大手ゲーム会社ガンホー、グリーに景表法措置命令!各社のお詫び対応は?(消費者庁:平成29年7月19日)

消費者庁は7月19日に、オンラインゲーム会社ガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)および、グリー(株)が供給するオンラインゲームに関する表示に対し、景品表示法の措置命令を行いました。
ガンホーについてはゲームで購入する電子くじの内容に関する優良誤認表示、購入サービスの価格表示に関する有利誤認表示とみなされました。
グリーについては、懸賞企画についての有利誤認表示とみなされました。

各社の消費者へのお詫び対応を確認します。

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ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170719_0002.pdf
グリー株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170719_0001.pdf
 (平成29年7月19日 消費者庁)
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●ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
≪優良誤認表示≫

(1)オンラインゲーム「パズル&ドラゴンズ」
【対象役務】
平成29年2月13日から同月26日までの期間に実施した、「モンスター」と称するアイテムのいずれかを提供する「特別レアガチャ『魔法石10個!フェス限ヒロインガチャ』」と称する役務

【表示媒体・期間】
ニコニコ生放送及びYouTubeライブで配信された放送
表示日:
平成28年11月30日、平成28年12月25日、平成29年2月20日、平成29年2月20日

【違反内容】
対象役務について、あたかも、対象役務において提供される13体全てのモンスターが「究極進化」と称する仕様の対象となるかのように示す表示していた。
実際には、モンスター2体だけを「究極進化」と称する仕様の対象とし、11体は「究極進化」ではなく「進化」と称する仕様の対象としていた。

≪有利誤認表示≫
(2)オンラインゲーム「ディズニーマジックキングダムズ」
【対象役務】
特定のキャラクター及び「ジェム」と称する仮想通貨を一体的に提供する役務
「レックスパック」「ジャック・スパロウパック」「ブーパック」「ウォーリーパック」
「マキシマスパック」「メリーウェザーパック」

【表示媒体・期間】

ディズニーマジックキングダムズ内に表示されるバナー広告
表示期間:
「レックスパック」平成28年11月17日~同月24日まで、及び同年12月8日~同月14日まで
「ジャック・スパロウパック」平成28年10月20日~同月27日まで、同年11月24日~同年12月1日まで、及び同月8日~同月14日まで
「ブーパック」平成28年12月8日~同月14日まで
「ウォーリーパック」「マキシマスパック」「メリーウェザーパック」平成28年12月14日

【違反内容】

対象役務について、例えば「キャラクターとジェムがいっしょになったお1人様1回限りのお得なパック!」、「レックス&ジェム100個」、「別々に買うより断然お得!」、「レックスパック\1,200」と記載。
あたかも、対象役務の提供価格は、特定のキャラクターとジェムを別々に提供する場合の合計金額に比して安いかのように表示していた。
実際には、それぞれ、特定のキャラクターとジェムを別々に提供する場合の合計金額に比して安くはなかった。

【表示例】

本件ゲーム内バナー
ガンホー

ガンホーの対応は?
ガンホーが発表した「措置命令に関するお知らせ」(2017年7月19日掲載)や「措置命令に関するご報告とお詫び」(2017年7月25日掲載)のよると、問題となったフェス限ヒロイン対象モンスター13体について、3月2日時点で番組での発言内容にあわせて全てのモンスターを究極進化へと仕様変更し、ユーザーへの補償措置を実施した上、直ちに当該表示について消費者庁に自主的に報告し、同庁に対しても真摯に対応したとしています。

しかしながら、結果的に措置命令を受けることとなりました。

同社は、ユーザーに心配をかけたお詫びとして、7月25日時点で「パズル&ドラゴンズ、パズドラW」を利用していたユーザー全員を対象に7月29日より一ヶ月限定で魔法石10個を配布すると発表しています。

消費者庁より指摘を受けた「パズドラ生放送中での表示や発言」に関しては、生放送の体制の見直し、発言などの表示に対する十分な注意を払うほか、再発防止に向けて運営スタッフへの徹底した指導教育の実施、ユーザーの目に触れる全ての表示物の監修と管理、チェック体制を強化していく、としています。

「措置命令に関するお知らせ」
(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 2017年7月19日掲載)
http://www.gungho.co.jp/ir/uploads/irs20170719.pdf

「措置命令に関するご報告とお詫び」
(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 2017年7月25日掲載)
http://pad.gungho.jp/maintenance/pad/pua59k00000092a1.html

「お詫び対応のお知らせ」
(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 2017年7月28日掲載)
http://pad.gungho.jp/maintenance/pad/pua59k00000092pn.html


●グリー株式会社
≪有利誤認表示≫
【対象役務】

オンラインゲームにおけるアイテムの使用許諾
使用許諾を得るために「GREEコイン」と称する仮想通貨を1,000枚使用するごとに抽せん券を1枚付与し、当該抽せん券を用いた応募者の中から抽せんにより景品類の提供の相手方を定める景品類の提供企画(懸賞企画)

【表示媒体・期間】
フィーチャーフォン向け自社ウェブサイト
表示期間:
平成28年12月26日~平成29年1月13日

【違反内容】
「超豪華プレゼント!年末年始キャンペーン」と称する懸賞企画において、例えば、「スマートグラス MOVERIO 当選本数100本」と記載するなど、あたかも、当該懸賞企画のそれぞれの景品類についてフィーチャーフォン向け自社サイト上に記載された当選本数と同数の景品類が提供されるかのように表示していた。
実際には、当該当選本数を下回る数の景品類の提供を行っていた。

グリーの対応は?
グリーが発表した措置命令についてのお知らせによると、同社は以下の対応を行ったとしています。

・お客さまからの指摘を受けて2017年1月13日に正しい表示に修正した。
・2017年2月21日より、フィーチャーフォンから当該キャンペーンに有償コインを消費して申し込んだお客さまを対象に、全額返金手続きを開始した。
・無償コインを消費して申し込んだお客さまには、お客さまのGREEアカウントに全コインを返却した。
・2017年2月上旬より、GREE Platformや同社が提供する他のサービスで正しい表示がなされるよう、チェック体制の強化策を実施。

同社は、措置命令を受け、表示チェック体制の強化や社員教育の徹底等、再発防止に取り組むとしています。

当社GREE Platform上の表示に関する消費者庁からの措置命令について
(グリー株式会社 2017年7月19日掲載)
http://corp.gree.net/jp/ja/news/press/2017/0719-01.html

≪関連記事≫
・雑誌の懸賞水増しで3件目。アイアのパズル雑誌に有利誤認措置命令(消費者庁:平成27年12月8日)
・竹書房の漫画雑誌懸賞企画で有利誤認措置命令(消費者庁:平成27年3月13日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。