アイリスプラザとダイユーエイト、Qoo10店舗の100商品超の原産国表示に景表法措置命令。問われるEC事業者の表示管理責任(消費者庁 2025年11月5日)

ECモールでの商品の原産国表示に景品表示法による処分です。
2025年11月5日、消費者庁は、株式会社アイリスプラザと株式会社ダイユーエイトの2社が「Qoo10」への出店店舗において販売した商品の原産国表示について、景品表示法第5条第3号(商品の原産国に関する不当な表示)に基づく措置命令を行いました。
今回の措置命令は、消費者庁と公正取引委員会事務総局東北事務所との共同調査による事案です。

外国産の商品を「国内」と表示していたもので、アイリスプラザは防災用品・家電等101商品、ダイユーエイトはペット用品・衛生用品等113商品にわたります。
商品の原産国に関する大量誤表示は、過去にもビックカメラ(2021年、202商品)、高島屋(2019年、147商品)で措置命令が出されており、繰り返される課題といえます。

本記事では措置命令の概要を解説、続く会員限定記事では、過去の措置命令事案から「商品の原産国に関する不当な表示」の違反パターンを整理し、EC事業者が表示管理において留意すべき実務上のポイント、さらに不当表示が発生したときの事後対応を解説します。

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株式会社アイリスプラザ及び株式会社ダイユーエイトに対する
景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2025年11月5日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/044025
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「商品の原産国に関する不当な表示」とは
景品表示法第5条第3号は、内閣総理大臣が指定する不当な表示を規制するものです。「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年公正取引委員会告示第34号)は、この3号指定告示のひとつで、商品の原産国に関する消費者の誤認を招く表示を禁止しています。
なお、同告示違反は景表法5条3号に基づくものであるため、課徴金納付命令の対象外となります(課徴金は1号・2号違反に限定)。


違反内容

【対象事業者・業務内容】
株式会社アイリスプラザ(宮城県仙台市) 日用品等の通信販売
株式会社ダイユーエイト(福島県福島市) 日用品等の通信販売

【対象商品・表示媒体】
(株)アイリスプラザ
「Qoo10」内「アイリスオーヤマ公式通販サイト アイリスプラザ Qoo10店」 防災用品・家電等101商品
(株)ダイユーエイト
「Qoo10」内「ダイユーエイト.COM」 ペット用品・衛生用品等113商品

【表示期間】
「アイリスオーヤマ公式通販サイト アイリスプラザ Qoo10店」2024年10月29日〜2025年5月2日
「ダイユーエイト.COM」2024年11月5日〜2025年5月8日

【違反内容】
対象商品の原産国(地)の表示として「国内」と表示することにより、日本が原産国であるかのように示す表示をしていた。実際は表示と異なる原産国(地)で生産されたものであった。
(株)アイリスプラザ:中国・台湾・ベトナム・メキシコ等
(株)ダイユーエイト:中国・ベトナム・フランス・ドイツ等

【表示例】(株)アイリスプラザ
商品名:ペットキャリー 2WAYアウトドアペットキャリー ブラック PC-S004 L BK メガ割
表示期間:2025年2月27日〜同年5月2日
表示内容:国内
実際の原産国(地):中華人民共和国
「Qoo10」内「アイリスオーヤマ公式通販サイト アイリスプラザ Qoo10店」の商品ページ

【表示例】(株)ダイユーエイト
商品名:CBジャパン やわらかコルクマット 8枚組 防音 衝撃吸収 床面保護 子供 ペット ジョイントマット
表示期間:2025年4月1日〜同年5月7日
表示内容:国内
実際の原産国(地):中華人民共和国
「Qoo10」内「ダイユーエイト.COM」の商品ページ

(消費者庁公表資料より引用)

報道によれば、誤表示が発生した経緯について、以下のように報じられています。
アイリスプラザは2021年7月のQoo10のシステム仕様変更(原産国欄を空欄にすると自動的に「国内」と表記される)に対応しないまま商品登録を続けた結果、誤表示が発生した。
ダイユーエイトは2022年頃にQoo10から原産国表示に関する要望を受け、自社の一元管理システムで原産国を一律「国内」と設定した上で商品別に見直す管理に変更したが、確認が徹底されないまま誤表示が継続した。
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消費者庁がアイリスプラザを処分、外国製を「日本製」、仕様変更対応せず
(通販新聞 2025年11月13日)
https://www.tsuhanshimbun.com/products/detail/8138
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そこには、ECモールのシステム仕様変更への対応の遅れや、管理体制の不備などECビジネスならではの不当表示リスクが存在します。
EC事業者が扱う商品の点数は多く、複数モールへの出店、システム連携による自動登録、頻繁なモール仕様変更という環境下においては、場当たり的な管理は危険です。

会員限定記事では、過去の措置命令事案から「商品の原産国に関する不当な表示」の違反パターンを整理し、EC事業者が表示管理において留意すべき実務上のポイント、さらに不当表示が発生したときの事後対応を解説します。
この機会にぜひ、ご登録ください。(会員登録(無料)はこちらから)

≪参考記事≫

・1社当たり商品数過去最多 ビックカメラECサイトの177商品の原産国表示に景表法措置命令(消費者庁 2021年9月3日)

・1社当たり商品数過去最多 髙島屋オンラインストアの化粧品・雑貨147商品の原産国表示に景表法措置命令(消費者庁 2019年6月13日)

・ボーネルンド、輸入玩具「商品の原産国に関する不当な表示」に景表法措置命令
(消費者庁 平成29年6月23日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。