消費者庁 健康食品広告ネット監視 2019年度第3四半期は82事業者(88商品)の表示に改善要請(消費者庁: 2019年10月~2019年12月)

2009年度より継続実施されている、消費者庁による健康食品等の虚偽・誇大表示のインターネット監視。
2019年10月~2019年12月の結果が2020年2月3日に公表されました。

ネット監視の方法は、ロボット型全文検索システムを用いて、キーワードによる無作為検索の上、検索されたサイトを目視により確認するというもの。

今回の監視では82事業者(88商品)の表示について、健康増進法に違反するおそれのある文言等を含む表示があったとして、消費者庁がこれらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。


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インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について
(令和元年10月~12月)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/pdf/extravagant_advertisement_200203_0001.pdf
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今年6月からは、「食品表示基準」の一部改正により、指定成分等含有食品の表示が事業者に義務づけられます。


●検索キーワードは「がん」、「糖尿病」、「関節症」、「風邪」、「免疫力」、「肝機能」、「ダイエット」 「プエラリア・ミリフィカ」 等
今回(2019年10月~2019年12月)の検索キーワードは、以下の3テーマとなっています。

・「がん」、「糖尿病」、「関節症」、「風邪」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
・「免疫力」、「肝機能」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
・「ダイエット」、「プエラリア・ミリフィカ」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変える効果があるかのような表現  等

商品区分別では、「いわゆる健康食品」が63商品、「飲料等」が11商品、「加工食品」が13商品、生鮮食品が1商品でした。

【今回、適正化を要請された表示例(一部)】

「いわゆる健康食品」では、平成27年10月~平成27年12月以降の監視公表において問題となった表示に、毎回、「女性ホルモンの活性化に働きかけた健康保持増進効果(美白、エイジングケア等)を標ぼうする表示」が含まれています。

平成29年7月までの過去5年間で223事例の健康被害が報告された「プエラリア・ミリフィカ問題」では、ホルモン様作用をもつ成分等が含まれている食品について、製造管理が適切でなく含有量が均一でないこと、科学的根拠に基づかない摂取目安量が設定されていること等による健康被害が問題視されました。

2018年6月の食品衛生法の改正により、特別の注意を必要とする成分として、プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュ、コレウス・フォルスコリー、ドオウレンの4成分が指定され、指定成分等含有⾷品の摂取によって健康被害が出た場合、取り扱い業者には都道府県への健康被害情報の届出が義務づけられました。
また、厚労省が定める製造管理・品質管理の新基準を順守して製造することも求められます。

上記改正⾷品衛⽣法を踏まえ、2020年1月23日、消費者委員会により「食品表示基準」の一部改正が承認され、指定成分等含有食品の表示が事業者に義務づけられます。(2020年6月1日施行)
消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会の確保と、健康被害情報の届出制度を補完することを目的としています。
義務化する表示:
(1) 指定成分等含有食品という旨
(2) 食品関連事業者の連絡先
(3) 指定成分等について食品衛生上の危害発生を防止するため、特別な注意を払う必要がる成分又は物という旨
(4) 体調に異変を感じた時に、摂取を中止し医師に相談すべき旨と食品関連事業者に連絡すべき旨
(1)と(3)の表示を行う際は、14ポイント以上の⼤きさの、統⼀のとれた⽂字で表⽰するという方針を示しました。

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第58回 食品表示部会
食品表示基準の一部改正(指定成分等含有食品 他)に係る審議
(消費者委員会 2020年1月23日)
https://www.cao.go.jp/consumer/history/06/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/058/shiryou/index.html
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・国センに寄せられた健康被害情報、上位3商品・役務は「健康食品」「化粧品」「医療サービス」(PIO-NETにみる2017年度の危害・危険情報)

・食品による健康被害防止対策強化へ。食品衛生法、食品表示法改正

広告表示に関しては、消費者庁は平成28年6月30日付けで公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」について、啓発パンフレット等を活用し、健康食品を販売する事業者等に対して周知啓発を図っています。
本ガイドラインが、虚偽・誇大広告規制の判断基準とされていますのでしっかりチェックしておきましょう。

●健康⾷品に関する景品表⽰法及び健康増進法上の留意事項について(要約版)
(パンフレット:消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

●健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
(全部改定 平成 28 年6月 30 日 消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_8.pdf

また、消費者啓発として健康食品に関するパンフレットやリーフレットを公表しています。
国の考え方を理解する上で、併せて確認しておくとよいでしょう。

健康食品Q&A(2017年10月 消費者庁)

健康食品5つの問題(2017年10月 消費者庁)

≪関連記事≫
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視状況(消費者庁)
2019年7月~9月
2019年4月~6月
平成31年1月~3月
平成30年10月~12月
平成30年7月~9月
平成30年4月~6月
平成30年1月~3月

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久保京子

このサイトを運営する(株)フィデスの代表取締役社長。メーカーにてマーケティング業務に従事した後、消費者と事業者のコミュニケーションの架け橋を目指し、99年に消費生活アドバイザー資格を取得する。
(財)日本産業協会にて、経済産業省委託事業「電子商取引モニタリング調査」に携わったことを契機に、ネットショップのコンプライアンス及びCS向上をサポートする(株)フィデス設立。