先、36%が「販売店、代理店等」(令和2年度 消費者意識基本調査)

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・8割の消費者が表示確認を心掛け、約6割が「偽装・誇大表示」に高い関心(平成30年度 消費者意識基本調査)

・「クーリング・オフ制度」の認知度9割。「特定適格消費者団体」の認知度は13%(平成28年度 消費者意識基本調査)

・消費生活の心がけ「表示や説明の確認」74%、「個人情報管理」57%。約9割が個人情報漏えい不安 (平成25年度 消費者意識基本調査)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。