端緒把握から措置命令までに要する期間は約1年もかかっている
消費者庁が平成28年度以降の事件処理の平均的な期間について計算したところ、以下のようになっていました。
端緒把握から措置命令までの平均処理日数:322日
端緒把握から措置命令を受けた事業者が社告を行うまでの平均日数:374日、
端緒把握から課徴金調査終結までの平均処理日数:579日
(うち、課徴金納付命令を行った事案の平均処理日数:714日、課徴金納付命令が行われなかった事案の平均処理日数:490日)
背景にはネット表示の事件調査の複雑さ
端緒把握から措置命令までに約1年程度も要する背景には、どのような状況があるのでしょうか。
その背景には、近年、措置命令事案(表示事案)のうち、インターネット上の表示を含むものの割合が高まっていることが考えられます。その割合は、平成28年から過去5年間平均で75.6%を占めています。
そして、インターネット上の表示(デジタル表示)は、証拠の特定・保全等のための調査について、紙媒体の広告表示と比較して、以下の理由から、より手間のかかるものとなっています。
- 頻繁に更新されることが多い
- 特定のキーワード検索結果やクッキー情報から推測されるユーザーの属性などに対応し、随時差し替わる広告がある
- 違反事業者の自社ウェブサイトだけでなく、リンクの遷移先の不当表示調査を要するものも多い
このように、手間暇のかかる事件処理について、措置命令の権限委任を受けた都道府県等はどのような課題を抱え、運用に向けて取り組んでいるのでしょうか。
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