大阪府が新聞販売店の高額景品に2事例目の景表法措置命令。産経新聞に続き毎日新聞に(大阪府:2019年12月10日)

大阪府は12月10日に、毎日新聞の販売店に対して、不当な景品提供による景品表示法違反の措置命令を出しました。また、同時に、特定商取引法違反(書面記載不備)の指示処分も行っています。

大阪府が、新聞販売店に対して景品表示法第4条の違反(過大な景品類の提供)による措置命令を出すのは、2019年3月の産経新聞に続いて2事例目となります。

全国初!大阪府が産経新聞社の高額景品に景表法措置命令。都道府県による処分続く

前回の事案では、産経新聞社と府内の同新聞専売所2店に対する処分でしたが、本事案は毎日新聞の販売店の経営者(個人)に対する処分となっています。

不当景品の提供行為に対する行政処分が少ない中、今後、大阪府や他の自治体の規制動向と、新聞業界の対応が気になります。

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景品表示法及び特定商取引法に基づく行政処分について
(2019年12月10日 大阪府)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=36662
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【事業者の概要】
八尾市楽音寺4-99毎日新聞瓢箪山南販売所、同北山本販売所、同八尾北販売所こと、中野宅視

【違反概要】
景品表示法違反について(措置命令):

・本件販売店は、一般消費者との毎日新聞の購読契約の締結に際し、3千円から1万円の商品券を提供していたほか、値引きや無料月の設定、スポーツ紙の無料提供などを行っていた。
・懸賞によらないで提供する景品類は、取引の価額の8%または6ヵ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲に制限されている。(景表法第6条により告示された、新聞業における景品類の提供に関する事項の制限(平成10年公正取引委員会告示第5号))
・毎日新聞を6か月以上購読する場合に提供できる景品類の上限は、1,937円であるところ、この上限を超えていた。

特定商取引法違反について(指示):
以下の行為は、特定商取引法第7条第1項に定める「訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがある」ものと認められる。

1)本件販売店は、訪問販売により一般消費者と毎日新聞の購読契約を締結した際、購読契約書の月額購読料欄を空欄にする、又は、「定価」や「定価-1,200」と記載するなどして、毎日新聞の販売価格(単位購読料)を明らかにしなかった。
・販売価格の記載については、原則として契約期間における総額の記載が必要であるところ、日刊紙については、一部あたりの購読料と購読契約期間が明記されていることで足りるとされている。(特定商取引法第4条第2号)

2)本件販売店は、購読契約書に自らの氏名や担当した者の氏名を記載していなかった。
・販売業者の氏名又は名称が記載しなければならず、この氏名又は名称は、戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号とされている。(特定商取引法施行規則第3条第1号)
・さらに、売買契約を担当した者の氏名を記載しなければならない。(同条第2号)

1)2)の本件販売店の行為は、特定商取引法第5条第1項に規定する書面交付義務の違反(記載不備)に該当する。

特定の業種については、業界の実情等にかんがみ、一般的な景品規制とは異なる内容の業種別の景品規制が、景品表示法第4条の規定に基づき、告示により指定されています。

現在、(1)新聞業、(2)雑誌業、(3)不動産業、(4)医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業の各業種について告示が制定され、これらの告示により、各業界において提供される景品類に制限が設けられています。

◆新聞業における景品類の提供に関する事項の制限(平成10年公正取引委員会告示第5号)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/public_notice/pdf/100121premiums_9.pdf

◆新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(平成10年公正取引委員会告示第17号)
https://www.nftc.jp/pdf/pdf2.pdf

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。