脱毛器のネット通販サイト上の不適切な期間限定キャンペーン表示に、景品表示法の措置命令です。
期間限定をうたいながら、期限後も、同様の割引やポイント付与、プレゼントを繰り返し提供していたことが、有利誤認とみなされました。
消費者庁は3月15日に、エステサロン運営や通信販売事業を行う(株)セドナエンタープライズ(東京都渋谷区)に対し、景品表示法の措置命令を行いました。
処分内容と期間限定キャンペーンの有利誤認の考え方を確認します。
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株式会社セドナエンタープライズに対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁:2022年3月15日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/027909/
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【違反内容】
対象商品:
「脱毛ラボ ホームエディション」と称する商品
表示媒体・期間:
自社ウェブサイト「脱毛ラボ通販イーラボ公式ストア」
2021年2月15日~7月22日
違反内容:
(1)「乗り換え割」キャンペーン
例えば、
2021年2月15日から同年3月14日までの間、時計のイラストと共に
「期間限定3/14(日)まで」、「脱毛ラボHome Editionに乗り換えで最大45%OFF!」「乗り換え割って? 不要になった脱毛機※光脱毛器・レーザー脱毛器のみ 除毛マシーンやシェーバーは不可 or 脱毛サロン会員証 ※脱毛ラボ以外 を送ることで・・・
3/14まで レビュー投稿で45※2%OFFで脱毛ラボ Home Edition(新古品※3)を購入できる超おトクなサ―ビスです!」等と表示。
あたかも表示された期限までに、「乗り換え割」サービスを利用して新古品を購入した場合に限り、光脱毛器若しくはレーザー脱毛器又は弊社以外の脱毛サロンの会員証若しくは契約書を送付すれば代金の30%相当額の現金キャッシュバックが適用され、さらに、レビューを投稿すれば代金の15%又は20%相当額のポイントが付与されるかのように表示していた。
実際には、期限後に「乗り換え割」を利用して新古品を購入した場合であっても、光脱毛器若しくはレーザー脱毛器又はセドナエンタープライズ以外の脱毛サロンの会員証若しくは契約書を送付すれば代金の30%相当額の現金キャッシュバックが適用され、さらに、レビューを投稿すれば代金の15%または20%相当額のポイントが付与されるものであった。
【表示例】
(2)プレゼントキャンペーン
例えば、
2021年5月10日に、時計のイラストと共に
「限定5/10(月)23:59まで ケア4点セット13,728円相当プレゼント+最大1,000円ポイント進呈」等と表示。
あたかも表示された期限までに、本件商品を購入した場合に限り、表示されたプレゼントが提供されるとともに、700円相当のポイントが付与され、さらに、レビューを投稿すれば300円相当のポイントが付与されるかのように表示していた。
実際には、表示された期限後に本件商品を購入した場合であっても、700円相当のポイントが付与され、さらに、レビューを投稿すれば300円相当のポイントが付与されるものであり、また、表示されたプレゼントは、1日又は3日の間隔で繰り返し提供されるものであった。
【表示例】
期間限定キャンペーンは、消費者に「今買うことが得だ」と思わせて購入を促す手法ですので、表示した期限後も同一内容のキャンペーンを間断なく継続することは、実際よりも有利な条件で購入できるかのように誤認させる有利誤認となります。
違う内容のキャンペーンであれば不当表示とはなりませんが、消費者の目から見て同じ内容だと認識されるものであれば、問題となります。
今回の事案では、キャンペーン内容が一部変更されていましたが、同一のものとみなされました。
細かく確認してみます。
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