食品の表示・広告の適正化を図るため、7月1日より、消費者庁は農林水産省、財務省並びに都道府県・保健所等と連携し、食品表示法、景品表示法及び健康増進法の規定に基づき、全国一斉に食品表示の取締りを行います。
食中毒などの健康被害の発生を防止するため、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期において、この時期に合わせ、食品等の表示の信頼性を確保する観点から、食品表示の衛生・保健事項に関する取り締まりの強化を行うものです。
平成30年度夏期・年末(総括)一斉取締りの結果概要と、今回の監視指導における重点事項について確認します。
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食品表示の適正化に向けた取組について
(消費者庁 2019年6月25日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pdf/food_labeling_information_190625_0003.pdf
平30年度夏期・年末(総括)一斉取締り結果(平成30年度)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pdf/food_labeling_information_190625_0001.pdf
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【夏期一斉取締りの実施について】
実施時期:2019年7月1日から同月 31 日まで
主な監視指導事項:
●アレルゲン、期限表示等の衛生・保健事項に関する表示
●保健機能食品を含めた健康食品に関する表示
●生食用食肉、遺伝子組換え食品等に関する表示
●道の駅や産地直売所、業務用加工食品の表示
●食品表示基準に基づく表示方法の普及・啓発
昨年度の年末一斉取り締まりの監視指導事項を、概ね引き継いだ内容となっています。
表示の適正化等に向けた重点的な取組については、今回新たに、痩身効果を標ぼうするいわゆるダイエット健康食品に関する注意喚起が盛り込まれています。
今回の監視指導における重点事項について確認します。
1. カンピロバクター食中毒対策の推進
日本で発生している細菌性食中毒の中で、カンピロバクター食中毒の発生件数が最も多いこと、平成30年5月8日に、内閣府食品安全委員会が公表した「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~鶏肉等における Campylobacterjejuni/coli~」において、加熱の必要性を伝えることの重要性等が示されていることなどに鑑み、引き続き、カンピロバクター食中毒の予防対策について、加熱用の鶏肉等が生食又は加熱不十分で提供されることのないよう、食品関係事業者に周知啓発を図る。
2. 食中毒等の健康被害発生時の連携
食中毒等の健康被害に関連し、原産地表示等の食品表示法の規定により遡って確認が生じた場合には、被害拡大及び再発防止の観点から調査を実施する。
3. ダイエット健康食品の注意喚起
ダイエット健康食品についてはインターネット等の各種広告媒体において多く見受けられること、及び公的機関の公表した健康被害情報において、ダイエット健康食品の摂取による健康被害情報が最も多いとする国立健康・栄養研究所の報告 ※に鑑み、一般消費者がダイエット健康食品を安易に使用することのないよう、一般消費者への注意喚起を促す。
4. 新基準への移行
食品表示の旧基準に基づく表示が認められる猶予期間が、令和2年3月31日までであることから、新基準への移行を積極的に促すとともに、新たに義務化された栄養成分表示について、食品関連事業者等への周知啓発を図る。
5. 食品リコール(自主回収)の届出制度の創設
食品表示法第6条第8項の内閣府令で定める、食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項について、食品表示基準に従った表示がされていない食品を販売した場合に、その食品を回収するときは、遅滞なく、回収に着手した旨及び回収の状況についての内閣総理大臣への届け出を義務づける食品リコール(自主回収)の届出制度が、2021年6月までに施行されることを踏まえ、事業者及び一般消費者の双方に対して当該制度の普及啓発を図る。
※
国立健康・栄養研究所が、2010年1月から2018年12月までの健康被害情報において、ダイエット健康食品を摂取することによる被害情報が最も多いと報告。
日本国内の公的機関から出された注意喚起情報569件のうち健康被害の情報は24件。この24件の被害事例のうち、22件が痩せるための目的で無承認無許可医薬品の利用によるものとなっている。
無承認無許可医薬品は、国内での流通が禁じられ、厳正な取り締まりが行われていることから、88%が海外などからインターネットを利用して入手(個人輸入)されたもの。
国内では、痩せる効果を宣伝した「ホスピタルダイエット」などと称する製品の利用での健康被害の発生について、厚生労働省が注意喚起を行っている。
国内外で注意喚起された健康食品による健康被害の特徴(国立健康・栄養研究所)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3970.html
ダイエット目的で利用されるホスピタルダイエット等について
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3898.html
【平成30年度夏期・年末(総括)一斉取締りの結果概要】
《食品表示法の措置件数》
夏期:
「命令」「指示」ともに0件。「命令及び指示以外の措置」2,290件。
年末:
「命令」「指示」ともに0件。「命令及び指示以外の措置」2,017件。
《監視指導施設数、違反件数等》
夏期:
監視指導延べ施設数386,939。うち、表示違反施設数2,481。
食品表示法「命令及び指示以外の措置」2,083件。食品衛生法「命令以外の措置」108件。
年末:
監視指導延べ施設数268,893。うち、表示違反施設数2,151。
食品表示法「命令及び指示以外の措置」1,815件。食品衛生法「命令以外の措置」1件。
《収去した食品等の検体数、違反件数等》
夏期:
収去検体数16,877。 うち、違反検体数249。
表示違反措置、食品表示法「命令及び指示以外の措置」207件。
年末:
収去検体数10,538。 うち、違反検体数224。
表示違反措置、食品表示法「命令及び指示以外の措置」202件。
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食品表示法:
食品衛生法、健康増進法、JAS法に規定されていた食品表示に関する規定を統合し、平成27年4月から施行。
命令 :
食品表示法第6条第1項の指示を、正当な理由なく履行しない事業者に対する行政処分(食品表示法第6条第5項)、「食品表示法に基づく命令等の指針」に照らし、食品の回収又は営業停止等を行う行政処分(食品表示法第6条第8項)
指示 :
「食品表示法に基づく指示及び指導並びに公表の指針」に照らし、指導に該当しない場合に行う行政指導(食品表示法第6条第1項)
収去 :
食品衛生監視員が食品を分析に供するために、法令に基づき無償で持ち去る行為
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表示管理体制をしっかりと見直しましょう。
《関連記事》
・夏期一斉食品表示の取締り。消費者へのダイエット健康食品に関する注意喚起(2019年7月 消費者庁)
・夏期一斉食品表示の取締り。原料原産地表示、カンピロバクター食中毒対策に注意!
(平成30年7月 消費者庁)
・特別用途食品、プエラリア健康食品の監視指導が重点に。年末一斉、食品表示の取締り(平成29年12月 消費者庁)
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