美容脱毛サービスのウェブサイト上の不適切な金額表示に、景品表示法の措置命令です。
実際にかかる施術費用よりも著しく安価に脱毛が完了すると消費者に誤認させるような表示が、有利誤認とみなされました。
消費者庁は3月3日に、福岡市の脱毛施術を提供するセブンエー美容(株)、(株)ダイシン、(株)エイチフォーの3社に対して処分を出していますが、所在地と代表の名字は3社とも同じものです。
消費者庁及び公正取引委員会事務総局九州事務所の調査による事案です。
処分のポイントを確認します。
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セブンエー美容株式会社、株式会社ダイシン及び株式会社エイチフォーに対する
景品表示法に基づく措置命令について (消費者庁 2022年3月3日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/027789/
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【違反内容】
対象役務:
全身のうち62部位を対象とする脱毛施術サービス
表示媒体・表示期間:
各社の自社ウェブサイト
セブンエー美容・ダイシン:全身脱毛サロン恋肌
2021年3月26日、4月27日、9月1日、10月16日、11月4日、
エイチフォー:全身脱毛サロンキレミカ
2021年3月26日、10月16日
表示内容:
セブンエー美容・ダイシン:
例えば、「顔・VIO含む全身脱毛62部位が月額1,409円」、「最短3カ月で脱毛完了」等と表示。
エイチフォー:
例えば、「顔・VIOもできちゃう♪」、「月額1,409円で」、「全身脱毛62部位が最短3ヶ月で脱毛完了」等と表示。
あたかも、本脱毛施術サービスが最短3か月で62部位の脱毛が完了するものであって、3か月で62部位の脱毛が完了した場合の総額は4,227円であるかのように表示していた。
実際:
3か月で62部位の脱毛が完了した場合であっても、本件役務の対価の総額は64,790円以上であった。
【表示例】セブンエー美容・ダイシン
3社は連名で、措置命令に対するお詫び文を掲載し、金額表示について次のように説明しています。
月額 1,409円とは、全身脱毛 62 部位 3 回コースを 60 回払にした場合の月々支払額(支払総額 86,805円)でございます。(中略)
広告表示に関するお詫びとお知らせ
弊社では、本件で指摘された『3か月で62部位の脱毛が完了した場合の本件役務の対価の総額は4,227円だと誤認した』というお客様からの苦情の申立ては確認できておりません。
(セブンエ―美容(株)、(株)ダイシン、(株)エイチフォー)
2022 年 3 月 3 日 (2022 年 3 月 10 日修正))
https://www.koi-hada.jp/pressrelease20220303/20220303.html
本件表示に関して、実際よりも安く利用できるかのような有利誤認を招かないために、施術の内容に対応した支払総額や、施術提供期間(3か月)と支払回数(60回)が一致していないことを明瞭に記載すべきでした。
ECサイトの定期購入契約においても、契約内容について消費者を誤認させることを防ぐために、特定商取引法において、支払総額や各回に引き渡す商品の代金を表示すること等を義務付けています。
以下に、価格表示に関する景品表示法の解説記事をまとめました。
キャンペーンやマーケティング施策等を検討する際、広告法務のリスクマネジメントについて、お気軽にご相談ください。
≪参考記事≫
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