除菌用スプレー 成分濃度表示下回る7社に景表法措置命令。コロナ関連商材に注意(消費者庁:2020年12月11日)

消費者庁は12月11日、次亜塩素酸水を販売していた6事業者と、アルコールスプレーを販売していた1事業者の、合わせて7事業者に対し、販売する商品の塩素濃度及びアルコール濃度の表示について、景品表示法違反(優良誤認)の措置命令を行いました。

次亜塩素酸水を販売していたのは(株)アイビューティ(岡山市東区)、(合同)EVOLUTION(大阪市東淀川区)、Knet(株)(福岡県大野城市)、(株)伝聞堂(大阪府堺市)、ハームレス・スタイル(東京都目黒区)、(株)マインズワークス(大阪市中央区)。
アルコールスプレーを販売していたのは(株)マグファイン(宮城県仙台市)です。

各社がAmazonやYahoo!ショッピングなど大手通販サイトで販売していた本件商品の容器ラベルや販売ページに表示していた成分濃度が、実際は、大幅に下回るもので、優良誤認表示とみなされました。

内容を確認します。

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次亜塩素酸水の販売事業者6名及びアルコールスプレーの販売事業者1社に対する景品表示法に基づく措置命令について
(2020年12月11日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/022403/
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(株)アイビューティ
岡山市東区、生活用品・衛生用品の製造販売業(小売業者を通じて販売)、インターネット通販業
(合同)EVOLUTION
大阪市東淀川区、雑貨等の通信販売業
Knet(株)
福岡県大野城市、雑貨の卸売業(小売業者を通じて販売)
(株)伝聞堂
大阪府堺市、通信販売業
ハームレス・スタイル
東京都目黒区、雑貨の通信販売業
(株)マインズワークス
大阪市中央区、次亜塩素酸水等の販売業(取引先事業者を通じて通信販売の方法により販売)
(株)マグファイン
宮城県仙台市、日用品等の製造販売業(自ら又は小売業者を通じて販売)

【対象商品】
アイビューティ:「Jiaen Power 次亜塩パワー」と称する商品
EVOLUTION:「【日本製/マスクを保護する除菌コート】使い捨てマスクを繰り返し使える・マスクの手前でウイルスをガード マスク 除菌 ウイルス対策 MASKGUARD」と称する商品
Knet:「新型ウイルバスターK」と称する商品
伝聞堂:「CORONAIN」と称する商品
ハームレス・スタイル:「Harmless aMIST」と称する商品
マインズワークス:[Amazon限定ブランド]Cleanziaクリンジア 次亜塩素酸水 スプレー 300ml
マグファイン:「アルコール65スプレー 100ml」と称する商品

【表示媒体・表示期間
アイビューティ:
商品の容器に貼付したラベル:2020年7月8日及び同年9月1日
「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」にアンジェラが開設した「Angela.」と称するウェブサイト
Yahoo!ショッピング:2020年7月1日 楽天市場:2020年8月20日
EVOLUTION:
商品に同封した用紙:2020年7月8日及び同年8月26日
「Amazon.co.jp」における対象商品の販売ページ:2020年8月26日
Knet:
商品の容器に貼付したラベル
2020年7月8日及び同年9月4日
伝聞堂:
「Yahoo!ショッピング」に同社が開設した「伝聞堂」と称する自社ウェブサイト
2020年8月20日
ハームレス・スタイル:
商品の容器に貼付したラベル
「Yahoo!ショッピング」に開設した「Harmless Style」と称する自らのウェブサイト
ラベル:2020年7月10日 Yahoo!ショッピング:2020年8月18日
マインズワークス:
「Amazon.co.jp」における対象商品の販売ページ:2020年8月18日
マグファイン:
商品の容器に貼付したラベル
「Amazon.co.jp」と称するウェブサイトにおける対象商品の販売ページ
ラベル:2020年5月30日 Amazon.co.jp:2020年5月21日

【違反内容】
アイビューティ:
例えば、ラベルに「Ph5.0~6.5 50ppm」及び「[濃度]pH5.0~6.5 有効塩素濃度50ppm」と表示することにより、あたかも、商品における有効塩素濃度は、50ppmであるかのように示す表示をしていた。
EVOLUTION:
例えば、同封した用紙に「【成分】200ppm次亜塩素酸水」と表示することにより、あたかも、商品における有効塩素濃度は、200ppmであるかのように示す表示をしていた。
Knet:
ラベルに「200ppm」及び「品名:安定型次亜塩素酸水 200ppm」と表示することにより、あたかも、商品における有効塩素濃度は、200ppmであるかのように示す表示をしていた。
伝聞堂:
ウェブサイトに「次亜塩素酸水」、「高濃度 500ppm」及び「濃度:500ppm ph5~6.5(出荷時)」と表示することにより、あたかも、商品における有効塩素濃度は、500ppmであるかのように示す表示をしていた。
ハームレス・スタイル:
例えば、ラベルに「HOCL 40-50ppm」及び「【HOCL濃度】40~50ppm」と表示することにより、あたかも、商品における有効塩素濃度は、40ppmから50ppmであるかのように示す表示をしていた。
マインズワークス:
販売ページに「100ppm」と表示することにより、あたかも、本件商品における有効塩素濃度は、100ppmであるかのように示す表示をしていた。

実際:
商品における有効塩素濃度は、表示濃度を大幅に下回るものであった。

マグファイン:
例えば、ラベルに「アルコール濃度65度」と表示することにより、あたかも、商品におけるアルコールの濃度は、65パーセントであるかのように示す表示をしていた。
実際:
商品におけるアルコールの濃度は、65パーセントを下回るものであった。

表示例:
(消費者庁公表資料より引用)
アイビューティ:



EVOLUTION:



Knet:



伝聞堂:



ハームレス・スタイル:



マインズワークス:



マグファイン:

今回処分を受けた7事業者のうち1社を除き、全て大手通販サイトで販売されていた商品です。
新型コロナウイルスに対する予防効果を謳った商品に関しては、既に3度にわたってネット広告の緊急監視が実施されています。
社会情勢を反映し、ウイルス除去効果をうたう商品や、マスク、手指洗浄ジェルなど、新型コロナウィルス関連で需要が高まっている商品に対する処分が目立っています。

≪関連記事≫

・通販事業者 東亜産業、首下げ空間除菌剤の表示に景表法措置命令。新型コロナウイルス関連商品に注意(消費者庁 2020年8月28日)

・気になる消費者庁のネット広告監視動向と処分。新型コロナウイルス予防関連商品は注意!

・洗浄ジェルのアルコール配合割合ラベル表示に景表法措置命令。輸入業者メイフラワーに処分(2020年5月19日 消費者庁)

・2度目の緊急事態宣言下、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第4弾)、45事業者42 商品・役務の表示に改善要請 (消費者庁  2021年1月~2月上旬)

・続く、消費者庁の新型コロナウイルス予防商品緊急監視(第3弾)、35事業者38商品の表示に改善要請

・根拠なし新型コロナの感染予防効果、34事業者41商品の表示に改善要請。消費者庁の緊急監視(第2弾) (消費者庁  2020年3月9日~3月19日)

・消費者庁、新型コロナウイルス予防商品緊急監視 30事業者による46商品の表示に改善要請(消費者庁  2020年2月25日~3月6日)

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。