先日の記事で取り上げたEMS機器の通販、製造販売業者4社に対する景表法措置命令は、昨今の外出自粛要請による「巣ごもり」需要と相まって、この時期の処分は消費者にとって注目が高そうです。
同時に、通販、美容健康関連業界にも大きなインパクトを与えています。
処分を受けたディノス・セシールは、フジサンケイグループで、社名変更前のディノスはテレビショッピングの草分け企業です。また、ディノスが社名変更したフジサンケイリビングサービスの出身者が、公益社団法人である日本通信販売協会の初代会長をはじめ3度会長を務めており、業界のコンプライアンス向上に貢献してきました。
協会の設立経緯と法的な位置づけ
(公益社団法人 日本通信販売協会)
https://www.jadma.or.jp/abouts/conditions/
そんな企業が不当な表示を行っていることは、他の事業者に対して「あのディノスがやっているなら、このくらいの表示もOKだろう」という誤った認識を与えかねません。
今回の処分は、同社にとって極めて不名誉なことであり、業界に対する消費者の信頼を大きく損なわせるものと言えるでしょう。
今回処分を受けた4社は、いずれも相応の規模で事業展開をしている事業者ですから、広告管理体制を当然整えていると考えられるのですが、十分に機能していないことが露呈しました。
ディノス・セシールは、処分に対する「お詫び」告知において、以下のように述べています。
今回の措置命令は、当該動画上に「個人差があり、結果を保証するものではありません。」との一文を表示していたものの、表現上お客様に誤解を与えかねない可能性について、弊社内での検討が十分でなかったと認識しております。
「ディノスオンラインショップ」掲載商品に関する
Web動画の表示についてのお詫びとお知らせ
(株式会社ディノス・セシール 2020年3月31日)
https://www.dinos-cecile.co.jp/whatsnew/topics_20200331.pdf
消費者庁では、2017年に「打消し表示に関する実態調査報告書」を公表して以降、再三にわたり措置命令において不適切な打消し表示に対する指摘を行ってきましたので、とても言い訳として通用するものではありません。
また、オークローンマーケティングは2016年にセラミックコートフライパンの表示で、優良誤認の措置命令を受けています。
今回の処分が、どの事業者においても、広告の適正管理体制を見直す契機となってほしいと思います。
◆措置命令を受けたEMS機器の通販、製造販売業者のお詫び告知
お詫びとお知らせ
(株式会社オークローンマーケティング 令和2年3月31日)
https://www.oaklawn.co.jp/info/20200331post-19.html
消費者庁の措置命令に関するお詫びとお知らせ
(株式会社プライムダイレクト 2020年3月31日)
https://www.primedirect.jp/corporate/200331-2/
消費者庁からの景品表示法に基づく措置命令について
ヤーマン株式会社 2020年3月31日
https://corporate.ya-man.com/topics/news/info/10310/
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