景品表示法第4条の違反(過大な景品類の提供)による、全国初の措置命令事例です。
大阪府は3月19日に、産経新聞社と府内の同新聞専売所2店に対して、産経新聞の販売にあたって景品表示法に違反する「過大な景品類の提供」が認められたことから、措置命令を行いました。
新聞業において規定されている、購読者に提供する景品類の金額制限を超える、高額な景品類(約8万円相当の電動アシスト自転車など)を一般消費者に提供していたことが問題となりました。
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過大な景品類の提供を行っていた事業者に対する措置命令について
(平成31年3月19日 大阪府)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=34188
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【違反概要】
・景表法第6条により告示された、新聞業における景品類の提供に関する事項の制限(平成10年公正取引委員会告示第5号、以下「告示制限」という。)により、懸賞によらないで提供する景品類は、取引の価額の8%又は6か月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲に制限されている。
・産経新聞社は、大阪本社販売局内に各販売店からの景品類の発注を受け付ける関係事業者のファクシミリを設置させていた。
・関係事業者は、発注用紙を回収し、各販売店の求めに応じて、一般消費者に新聞購読契約に伴う景品類を直送していた。
・上記の景品類の中には、電動アシスト自転車(81,000円相当)をはじめとする相当数の告示制限の範囲を超える過大な景品類が含まれていた。
・当該景品類の代金は、一旦産経新聞社が立て替えて関係事業者に支払い、各販売店に対する請求と合わせて請求するなどして回収していた。
・告示制限の範囲を超える過大な景品類を発注していた販売店の中には、本社管理店と称する産経新聞社直営の販売店や産経新聞社の子会社が運営する販売店が含まれていた。
・産経新聞社は自ら販売を行うにあたって、一般消費者に対し直接的に告示制限の範囲を超える景品類の提供を行っていたのみならず、各販売店を通じて間接的にも提供を行っていた。
・松原南専売所及び花園専売所は、産経新聞社大阪本社販売局内に設置された関係事業者のファクシミリに景品類の発注を行っており、当該景品類の代金は、産経新聞社に対して支払っていた。この景品類には、電動アシスト自転車(81,000円相当)をはじめとする告示制限の範囲を超える過大な景品類が含まれていた。
・上記、過大な景品類の提供は、新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(平成10年公正取引委員会告示第17号)などの自主規制にも違反していた
特定の業種については、業界の実情等にかんがみ、一般的な景品規制とは異なる内容の業種別の景品規制が、景品表示法第4条の規定に基づき、告示により指定されています。
現在、(1)新聞業、(2)雑誌業、(3)不動産業、(4)医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業の各業種について告示が制定され、これらの告示により、各業界において提供される景品類に制限が設けられています。
◆新聞業における景品類の提供に関する事項の制限(平成10年公正取引委員会告示第5号)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/public_notice/pdf/100121premiums_9.pdf
◆新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(平成10年公正取引委員会告示第17号)
https://www.nftc.jp/pdf/pdf2.pdf
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