木曽路に景表法措置命令。食材虚偽表示問題以降も、社内で不正を見抜けず (消費者庁:平成26年10月15日)

消費者庁は10月15日に、(株)木曽路のメニューや料理の表示に対し、景品表示法(優良誤認)の措置命令を行いました。
昨年秋、食材虚偽表示問題が全国で相次ぎ発覚した以降も、社内で不正を見抜けずにメニューの偽装を続けていたことを特に問題視しての行政処分となりました。

今回処分となったのは、不正が発覚した北新地店(大阪市)、神戸ハーバーランド店(神戸市)、刈谷店(愛知県刈谷市)の3店舗のうち、北新地店と神戸ハーバーランド店。
刈谷店については、昨年の食材虚偽表示問題の発覚前にやめていたため、行政指導にとどまっています。

■株式会社木曽路に対する景品表示法に基づく措置命令について
(消費者庁 平成26年10月15日)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/141015premiums_1.pdf

■しゃぶしゃぶ木曽路、”松阪牛は偽装でした” 詳報!謝罪会見の一部始終
(東洋経済オンライン2014年8月16日)
http://toyokeizai.net/articles/-/45593

【違反内容】
対象役務:
木曽路が「木曽路」と称する飲食店において提供する料理

表示媒体:
メニュー、店頭看板及び自社ウェブサイト
a) 木曽路北新地店(表示期間:H24.8頃~H26.8.15)【表示例1】
b) 木曽路神戸ハーバーランド店(表示期間:H25.8.10~H25.12.31)【表示例2】

違反内容例:
a) 「松阪牛しゃぶしゃぶコース」と称する料理について、あたかも、松阪牛を使用しているかのように示す表示をしていたが、実際には、大部分について、松阪牛ではない和牛の肉を使用していた。
b) 「松茸としゃぶしゃぶコース 松阪華(松阪牛)」と称する料理について、あたかも、松阪牛を使用しているかのように示す表示をしていたが、実際には、一部について、松阪牛ではない和牛の肉を使用していた。

【表示例1:「松阪牛しゃぶしゃぶコース」 メニュー及び店頭看板】

【表示例2:「松茸としゃぶしゃぶコース 松阪華(松阪牛)」 メニュー及び店頭看板】

報道によると、木曽路は虚偽表示のメニューで約5400万円を売り上げたと発表されています。

今回の措置命令を受け、木曽路では自主的な調査の後、平成26年8月末までに適正な表示に修正。措置命令の対象となった料理を含め、同社が運営する飲食店においてメニュー表示と異なった食材を使用した商品を利用した顧客に対して、8月から返金を実施していると発表しています。

■弊社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ
(株式会社 木曽路 平成26年10月16日)
http://www.kisoji.co.jp/company/pdf/20141016.pdf

平成26年12月1日に施行が決まった景品表示法の改正。
課徴金制度については、国民生活センターに寄付すれば課徴金を免除、減額する仕組みの撤回等の見直しが盛り込まれた改正案骨子が、すでに自民党の調査会で了承され、消費者庁は今国会に改正案を提出する方針となっています。

≪参考記事≫
・景表法課徴金は対象売上高の3%、課徴金賦課の対象外となるケースは?
景表法改正案閣議決定!急務となる事業者コンプライアンス対策

======================================
◆広告法務コンサルティング・社員教育◆
販促・広報戦略、商品表示・広告チェック社内体制構築等、
社外専門家としてのノウハウとサポート
詳細はこちら
======================================

————————————————————-
◆本ブログをメルマガでまとめ読み!
本ブログの1週間分の情報を、ダイジェストでお届けしています。

登録はこちら

————————————————————-

関連記事

  1. 大阪府が新聞販売店の高額景品に2事例目の景表法措置命令。産経新聞に続き…

  2. 口頭のセールストークも注意。株式会社ヘルス、家庭用医療機器の効能効果に…

  3. 全国初。都道府県の景表法措置命令。(株)ローランインターナショナル、中…

  4. 福岡の健康食品販売業者(株)大名製薬所 電話勧誘販売に特商法違反業務停…

  5. EMS機器4社の景表法措置命令の社会的インパクト

  6. 空間用虫よけ剤4社に景表法措置命令。四社四様の対応姿勢(消費者庁:平成…

最近の記事

2024年12月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。