鹿児島県「鹿北製油」のゴマ産地偽装、無添加表示に景表法措置命令。遅すぎるお詫び社告(鹿児島県:2019年5月15日)

都道府県による食品産地偽装に対する景品表示法措置命令事案です。

鹿児島県は5月15日に、鹿児島県姶良郡湧水町のゴマ製品、食用油の製造販売会社「鹿北製油」に対し、同社が販売するごま商品、えごま商品及びなたね油41商品の表示について、景品表示法優良誤認の措置命令を行いました。

実際は外国産のものが含まれているにもかかわらず、容器包装や自社ウェブサイト等において、あたかもゴマ製品、食用油の原料は国産のものであるかのように表示をしていました。また、添加物や化学薬品等が使用されていないかのように表示をしていましたが、実際はリン酸、水酸化ナトリウム、クエン酸、白土が使用されていました。

———-
(有)鹿北製油に対する景品表示法に基づく措置命令について
(鹿児島県 平成31年5月15日)
https://www.pref.kagoshima.jp/ab11/hyouji.html
———-


【対象商品】
(1)ごま商品、えごま商品及びなたね油38商品
(2)なたね油8商品

【表示媒体】
容器包装、自社ウェブサイト

【表示期間】
少なくとも2013年1月から2018年12月24日までの間

【違反内容】
(1) ごま商品、えごま商品及びなたね油38商品
表示:
例えば、
「国産 洗いごま黒50g」と称する商品について、容器包装において、「鹿児島県産 長崎県産」」「原料原産地 鹿児島県産・長崎県産」
「鹿児島産黒ごま油100g」と称する商品について、容器包装において、「鹿児島産」「国内で契約栽培した黒ごまを薪を焚いて釜炒り、」「原材料名:食用ごま油(国産)」
と記載するなど、あたかも、対象商品38商品の原料は国産のものであるかのように示す表示をしていた。

実際:
対象商品38商品の原料は外国産のものが含まれていた。

【表示例】

(2)なたね油8商品
表示:
「国産なたね サラダ畑650g」と称する商品について、容器包装において、「国内産・栽培期間中農薬不使用のなたね、ヘキサンを使用せずに圧搾法で一番搾りし、カセイソーダ、修酸の添加物を使用せず精製しました」
と記載するなど、あたかも、対象商品8商品は添加物や化学薬品等が使用されていないかのように示す表示をしていた。

実際:
対象商品8商品は、リン酸、水酸化ナトリウム(別名カセイソーダ)、クエン酸、白土が使用されたものであった。

【表示例】

報道では、鹿北製油は2018年10月29日に鹿児島県に自主的に偽装を報告し、県警は2019年4月3日、同社代表取締役の和田久輝容疑者を不正競争防止法違反(誤認惹起〈じゃっき〉行為)容疑で逮捕したと報じています。共犯として、同社の元従業員2人についても同容疑で書類送検されています。
同社は、上記の産地偽装該当商品は32商品と「お詫び」にて発表していますが、今回の処分対象は41商品と拡大しています。

国産PRの老舗ごま油が偽装公表 原材料の半分が外国産
(朝日新聞デジタル 2018年10月31日)
https://www.asahi.com/articles/ASLBZ5CJ7LBZTLTB008.html

ゴマ産地偽装、役員を逮捕 不正競争防止法違反容疑
(朝日新聞デジタル 2019年4月3日)
https://www.asahi.com/articles/ASM433GTLM43TLTB001.html

お詫び
(有限会社鹿北製油 2018年10月31日)
http://www.kahokuseiyu.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/253c5595153004d744c43f439430e29b.pdf

措置命令では、景品表示法違反の旨を速やかに一般消費者に周知徹底することを命じていますが、鹿北製油のお詫び告知は5月15日の措置命令から1カ月半近く経過しており、対応の遅さは否めません。

お詫びとお知らせ
(有限会社鹿北製油 令和元年6月26日)
http://www.kahokuseiyu.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/owabi.pdf
《「お詫びとお知らせ」より一部抜粋》

本件は、加工食品の原材料の表示違反としてではなく、景品表示法の優良誤認表示として処分を受けています。

食品表示法においても、国内で製造又は加工された全ての加工食品(輸入品以外の全ての加工食品)に、原材料の原産地を表示するよう義務づける食品表示基準の改正が、2017年9月に施行され、2022年4月に完全施行となる予定です。

◆新たな加工食品の原料原産地表示制度に関する情報(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/

≪関連記事≫
・大阪府がヤムヤムクリエイツのシュークリームに景表法措置命令。都道府県による処分続く(大阪府:平成31年3月13日)

・石垣島の農組に景表法措置命令。スパイスの原料産地表示に優良誤認
(消費者庁:平成30年5月15日)

・ホクレンに景表法措置命令。加工食品の店頭POPの道産原料表示に誤り
(北海道:2017年8月22日)

・静岡県特産品「桜えび」が「中国産アキアミ」。不当表示に景表法優良誤認措置命令
(消費者庁:平成29年3月30日)

・村田園万能茶に景表法措置命令。パッケージ表示と原料原産国の優良誤認
(消費者庁:平成28年3月10日)

======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。

登録はこちら

————————————————————-

関連記事

  1. ECホールディングスに景表法措置命令。続く、黒髪効果サプリの処分(消費…

  2. ネット通販定期購入に立て続けの特商法での処分 (株)Super Bea…

  3. ユニクエスト、葬儀サービスの「追加料金不要」表示に景表法措置命令。We…

  4. ネット通販定期購入に特商法での処分 (株)wonderと(株)GRAC…

  5. 石垣島の農組に景表法措置命令。スパイスの原料産地表示に優良誤認(消費者…

  6. スギ薬局の社告に見る、機能性表示食品の不当広告と謝罪告知のタイミング

最近の記事

2021年9月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。