食品表示法が2015年4月1日に施行され、加工食品、添加物、生鮮食品、全ての表示について、経過措置期間(基準の施行後、新ルールに基づく表示への移行のための猶予期間)が2020年3月31日までに終了し、移行完了となっています。
毎年6月と12月の半期ごとに公表されている、食品表示法の食品表示基準による国(消費者庁、国税庁及び農林水産省による)の指導件数(※)について、令和2年度の指導件数は、147件でした。
上半期(2020年4月~2020年9月)は51件、下半期(2020年10月~2021年3月)は96件で、前年度同期比で上半期は32件減少、下半期は10件増加、年間で22件減少しています。
注:食品表示法では、次に掲げる項目全てに該当する場合は、業者名・違反事実等の公表はせず「指導」に留めています。
1)食品表示基準違反が常習性がなく、過失による一時的なものであること。
2)違反事業者が直ちに表示の是正(表示の修正・商品の撤去)を行っていること。
3)事実と異なる表示があった旨を、社告、ウェブサイトの掲示、店舗等内の告知等の方法を的確に選択し、速やかに情報提供しているなどの改善方策を講じていること。
(※)
令和2年度上半期食品表示法の食品表示基準に係る指導の件数等について
(2020年12月 消費者庁、国税庁及び農林水産省)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/assets/representation_cms214_201218_02.pdf
令和2年度下半期食品表示法の食品表示基準に係る指導の件数等について
(2021年7月 消費者庁、国税庁及び農林水産省)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/assets/representation_cms214_210716_02.pdf
また令和2年度は、消費者庁が農林水産省、財務省並びに都道府県・保健所等と連携して全国一斉に行っている食品表示の取締りの結果公表はありませんでした。
●令和2年度の「指導」は147件、うち、生鮮食品68件、加工食品96件
前年比で22件減少、生鮮食品7件減少、加工食品7件減少している。
●生鮮食品では「原産地の誤表示・欠落」が上半期73.1%、下半期85.0%。加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が上半期50.0%、下半期46.8%
令和2年度における指導の分類(上半期、下半期)
更に詳しい品目別の違反内容の内訳は以下の表のとおりです。
注:一つの指導の中で複数の品目区分の食品が対象となった事例では、品目区分ごとに主な違反区分を整理しており、その合計は指導件数と一致しない
国内で製造又は加工された全ての加工食品(輸入品以外の全ての加工食品)に、原材料の原産地を表示するよう義務づける食品表示基準の改正が、2017年9月に施行され、2022年4月に完全施行となる予定です。
2020年度の指導96件のうち、「原料原産地の誤表示・欠落」は19.8%程度となっています。
・新たな加工食品の原料原産地表示制度に関する情報(消費者庁)https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/
なお、容器包装に表示する原材料名や原料原産地名、栄養成分量、米の産地情報については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、食品原材料の調達の滞りが懸念されるとして、食品表示基準及び米トレーサビリティ法などの弾力運用が2020年4月10日に通知されていましたが、2021年12月31日付で廃止となりましたので、注意が必要です。
(消費者庁:2020年4月10日)
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用についてhttps://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms214_200410_1.pdf
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた米トレーサビリティ法の弾力的運用についてhttps://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms214_200410_02.pdf
(消費者庁:2 021年10月26日)
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用の終了についてhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/assets/representasion_cms214_211026_01.pdf
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた米トレ―サビリティ法の弾力的運用の終了についてhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/assets/representation_cms214_211026_02.pdf
表示管理体制をしっかりと見直しましょう。
また、食品表示基準に関する通知やQ&Aも随時改正されていますのでチェックしておきましょう。
・食品表示基準に係る通知・Q&Aについて
http://www.caa.go.jp/foods/index18.html#m01-17
≪参考記事≫
食品表示法の食品表示基準に係る国による指導状況
・令和元年度食品表示法違反「指導」件数は169件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が57.3%
・平成30年度食品表示法違反「指導件数」は218件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が60%
・平成29年度下半期食品表示法違反「指導件数」は124件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が51.3%
・平成28年度上半期食品表示法違反「指導件数」は135件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が53.2%
・H27下半期食品表示法「指導件数」164件 加工食品では「原材料名の誤表示・欠落」が48.9%
・新制度施行後初。H27上半期食品表示法指導状況
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