ユニクエスト、葬儀サービスの「追加料金不要」表示に景表法措置命令。Web 広告の打消し表示に注意(消費者庁:平成30年12月21日)

12月21日、消費者庁は大阪市の葬儀会社(株)ユニクエストに対し「小さなお葬式」の名称で供給する5つの葬儀サービスのウェブサイト上の表示について、景品表示法違反(有利誤認) の措置命令を行いました。

葬儀サービスプランを提示して「追加料金一切不要」と記載することで、サービスを提供するにあたって必要な追加、変更する場合でも、あたかも、記載された価格以外に追加料金が発生しないかのように表示をしていました。
追加料金についての打消し表示が記載されていましたが、打消し効果は認められませんでした。

葬儀サービスに対する有利誤認による措置命令は、平成29年12月22日にもイオンライフ(株)に対して出されています。

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株式会社ユニクエストに対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 平成29年12月22日)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_181221_0001.pdf
———


●違反概要
【対象役務】
「小さなお葬式」の名称で供給する、「小さな火葬式」、「小さな一日葬」、「小さな家族葬」、「小さなお別れ葬」、「100名までのお葬式」と称する葬儀サービス

【表示媒体・期間】
「小さな火葬式」、「小さな一日葬」、「小さな家族葬」
PC向け自社ウェブサイト:遅くとも平成28年4月1日~平成29年12月27日
スマートフォン向け自社ウェブサイト:遅くとも平成28年4月11日~平成29年12月27日

「小さなお別れ葬」
PC向け自社ウェブサイト:平成29年7月10日~平成29年12月27日
スマートフォン向け自社ウェブサイト:平成29年9月4日~平成29年10月22日

「100名までのお葬式」
PC向け自社ウェブサイト:平成29年9月4日~平成29年12月27日

【違反内容】
表示内容:
例えば「追加料金一切不要のお葬式」「追加料金一切不要の安心価格プラン金額がお葬式にかかる全ての費用」等と記載することで、あたかも、本件5役務の提供に当たって必要な物品又は役務を追加又は変更する場合でも、記載された価格以外に追加料金が発生しないかのように表示をしていた。

実際:
下記のケースに該当する場合には、追加料金が発生するものであった。

●打消し表示について
不当表示内容を記載したウェブページとは別のページに、追加料金が例外的に発生する場合がある旨を記載していた。
しかし、当該記載は、リンク先に追加料金に関する重要な情報が存在するとは記載されていない「よくある質問」等のリンクテキストをクリックしなければ表示されない。
よって、一般消費者が対象表示から受ける当該サービスに関する認識を打ち消すものではない。

【表示例】
PC向け自社ウェブサイト

スマートフォン向け自社ウェブサイト

報道によると、霊きゅう車の搬送距離や葬儀まで遺体を安置する期間などによって追加の費用が発生し、10万円以上を支払った契約者もいたと報じています。

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「小さなお葬式」に処分 追加料金不要と虚偽表示
(日本経済新聞 2018年12月22日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3929835022122018CR0000/
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同社は、本件についてのお詫びをHPに掲載していますが、返金対応等についての記載はありません。

景品表示法に基づく措置命令につきまして
(株式会社ユニクエスト 2018年12月28日)
https://www.uqo.jp/pressroom/info/473.html/0

本件では、打消し表示についても指摘されています。
以下の記事では、今回問題となった「打消し表示」の景品表示法上の留意点を解説しています。


消費者庁では、昨年7月に公表した「打消し表示に関する実態調査報告書」に続き、今年の5月16日に「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」を公表しており、規制が強まっています。

≪参考記事≫
・イオンライフ、葬儀サービスの「追加料金不要」表示に景表法措置命令。「追加料金」請求4割(消費者庁:平成29年12月22日)

・ガリバー運営会社のIDOM、自動車保証の表示に景表法措置命令。打消し表示に注意!

・FREETELのSIMサービス、「業界No.1」「通信料0円」表示に優良・有利誤認の景表法措置命令。打消し表示に注意を(消費者庁:平成29年4月21日)

・打ち消し表示無効。モデル写真と実質料金に乖離。着物レンタル事業者のDM用カタログに景表法措置命令

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。