表示管理のミスは命とり。有料オプションを標準装備と記載 メルセデス・ベンツ日本に景表法措置命令(消費者庁 2021年12月10日)

12月10日、消費者庁はドイツの高級車メーカー「メルセデス・ベンツ」の日本法人、メルセデス・ベンツ日本(株)(東京都品川区)に対し、同社が販売していた普通自動車2車種4モデルにおける 9つの装備等に関する表示(計17項目)に、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。

カタログなどに、実際には有料オプションとなる機能や部品を「標準装備」などと事実と異なる記載をしていました。
社内の情報共有や連絡ミスなどによる、表示管理体制不備が問題となった事案です。
表示管理のミスは命とりです。過去の措置命令事案から、原因や対応について確認しましょう。

———-
メルセデス・ベンツ日本株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2021年12月10日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/026911/
———

【対象商品】
普通自動車2車種4モデル
「GLA180」、GLA200d 4MATIC」、「GLB200d」、「GLB250 4MATIC スポーツ」

【表示媒体・表示期間】
「The GLA Data Information」と称する冊子及び自社ウェブサイト
2021年4月5日~2021年8月31日までの間

「The new GLA Data Information」と称する冊子及び自社ウェブサイト
2020年6月25日~2021年3月5日までの間

「The new GLB Data Information」と称する冊子及び自社ウェブサイト
2020年6月25日~2021年4月8日までの間

「The new GLB」と称するカタログ及び自社ウェブサイト
2020年6月25日~2021年3月2日までの間

【違反内容】
表示内容:
「GLA180」および「GLA200d 4MATIC」
あたかも、パッケージオプション「AMGライン」に含まれるサスペンションは、「スポーツサスペンション」であるかのように表示していたが、実際は「スポーツコンフォートサスペンション」であった。

「GLA200d 4MATIC」および「GLB200d」
あたかも、「ダイレクトステアリング」、「サングラスケース」、「自動再発進機能(※)」、「アクティブステアリングアシスト(※)」が標準装備であるかのように表示していた。

実際には、
・「ダイレクトステアリング」は標準装備ではなかった。
・「サングラスケース」が標準装備ではない車両があった。
・「自動再発進機能」、「アクティブステアリングアシスト」は、「ナビゲーションパッケージ」と称するパッケージオプションを別途装備しなければ、機能しないものであった。

(※)
・高速走行から渋滞時まで、ステアリングに手を添えているだけで自動でスピードを調整し、前走車との最適な距離を維持しながら、車線もキープする。
・移動したい車線側の方向へウィンカーを点滅させるだけで、自動車線変更する。
・一定時間以上両手がステアリングから離れているのをシステムが検知すると警告音が鳴り、ドライバーが反応しない場合は、更に警告音を鳴らしながら緩やかに減速して完全に停止する。
(カタログ記載内容)

「GLB200d」
あたかも、「オフロードエンジニアリングパッケージ(複数の機能がパッケージになっているもの)」が標準装備であるかのように表示していた。

実際には、
・「オフロードエンジニアリングパッケージ」は標準装備ではなかった。

あたかも、パッケージオプション「AMGライン」に、「ロゴ付きブレーキキャリパー」、「ドリルドベンチレーテッドディスク」、「スポーツコンフォートサスペンション」が含まれているかのように表示していた。

実際には、
・「ロゴ付きブレーキキャリパー」、「ドリルドベンチレーテッドディスク」が装備されていない車両があった。
・「AMGライン」に「スポーツコンフォートサスペンション」は含まれていなかった。

「GLB250 4MATIC スポーツ」
あたかも、「ロゴ付きブレーキキャリパー」、「ドリルドベンチレーテッドディスク」、「サングラスケース」が標準装備であるかのように表示していた。

実際には、
・「ロゴ付きブレーキキャリパー」、「ドリルドベンチレーテッドディスク」が装備されていない車両があった。
・「サングラスケース」が標準装備ではない車両があった。

表示例: カタログ

(消費者庁発表資料より抜粋)

●打消し表示について
「GLA200d 4MATIC」および「GLB200d」の「自動再発進機能」、「アクティブステアリングアシスト」について、以下のように表示していましたが、当該表示は、一般消費者が対象表示から受ける商品の装備に関する認識を打ち消すものではない、とみなされています。

表示例:
「ナビゲーションパッケージ(パッケージオプション)を同時装着した場合は、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックに『自動再発進機能』が追加装備されます。」

「ナビゲーションパッケージ(パッケージオプション)を同時装着した場合は、『アクティブステアリングアシスト(アクティブレーンチェンジングアシスト、アクティブエマージェンシーストップアシスト)』が追加装備されます。」

次ページでは、不当表示発生の原因とメルセデス・ベンツ日本の対応について検証します。

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。