通販、連鎖販売取引に多い健康食品の不適正取引。平成27年度の東京都による不適正取引の行政指導・処分

東京都では、不適正取引による消費者被害の拡大防止を図るため、消費生活センター等からの通知又は職権探知により、特定商取引法及び東京都消費生活条例に基づき、不適正取引を行っている疑いのある事業者に対し調査を行っています。
不適正取引と認めた場合には、行政指導又は行政処分(事業者名公表)を行います。

この取引指導事業は昭和63年度から実施されており、悪質事業者の取締り強化として、不適正取引に対する立入調査等の体制を強化し、業務の停止など厳格な処分を行い、警視庁の摘発にも協力しながら、悪質事業者を排除していくものです。

平成27年度の事業者指導及び処分の概要と主な事例についてご紹介します。(※1)

【事業者の行政指導等の結果(件数)】

平成27年度は、行政指導を101件、行政処分・勧告等を14件実施しました。
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【取引類型別の概要と主な不適正行為】
取引類型別で見ると、「訪問販売」が43件で最多、次いで「通信販売」22件、「特定継続的役務提供」18件、「訪問購入」8件、「連鎖販売取引」5件、「電話勧誘販売」「業務提供誘引販売取引」3件となった。
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(*)連鎖販売取引:商品を買って販売組織に参加した会員が、同じように友人・知人を組織に加入させ、新たに会員になった人がさらに新しい会員を加入させ組織を拡大していく取引。マルチ商法、ネットワークビジネスともいう。
(**)業務提供誘引販売取引:仕事をあっせんすると誘い、あっせんする仕事のための商品やサービスを販売する取引。
(***)特定継続的役務提供:エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスで、一定期間を超えて、一定金額以上の金額を支払うサービスの提供。

【不適正行為事例】
訪問販売:
住宅リフォーム、排水管工事、金地金、家庭電気治療器、布団、浄水器等について、訪問時に販売目的を告げない、強引な勧誘、健康に悪いなど虚偽の説明をするケース。
(事例)
・浄水器の販売で、「水道水は体に悪い」と嘘を言って、高齢者に浄水器の販売を行っていた事業者に業務停止命令(3ヶ月)
・「給湯器のメンテナンス方法について説明に参りました。」等と告げて新築マンションを訪問し、浄水器の販売をしていた事業者に業務停止命令(12ヶ月)
・汚水桝・排水管の清掃、交換工事等、「点検です。」等と言って訪問し、汚水桝・排水管の交換工事等を勧誘していた事業者に業務停止命令(3ヶ月)
・「学校の先生しか持つことができない教材」などと不実を告げて高額な学習教材を販売していた事業者に対して業務停止命令(6ヶ月)
・「誰でも儲かります」と不実を告げ、高齢者に金地金の販売を行っていた事業者に対して業務停止命令(12ヶ月)
・短期間で利益を得ることが確実であるかのように勧誘していた金地金の販売業者に業務停止命令(3ヶ月)
・海外のブックメーカーを利用した投資講座の役務提供で、偽造した給与明細を提供して若者に消費者金融で借り入れさせ、投資講座を契約させていた3事業者に業務停止命令(3ヶ月)
・「水漏れしている。」などとうそを告げて契約させていた住宅リフォーム事業者に業務停止命令(3ヶ月)

通信販売:
健康食品等のネット広告で返品方法などの必要な記載が不足しているケース。

特定継続的役務提供:
エステ、結婚相手紹介サービス等のしつこい勧誘。

連鎖販売取引:
健康食品、ビジネスセミナー等の強引な勧誘、すぐに儲かるなどの虚偽の説明をするケース。
(事例)
大学生に多数の被害を発生させた連鎖販売業者(マイタケ健康食品販売)に業務停止命令(9ヶ月)

電話勧誘販売:
海産物等の強引な勧誘、虚偽の説明をするケース。
(事例)
消費者に電話をかけ、以前に当該業者から商品を購入した顧客でないにも関わらず、「以前お買い上げいただきありがとうございました。今回も特ランクの商品を代引きで送りたい。」等とウソを告げて勧誘を行う。

業務提供誘引販売取引:
イベントチケット販売等ですぐに元がとれるなどの虚偽の説明をするケース。

(※1)
平成27年度 不適正取引に係る事業者指導等の概要(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/f_tori/27shidou-161128.html

特定商取引法及び東京都消費生活条例に基づく事業者処分情報
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/shobun/

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。