6月28日、消費者庁は福岡市の健康食品等の販売事業者ふるさと和漢堂(株)に対し、同社が供給する「ドクター・フトレマックス」と称する体重増量効果を謳った食品の表示について、景品表示法違反(優良誤認) の措置命令を行いました。
肥満効果に対する優良誤認は不実証広告規制(※)を用いた処分となっています。
体験談に対する打消し表示についても言及されています。
消費者庁及び公正取引委員会(公正取引委員会事務総局九州事務所)の調査による事案です。
過去には、(株)Life Leafの肥満効果サプリ「ファティーボ」に対し、2018年7月に景表法措置命令が出されています。
処分のポイントについて確認します。
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ふるさと和漢堂株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 2019年6月28日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/release/2019/pdf/fair_labeling_190628_0001.pdf
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(※)
不実証広告規制(7条2項)
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が資料を提出しない場合又は提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。
●違反概要
【対象商品】
「ドクター・フトレマックス」と称する食品
【表示媒体・期間】
自社ウェブサイト
2017年8月27日~2019年6月21日
【違反内容】
表示内容:
例えば、自社ウェブサイトにおいて、
「長年のコンプレックスだったガリガリ体型を約2ヶ月で克服!」
「太る専用プロテイン!」等と記載。
あたかも、食物の栄養素を十分に吸収できない者であっても、対象商品を摂取することにより、約2か月で、外見上身体の変化を認識できるまでの体重の増量効果が得られるかのようにす表示をしていた。
実際:
同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出された。しかし、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった。
・景品表示法(優良誤認)の不実証広告規制。表示の裏付けとなる「合理的な根拠」の判断基準とは
●befor/after写真・体験談広告の打消し表示について
商品の摂取前及び摂取後の比較写真や体験談に対する打消し表示が記載されていましたが、当該記載は、一般消費者が対象表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない、とみなされています。
打消し表示例(消費者庁ウェブサイト):
「※体重には個人差があります。効果を保証するものではありません。」と記載。
違反表示例(消費者庁ウェブサイト)
修正後表示例(自社ウェブサイト)
https://futoremax.jp/gl1/
修正後のウェブサイトでは、肥満効果を保証するような「克服」、「太る専用」といった文言やbefor/after写真、具体的な増量の数値などが削除され、「太活」「挑戦」といった文言に変更されています。
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《関連記事》
・成分の作用による痩身効果を謳った酵素食品5社に景表法措置命令。景表法における打ち消し表示の留意点とは(消費者庁:平成31年3月29日)
・肥満効果サプリLife Leafに景表法措置命令。処分前に社告掲載
(消費者庁:平成30年7月25日)
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(消費者庁:平成29年9月29日)
・豊胸・痩身系サプリ(株)ミーロードに対し景表法措置命令。消費者への対応は?(消費者庁:平成29年3月30日)
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